2021年6月にIPOを果たしたばかりである広告検証会社のIntegral Ad Science(IAS)が、スマートテレビ広告を中心に運営するPublicaを2億2000万ドル(約240億円)で買収したことが判明しました。
Integral Ad Science Buys Ad-Tech Company Publica for $220 Million – WSJ
https://www.wsj.com/articles/integral-ad-science-buys-ad-tech-company-publica-for-220-million-11628591400
買収によって支払われる約240億円のうち75%は現金、25%は自社株とのこと。IASのCEOであるLisa Utzschneider氏は、この買収によってIASのポートフォリオを多様化し、マーケターやパブリッシャーの関心が高まっているスマートTV広告にさらに踏み込み、ビデオパブリッシャーとの関係を拡大させる戦略だと述べています。
デジタルマーケティング会社のeMarketerによると、2021年にスマートTV広告に対して支払われた広告費は130億4000万ドル(1兆4400億円)とのこと。人がインターネットに接続されたテレビを通して番組や映画を見る時間は増加しており、この傾向は今後加速していくとみられています。Utzschneider氏は過去12~18カ月はデジタルファーストの世界となり、多くの人がスマートTVを生活に取り入れたことから、買収が「スマートTV広告のロングゲームにおけるイニング」だと述べました。
IASはサプライチェーンが不透明だと指摘されるデジタル広告業界において、広告が適正な場所で、不正なく、ちゃんと表示されているのかという検証サービスを提供している企業。IASの詳細は以下の記事から読むことができます。
注目を集めるアドテク企業「Integral Ad Science」は何を提供していてどんな会社なのか? | GIGAZINE.BIZ

買収されたPublicaはカリフォルニア州パロアルトを拠点とし、FOXコーポレーションやバイアコムCBSなどにサービスを提供しています。Publicaのサービスを利用するとスマートTVで配信されるコンテンツに対してターゲティング広告を配信し、管理できるようになるほか、キャンペーンの分析も可能になります。
今後、PublicaのブランドはIASの一部となり、Publicaの従業員30人はIASに統合されます。買収によるレイオフはなかったとのこと。
スマートTVに広告技術を統合する動きはこの他にも見られており、将来的には既存のデジタル広告のようなターゲティングを、テレビ広告でも実施可能になるとみられています。
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