テレビやネットを横断した広告測定ツールを開発する「VideoAmp」が約310憶円を調達し企業価値が1600憶円に

広告測定ツールを提供する「VideoAmp」が2億7500万ドル(約310憶円)を調達し、企業価値が14億ドル(約1600憶円)に到達しました。

VideoAmp Raises $275 Million as It Aims to Accelerate Growth
https://videoamp.com/press/videoamp-raises-275-million-as-it-aims-to-accelerate-growth/

VideoAmp Raises $275 Million as It Aims to Accelerate Growth – WSJ
https://www.wsj.com/articles/videoamp-raises-275-million-as-it-aims-to-accelerate-growth-11634826600

VideoAmp Raises $275M at $1.4B Valuation
https://www.finsmes.com/2021/10/videoamp-raises-275m-at-1-4b-valuation.html

VideoAmpはアメリカ・ロサンゼルスを拠点とするアドテク企業で、2014年に設立されました。共同創設者兼CEOのRoss McCray氏はカリフォルニア大学ロサンゼルス校で純粋数学と天体物理学を学んだ後にドロップアウトしてVideoAmpを起業。2016年にはフォーブスが選ぶ30歳未満の30人でマーケティングおよび広告賞を受賞しました。

VideoAmpはメディアの売買に焦点をあてたデータ駆動型の広告エコシステムを構築しており、従来型のテレビ広告と、ストリーミング動画、デジタルメディア全体の広告オーディエンスを統合して「メディアへの露出」と「広告主の売り上げ」を直結させるプラットフォームを運営しているとのこと。

デジタル広告が主流になる中で、従来型のテレビ広告を含むプラットフォーム間の分断が課題となっており、VideoAmpはこのような複数にわたるプラットフォームを統合するツールとして注目されています。テレビ広告業界ではこれまでニールセンが支配的な位置に存在しましたが、ニールセンはオーディエンスを過小評価していたことが判明しており、業界標準であるMRC認定を一時停止される状態に。このような背景から広告主やメディアが新たな広告測定ツールを模索しており、VideoAmpが有望視されているわけです。

また、プラットフォームをまたがる広告ターゲティングにはプライバシーへの懸念がつきものですが、VideoAmpはプライバシーに配慮しつつもオーディエンスを統合し、メディア消費とエンゲージメントの正確な測定を実現しているとのこと。この点もメディア・広告主に選ばれる理由となっています。

そんなVideoAmpがシリーズFの調達ラウンドで、The Spruce House PartnershipやD1 Capital Partners、Tiger Global Management、EPIQ Capital Group、Ankona Capitalといった投資会社から2億7500憶ドルを調達したことを発表。これにより企業価値が14億ドルに到達しました。

この調達ラウンドの目的は、ニールセン以外の測定ツールを求めるクライアントにサービスを提供することにあり、資金調達に成功したことで同社の3年計画を1年に短縮できるものとみられています。また同社はこれまで広告主側へのサービス提供を主としており、今後はメディア側へのサービス提供について強化を行っていくとしています。

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