カテゴリーアーカイブ: ネットサービス

「SaaSスタートアップを運営すること」は2013年と2021年で何が変わったのか?

ウェブサイトの解析ツールを提供する「Heap」の共同設立者であるラヴィ・パリク氏は2020年にHeapを退職し、2021年新たに開発者向けプラットフォーム「Airplane」を立ち上げました。パリク氏が2013年と2021年という2度のSaaS立ち上げを通して感じた変化や、共通する重要な点をまとめています。

I started SaaS companies in 2013 and 2021. Here’s how things have changed
https://blog.airplane.dev/i-started-a-saas-company-in-2013-and-2021-heres-how-its-changed/

パリク氏が「2013年と2021年のSaaSスタートアップの違い」として挙げているのは以下の7点。

◆1:これまで以上にSaaSが増加し、成長速度も速くなっている
Heapが起業した2013年において、100億ドル(約1兆1000億円)の価値を持つスタンド・アローンのSaaS企業はSalesforceServiceNowWorkdayの3社しかありませんでした。一方、2021年9月において、100億ドル以上の価値を持つSaaSの公開会社は47社あり、うち6社は1000億ドル以上(約11兆円)の価値を持ちます。

またHeapは製品が動くようになった状態で、シード段階において評価上限額1200万ドル(約12億円)で200万ドル(約2億円)の出資を獲得しました。しかし、今日の状況では、同様の段階おいて評価上限額2500万ドル(約27億円)で500万ドル(5億5000万円)の資金を調達することは珍しくありません。さらに、バーチャルイベントのスタートアップであるHopinは2年で年間経常収益(ARR)が77.5億ドル(約8500億円)にまで到達しており、SaaSスタートアップの成長は加速しているとのこと。

◆2:SaaS企業が増加することで初期のけん引力を得ることが困難に
2013年にHeapがスタートした時、オンライン掲示板のHacker NewsにウェブサイトのURLを投稿するだけで1日3000人以上のアクセスがあった、とパリク氏は述べています。当時、Heapのウェブサイトにはランディングページとデモムービー、「アクセスをリクエストする」というフォームだけでしたが、200万ドルを調達したことを報じるTechCrunchの記事が投稿されると、500人以上が申し込みを行ったそうです。

一方、2021年においては、Hacker Newsや新製品共有のためのプラットフォーム・Product Huntで、毎日何十件とSaaSのリリースが発表されています。また1億ドル(約110億円)の資金を調達するSaaSも珍しくなく、数百万ドルの資金調達を伝える記事が人目を引くことはありません。

Heapが公開されて1年間のマーケティング活動は、Hacker NewsとTechCrunchで十分だったとのこと。しかし、AirplaneはHeapと状況が異なることから、早期に安定した流通を実現するためにより計画的なアプローチを取っているそうです。

◆3:製品を公開するまでの道筋
Heapは数カ月の開発のすえ、辛うじて動作する「必要最低限の機能だけを搭載した製品(MVP)」をリリースしました。しかし、2021年において、多くのスタートアップが製品を公開する前に投資家から資金を調達し、より多機能かつ洗練された製品設計のため他企業と契約を結んでいます。Airplaneの場合はこの中間の進路を取っており、「かなり洗練されているが、機能が限られたMVP」をもって製品を公開したとのこと。

どのようなアプローチがベストなのかは、正解がありません。ただ、製品に関するアイデアがどれだけ考え抜かれていても、「人に製品を使ってもらうこと」によって学べることは多くあります。このためより高度な製品を作るべく他企業と提携するよりも、早期にMVPを公開する方がよいとも考えられます。例えばHeapは当初、「開発者ツール」として作られていましたが、製品を人に使ってもらうことで、「製品マネージャーとの相性がいい」ことが判明しました。「早期に立ち上げて、市場のフィードバックを早くに得られたことはよかった点です」とパリク氏は語ります。

◆4:SaaSがビジネスモデルとして理解されている
2013年において、DropboxGitHubはSaaS企業ではなく、Facebookのような「消費者向けのテクノロジー企業」として認識されていました。また、2021年ではSaaSビジネスがうまくいっているかを測るために使われる売上継続率(NRR)の価値を理解する投資家も、当時はほとんどいなかったとのこと。このため「成長率は大きいが解約率も高い企業」が高額の出資を受けることもあったそうです。加えて、「SaaSの経験が豊富な役員」は存在せず、BtoCのマーケティング担当副社長やエンジニアリング担当副社長の経歴を持つ人物が代わりとして選ばれていたとパリク氏は述べています。

2021年時点では、SaaSはより成熟した市場となり、SaaSへの出資に熟達した投資家や、役員、アドバイザーなどが多く存在します。このため、サービスを開始したばかりの規模の小さなSasSでも、将来的な予想が付きやすいという点はメリットとして挙げられています。

◆5:SaaSは顧客にも理解されている
2013年、スタートアップであれば「SaaSを利用する」ということに慣れてきていましたが、スタートアップ以外の伝統的な企業はSaaSに慣れていませんでした。このためパリク氏は潜在的顧客に対して「Heapはインストールする必要がない」「CDなどを送ることもない」ということを説明するのにも苦労したそうです。

今日、このような懸念はほとんどなくなりました。セキュリティ関連の質問を受けたり、ベンダー評価に時間をとられることはありますが、SaaSがどのように機能しどのような潜在的リスクがあるかということは、よく理解されているように感じるとパリク氏は述べています。

◆6:「成功するためには大企業に製品を売る必要がある」わけではなくなった
Salesforce、ServiceNow、WorkdayといったSaaSは、主に大企業向けに製品を販売することで収益を得ています。これまでSaaSの成功までの道のりは、このように「中小企業向けの製品から初めて、大企業向けに展開する」という「アップマーケット」のアプローチが一般的でした。Heapも小規模なスタートアップ向け製品から始め、一般的な方法にのっとりアップマーケットのアプローチを試みたそうです。

ただしHeapの場合、結果は「まちまち」だとパリク氏。Heapは最終的に中小企業と大企業を顧客に持つようになりましたが、アップマーケットのアプローチによって、それまでに獲得した口コミや個人向けサービスの顧客を制限することにもなったとのこと。「思い返すと、全てのタイプの顧客に対応するために、価格設定と市場投入をセグメント化することについて、十分な仕事をやっていませんでした」とパリク氏は振り返ります。Slackのようなサービスがサイドプロジェクト向け・大企業向けのサービス展開で成功していることを受けて、「もし2021年にHeapをリリースするなら、より賢明な成長アプローチを取るでしょう」とパリク氏は述べています。

◆7:重要なことに集中することが簡単になった
国をまたいだ給与の支払いはかつて複雑なものでしたが、DeelのようなSaaSが現れることによって国内での給与支払いと同じように簡単になりました。このように、「製品を作る」こと以外に企業が行わなければいけない業務は、他のSaaSで賄うことができるようになっています。パリク氏は8年前、Heapを運営する上で何時間、あるいは何日も弁護士とのやり取りに費やしていましたが、他社のSaaSを利用すればその必要はありません。このため、お金や時間を節約しつつ「本当に重要なこと」に時間や労力を割けるようになったと言えます。

「全体として、2013年とは状況が大きく変わりました。しかし、同じこともあります。製品を市場に適合させることは簡単でも理解しやすいものでもありません。そしてそれこそが、初期段階において唯一の『重要なこと』です」とパリク氏は締めくくっています。

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「TikTokで人気のコンテンツ」が広告として利用可能になるサービス「Spark Ads」をTikTokが開始

動画共有プラットフォームの「TikTok」が新たに、「プラットフォーム上で既に人気を集めているコンテンツ」をブランドが広告として利用できるサービス「Spark Ads」を提供することが判明しました。

Introducing Spark Ads: An authentic way for brands to elevate native, popular content | TikTok For Business Blog
https://www.tiktok.com/business/en/blog/spark-ads-authentic-way-brands-elevate-native-popular-content

TikTok Launches New ‘Spark’ Ads Which Enabled Brands to Tap into Trending Organic Content | Social Media Today
https://www.socialmediatoday.com/news/tiktok-launches-new-spark-ads-which-enabled-brands-to-tap-into-trending-o/603671/

TikTokにはさまざまな動画が存在し、以下のような「メイクアップ動画」もその1つ。
@monaswain

Love how these drops have been evening out my skin tone! @isleofparadise available now at Sephora #Ad #selfcare #selflove

♬ Paradise – Nate Kreiswirth

例えば化粧品ブランドがSpark Adsを使うと、インフルエンサーによって投稿されたこのようなオーガニックの投稿のうち、自社が実施するキャンペーンの内容と合致するものをインフィード広告TopViewといった有料キャンペーンのクリップとして再利用可能になります。もちろんインフルエンサーのコンテンツを勝手に利用するのではなく、ブランドがインフルエンサーに連絡を取ったのちに有料キャンペーンへ利用可能になるとのこと。

TikTokは発表の中で、「TikTokは、エンターテイメントを再定義し、トレンドを生み出し、人気のある製品やサービスについての見解を共有するクリエイターによって構成されています。ブランドはこのような多様なコンテンツと創造性の宝庫の世界に足を踏み入れ、製品やサービスを広めるクリエイターたちとつながることができます」と述べています。

Spark AdsはすでにTikTok上で人気を集めているコンテンツを広告として利用するため、リーチを最大化することが可能で、かつSNSに不慣れなマーケターでも効果的なキャンペーンを実施できるという点がメリットと考えられています。またコンテンツを広告として利用する際にブランドは広告ターゲティングツールを使用できるため、ターゲットを絞ることでさらに効果的に広告が実施できます。複数の投稿者のコンテンツを合わせて動画を作成するデュエット機能が利用できることも大きな利点です。

多くのブランドはまだYouTubeやFacebookと比較してTikTokを広告の出稿先としてあまり利用していませんが、TikTokがブランドの広告ツールの1つとなるのは時間の問題だといわれています。TikTokは広告出稿のキャッチコピーを「広告を出さないでください。トレンドを作りましょう」としており、「最も効果的なプロモーションは、ユーザーがフィードで目にしているもの」だという考えを持っています。このためブランドが従来型の広告を独自に作成するのではなく、TikTokのフィードを利用したSpark Adsのような形が最適だと考えられているわけです。

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44億円の資金調達に成功したeコマース最適化ツール「Teikametrics」とは?

2020年から2021年にかけてデジタル化が大きく進み、オンラインショッピングの需要が増加しました。このような状況の中で、サードパーティーマーケットプレイスによるeコマースビジネスを最適化する「Teikametrics」が約44億円の資金調達に成功したと発表されました。

Taikametrics Raises $40M in Series B Funding | FinSMEs
https://www.finsmes.com/2021/07/taikametrics-raises-40m-in-series-b-funding.html

Teikametrics raises $40M to optimize ecommerce listings | VentureBeat
https://venturebeat.com/2021/07/15/teikametrics-raises-40m-to-optimize-ecommerce-listings/

2021年7月15日にeコマースビジネスを最適化するTeikametricsが、Intel Capital・GoDaddy・Centana Growth Partners・Jump Capital・Granite Point CapitalおよびSoftBank Vision Fund代表のLydia Jett氏らからシリーズBの資金調達において4000万ドル(約44億円)を得たと発表されました。

Teikametricsは、サードパーティーのマーケットプレイスで販売を行うブランドや小売業者の売上を最適化するツールを、SaaSとして提供しています。TeikametricsはAIを利用することで、製品の目標にあった広告キャンペーンを作成可能にし、理想的なディスプレイ広告の入札額を見定め、製品の売上を伸ばす検索キーワードの調整を行うとのこと。このとき、システムは自動でパフォーマンスを損なうキーワードを排除しつつ、コンバージョンを増やすキーワードを捕捉していき、目標までの進捗・収益性・必要な製品の組みあわせ・キャンペーンといった内容を追跡します。

具体的にTeikametricsが示すサービスの内容は以下の通り。

・広告最適化:
アルゴリズム入札とキーワード自動化による目標指向のキャンペーンで戦略的に需要を増加させる。
・マーケット・インテリジェンス:
AIを使った分析で売り上げと収益性を最適化し、ランキングを底上げしオーガニックの流入を増加させるとともに、さらなるビジネス最適化のためのデータを得る。
・優先的融資
ブランドの成長に必要な資金を得るための投資家へのアクセスを最適な利率とともに提供。
・在庫の最適化:
AIを使って取り残された在庫を追跡し、将来のニーズを予測、サプライチェーンのリードタイムを管理して、売上を最大化させるように効率化。これらを行いつつ、投資利益率(ROI)、在庫回転率、販売率といった指標を完全に可視化する。
・複数マーケットプレイスの最適化
1つのプラットフォーム上で、複数のマーケットプレイスにわたる在庫管理・広告作成を実施。それぞれのパフォーマンスをシームレスで確認可能にし、全体のパフォーマンスと戦略を最適化する。

これがTeikametricsのダッシュボード。

Teikametricsは、2001年にハーバード大学の寮内でeコマースビジネスを開始し、「Amazonのサードパーティーの売り手として最初に売り上げ100万ドルに達した人物の1人」であるというAlasdair McLean-Foreman氏によって2015年に創業されました。「Teikametricsのビジョンは、Amazonビジネスで成功した私の経験をもとに、データ・AI・専門知識を組み合わせることにあります」とMcLean-Foreman氏は述べています。

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行により、世界的にデジタル化が進み、オンラインショッピングサイトの需要も急増しました。Amazonのマーケットプレイスは2021年第1四半期に60%の成長を記録しており、ウォルマートのマーケットプレイスも2022年までに146%の成長があるものと考えられています。eコマースのプラットフォームのユーザーが増加するにつれ、Teikametricsのようなサービスの需要も上がっていくものとみられます。

なお、eコマース製品の広告にはプログラマティック広告だけでなく、「理解を伴う認知」を得るための記事広告も有効です。

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Facebookのメディア監査が延期に、実は監査の契約書も結ばれていなかったことが判明

Facebookが2021年6月末までに行われるはずだったメディア監査を延期したことが判明しました。また、実は監査を行う非営利組織とFacebookの間で、監査の契約書が結ばれていなかったことも明らかになっています。

Facebook delays its brand safety audit a year after ad boycott raged
https://digiday.com/marketing/facebook-delays-its-brand-safety-audit-a-year-after-ad-boycott-raged/

Facebookは2020年にトランプ大統領の暴力を示唆する投稿にラベル付けを行わなかったことから、1000社以上による広告のボイコットに合いました。多くの広告主が「自社広告がヘイトスピーチ・ポルノ・誤情報などの近くに配置され、これらを金銭的に支援すること」を懸念したためです。アメリカにはメディアを調査・監査する非営利組織「Media Rating Council(MRC)」が存在し、メディアの運用が業界標準に準拠しているかなどを評価していますが、ボイコットを受けてFacebookは、MRCによる監査を開始すると約束しました。

しかし、ニュースメディアのDigidayが報じるところによると、Facebookは「2021年6月末までに開始する」としていた監査をまだ実施していないことが判明したとのこと。加えて、FacebookとMRCの間では監査に関する正式な契約が結ばれていないこともわかりました。

Facebookは「監査の準備をしている段階」であり、7月中に監査を開始する予定だとFacebookの広報担当者は述べています。一方で、正式な契約書が存在しないこともあり、Facebookが何を準備しているのかは不透明です。MRCの広報担当者は「Facebookが何を準備するかによって最終的な監査範囲は左右されますが、これは実際に彼らと合意が取れれば対処できることです」とコメントしました。

Facebookは7月末までに監査を開始し、2021年末までに終了させると述べています。期限についてMRCは「第4四半期までに評価が行われる可能性はありますが、実際の日付については監査結果に影響する可能性があるため答えることができません」と述べました。

これまで両社のやりとりは非公式なメールのみで行われていますが、その中で監査が「Facebook Audience Networkインスタント記事といったパブリッシャーコンテンツ内に表示される広告がブランドの安全管理をどれくらい受けているか」や、「Facebookのコンテンツマネタイズのポリシーがブランドの安全標準に則しているか」におよぶと言及されているとのこと。ただし、公式な契約書がない以上、評価のプロセスやレベルといった内容は不明であるとDigidayは述べています。

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TikTokの人気広告枠を使うには2億円以上が必要になる見込み

10代、20代を中心に人気を集めている動画共有サービスの「TikTok」は、今後さらにユーザー数を伸ばす、ポテンシャルの高いプラットフォームだといわれています。匿名筋の情報により、このTikTokで最も人気の高い広告枠の価格が、2021年中に2億円を突破する見込みであることがわかりました。

TikTok Charges Up to $2 Million a Day for Top Advertising Spots – Bloomberg
https://www.bloomberg.com/news/articles/2021-06-10/tiktok-is-jacking-up-prices-as-it-builds-its-ad-business

動画共有プラットフォーム・TikTokの広告ビジネスは過去1年で500%の成長を遂げており、これはユーザー数の増加に伴うものだといわれています。TikTokの1カ月あたりのアクティブユーザー数は、2018年には1100万人程度でしたが、2021年5月にはアメリカで1億人、全世界で7億3200万人を突破。アプリ分析を行うAPP ANNIEは今後ユーザー数が数十億人にまで伸びると予測しています

ユーザー数が増加することで、TikTokの広告枠の価値も上がっています。海外ニュースメディアのBloombergによると、2021年第3四半期にTikTokは最も価値の高い広告枠の価格を140万ドル(約1億5300万円)にする予定だと判明しました。また第4四半期にはこの価格は平日が180万ドル(約1億9700万円)、祝日の場合には200万ドル(約2億1900万円)となるとのこと。

TikTokにおいて最も価値の高い広告枠は、「トップビュー」と呼ばれ、ユーザーがアプリを起動して「For You」ページに移動した時に最初に表示される画面に位置するもの。トップビューの広告は1億900万インプレッションが見込めると考えられてます。

TikTokは無料アプリであるため、その収益は広告事業によるものです。ブランドや広告主がよく利用するプラットフォームにYouTubeがあり、TikTokはまだ広告を掲載する媒体としてYouTubeほど利用されていません。しかし広告代理店・ GroupMのBrian Wiese氏は「TikTokがYouTubeのように広告主の選択肢の1つとなるのは時間の問題だ」と述べています。YouTube、Instagram、Snap、Pinterestといったプラットフォームはユーザー数の増加と比例して広告売上げが伸びており、TikTokもこれらと同様の道筋をたどると見られています。

GroupMの予測では、2021年に広告市場は15%の成長があるとのこと。TikTokの広告ビジネスはYouTubeやFacebookのように成熟してはいないものの、市場全体の成長の恩恵を受けるはずで、広告枠の値上げも市場の成長を見越してのことだと考えられています。

なお、ユーザーのフィードに掲載する広告は、トップビューほどのインプレッションが見込めないため、価格は半額ほどになる見込み。また3日間にわたって「ハッシュタグチャレンジ」を行うための費用は50万ドル(約5400万円)となっています。

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Amazonの広告収入はすでにTwitter・Pinterest・Snap・Rokuの収入合計の2倍以上に達している

Amazonの収益は多くが「Amazon.com」の売り上げによるものですが、近年は広告事業が大きな売り上げを伸ばしているとも報告されています。すでに、Amazonの広告売り上げはTwitter・Pinterest・SnapRokuの売り上げ合計の2.4倍になっているとのことです。

Amazon ad revenue now twice as big as Snap, Twitter, Roku and Pinterest combined
https://www.cnbc.com/2021/05/25/amazon-ad-revenue-now-twice-as-big-as-snap-twitter-roku-and-pinterest-combined.html

Amazonは四半期決算報告の中で「Amazon.com」の売り上げのほか、「AWS事業」「その他事業」などの売り上げも発表しています。「その他事業」の詳細は不明ですが、内訳の多くを広告事業が占めていると考えられています。そして、この1年でAmazonの「その他事業」の売り上げが大きく成長しており、第1四半期の売り上げは前年比77%増の69億ドル(約7560億円)に。GoogleやFacebookといった他の広告プラットフォームを追い上げていると報じられています。

デジタル広告への支出は2020年に12%増加、Amazonが怒涛の勢いで成長中 | GIGAZINE.BIZ

新たに投資銀行のLoop Capitalが発表した内容によると、Amazonの広告事業の売り上げは、Twitter・Pinterest・Snap・Rokuの売り上げ合計の2.4倍になるとのこと。

Amazonの広告売り上げ増加は、「Amazon.comのトラフィックの多さ」と「ユーザーデータによって得られた知見を売り手やブランドに提供できること」により、高い広告パフォーマンスを実現したことが理由だとLoop Capitalは述べています。

また、Amazonは2014年にTwitch買収しましたが、これまで、その広告枠は手動で購入する必要がありました。しかし、2020年9月にAmazonは自社のプログラマティック広告プラットフォームでTwitchの広告在庫を購入できるように変更。ネット広告業界団体Interactive Advertising Bureauが開催したイベント・IAB NewFrontsのプレゼンテーションの中で、Amazonは「Twitchなどで流れる広告付きストリーミングコンテンツは、毎月1億2000万人以上に視聴されている」と述べたとのことです。このような広告施策もAmazonの売り上げを増加させている一因だとみられます。

Loop Capitalのアナリストは「Amazonの技術、規模、デバイスリーチ、消費者への接続性といったものを考えると、これら新しい取り組みは比較的短期間で多大な貢献を果たすと考えられます」と述べ、一方で「インターネット規模でのデジタル広告の利益率を考えると、これらは十分に株価に反映されていないと思います」とも指摘しました。

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Googleがeコマースをさらに強化しSquareやWooCommerceとも提携

GoogleがWooCommerceGoDaddySquareといったサービスとの提携し、eコマース機能を強化することを発表しました。Googleはオンラインショッピングの機能を次々に追加・拡張しており、Google検索やYouTubeといったショッピング以外の体験と、ショッピング体験をシームレスにつなげる試みを展開しています。

Get discovered and build your brand on Google
https://blog.google/products/shopping/gml-2021-build-your-brand/

Google, Shopify (SHOP), Square (SQ) Look to Boost Online Shopping Against Amazon – Bloomberg
https://www.bloomberg.com/news/articles/2021-05-27/google-shopify-extend-ties-in-commerce-blitz-against-amazon

Google Search, Shopping adding ‘deals’ result page – 9to5Google
https://9to5google.com/2021/05/27/google-shopping-deals-page/

Googleは2021年に入ってeコマース強化ツールを次々に発表しており、オンラインショッピングプラットフォーム「Shopify」との提携を明かしています。この提携により、Shopifyでショッピングサイトを持つ人は、Google検索・YouTube・Google画像検索といったプラットフォームの至るところに製品を表示できるようになるとのこと。

Googleがeコマース強化ツールを次々に発表、ショッピングサイト運営者はGoogleのいたるところに製品を表示できるように | GIGAZINE.BIZ

そして5月27日付けで、GoogleはShopifyに加えてWooCommerce、GoDaddy、Squareといったサービスとの提携も発表。これらのサービスを利用するショッピングサイトは、Googleのプラットフォームとの統合が無料かつ容易に行えるようになります。

Googleによると、2020年から「割引コード」というキーワードの検索が50%増加したとのこと。消費者がGoogle検索で「お得な製品」を求める傾向が強くなっていることを受けて、新しい検索結果のページでは、ブランドが行っているセールやプロモーションがより探しやすくなります。例えば「ブラックフライデーセール」と検索すると、「店舗からのセール」というタブを備えたナレッジパネルが表示され、ユーザーがセール中の製品により容易にアクセス可能になります。

「Deals(セール)」という部分をタップすると……

セール商品だけが表示されます。

また、ユーザーアカウントと紐付けて、特定のユーザーだけにセールや特別価格を表示する「ロイヤリティプログラム」もスタートします。

そして過去1年で「店頭受け取り」「近隣で購入」を目的とする検索が増加し、「在庫あり」というキーワードの検索については世界的に前年比800%となりました。このような背景から、Googleでは、検索を行ったユーザーの近くで製品を購入できる店舗の広告が表示されるほか、ユーザーが購入したい製品について、eコマースサイトや近隣店舗を含む全ての購入オプションが1箇所にまとめて表示される機能も開発されました。この新機能はキーワード検索とショッピング機能でテスト中であり、2021年中にはGoogle画像検索やYouTubeでも同様の機能が展開される予定です。

加えて、広告代理店の5WPRが行った調査によると、2020年には消費者の71%が「自分の重視する価値観と一致する企業から商品を買いたいと考えている」ことが示されたとのこと。また、マーケティングツールを開発するPowerReviewsの調査では、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミック以降、10人中9人が「これまで以上に美容製品をオンラインで購入するようになった」と答えています。これらの調査結果から、ブランドやショップが「オンラインでのショッピング体験を充実させること」がこれまで以上に重要だとGoogleは考えており、ARを使って化粧品を試せるツールや洋服を試着できるツールなどが利用可能になる予定です。

なお、製品の露出を増やすことと共に重要になるのが、製品の「ストーリー」を示して顧客の共感を得ることや、ブランディングです。GIGAZINEではストーリーテリングに焦点を当てた記事広告を掲載しており、以下から資料を取り寄せることが可能です。

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デジタル広告への支出は2020年に12%増加、Amazonが怒涛の勢いで成長中

by Ivan Radic

企業の広告費は景気に大きく左右されるため、2020年は新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が流行した影響で広告費が縮小すると予測されました。しかし、実際にはそんな中でもアメリカにおけるデジタル広告に対する出費は過去最大となったことが判明。Google・Facebook・Amazonという広告大手が市場の独占をさらに強めたほか、これまで以上にAmazonが躍進していることもわかりました。

2020/2021 IAB Internet Advertising Revenue Report
https://www.iab.com/insights/internet-advertising-revenue-report/

Amazon’s share of the US digital ad market surpassed 10% in 2020 – Insider Intelligence Trends, Forecasts & Statistics
https://www.emarketer.com/content/amazon-s-share-of-us-digital-ad-market-surpassed-10-2020

Digital ad spend grew 12% in 2020 despite hit from pandemic
https://www.cnbc.com/2021/04/07/digital-ad-spend-grew-12percent-in-2020-despite-hit-from-pandemic.html

Amazon Surpasses 10% of U.S. Digital Ad Market Share – WSJ
https://www.wsj.com/articles/amazon-surpasses-10-of-u-s-digital-ad-market-share-11617703200

オンライン広告における技術的標準規格の策定や動向調査を行うIAB(Interactive Advertising Bureau)の調査報告によると、2020年のデジタル広告に対する支出は前年比で12.2%増加したとのこと。2020年の前半はCOVID-19の影響で旅行業界を始めとする多くの企業で売り上げが激減し、広告に対する出費も全体的に低下しましたが、2020年後半にはホリデーシーズンの盛り上がりとアメリカ大統領選の政治広告により、広告への支出が増加。年間で1398億ドル(約15兆円)の支出となりました。

ただし、これらの支出先は、GoogleやFacebookといった一部の大手広告企業に集中する傾向がみられます。IABによると、2020年における広告企業上位10社の広告売上高は合わせて1090億ドル(約11兆円)以上で、全体売上のほとんどを占めています。また2018年には上位10社の売り上げが全体を占める割合は75.9%でしたが、2019年には76.6%、2020年には78.1%となったとのことです。

上位企業の中でも特に成長が大きいのがAmazon。Amazonのデジタル広告市場における2020年のシェアは、2019年の7.8%から増加して10.3%となりました。デジタルマーケティングの市場調査会社であるeMarketerは、アメリカAmazonの2020年度の広告収入が、2019年から52.5%増加した157.3億ドル(約1兆7200億円)に上るとみています。

以下は左が2019年、右が2020年の広告収入の市場シェア。GoogleとFacebookがやはり圧倒的ですが、Amazonもそれに続いて収入を伸ばしています。

eMarketerのレポートによると、Amazonの広告収入の90%はAmazon.comに表示された広告によるものであり、スポンサー製品やブランドの検索広告が収入の大部分を占めるとのこと。またAmazon.comの広告に比べれば額が小さいものの、Fire TVやTwitch、IMDb TVといったサービスでの広告収入も大幅に成長しているそうです。

特に、Amazon.comに関して、2020年は都市封鎖などの影響で需要が増加し、Amazonマーケットプレイスの小売業者を含む、多くの人が在庫不足という問題を抱えました。しかし、これまでランキング上位に表示されていた小売業者が在庫不足になるということは、他の業者にとっては追い上げのチャンスとなります。Amazon.comの広告はこのような背景で多く利用されたとみられています。

2021年、アメリカAmazonの広告ビジネスは30.1%成長し、2020年第4四半期の予測を上回る200億ドル(約2兆2000億円)の収入を記録すると推測されています。また2023年までには収入が300億ドル(約3兆3000億円)に上る見込みだとeMarketerは示しました。

一方で、GoogleはAmazonにシェアを奪われる傾向にあり、2023年までには、2020年時点で28.9%あるシェアが26.6%になるとeMarketerは予測しています。またGoogleはサードパーティーCookieの廃止を受け、新たな広告システムの構築を余儀なくされているという点でも、今後の成長の持続性が疑問視されているとのことです。

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GoogleのAMP対応にしたらコンバージョン率が70%減少したという事例

過去にウェブデザインの変更でランディングページのコンバージョン率を500%にすることに成功したネイサン・コントニー氏が、ウェブサイトをGoogleの推進するAMP対応にしたところ、コンバージョン率が70%も減少したという実例を明かしています。

Google AMP – A 70% drop in our conversion rate. – Rockstar Coders
https://www.rockstarcoders.com/google-amp/

Googleは2015年にモバイルのウェブ高速化を目的としたオープンイニシアチブ「AMP」を立ち上げました。AMPは「Accelerated Mobile Pages(モバイルページの高速化)」の頭文字を取ったものとなっています。

AMPはモバイルページを高速化するために「JavaScriptを利用しない」「全てインラインCSS」「CSSは75KB以下」といった標準を持っています。コントニー氏は「誰だって自分のウェブサイトを速くしたい」とAMPの考え方に賛同し、「GoogleはAMP対応のウェブサイトを検索で優遇する」というウワサもあったことから、「AMPに対応すればランディングページのコンバージョンがさらに増えるはず!」と考えてAMP対応に取り掛かりました。

しかし、結果としてコントニー氏のウェブサイトのコンバージョン率は70%も下落することになります。

「変数が多すぎてコンバージョンの下落がAMPだけを原因としたものかは定かではない」と述べつつも、コントニー氏はまず、AMPのデザインによってウェブサイトがユーザーの信頼を損なう可能性があると指摘。

AMPはウェブサイトをGoogleのCDN経由で表示するものであり、本来であればウェブサイト独自のドメインで表示されるところが、「google.com」として表示されます。Googleに全幅の信頼を置いている人ももちろんいますが、「特定のウェブサイトにアクセスしたはずなのに、URLにGoogleが表示される」という状態をフィッシング詐欺と誤解する人もいる可能性があるとコントニー氏はみています。

さらに、コントニー氏がモバイル版のGoogle ChromeのエミュレーターでAMP対応のウェブサイトをテストしたところ、ランディングページが表示されるべきところに真っ白いページが表示されることがあったそうです。インターネットで調べてみたところ、同様の問題を報告した人もいたとのこと。

さらに、AMP対応のウェブサイトは、一見AMP非対応のウェブサイトと同じに見えて、デザインに相違があるとのこと。例えば以下のランディングページを見ると、AMP非対応のページ(左)は見出しが2行で表示されているのに対し、AMP対応ページ(右)は見出しが3行で表示されています。

これらの問題が単体で「コンバージョン率の70%減少」の原因になっているとは考えられないものの、他の設計上の問題や時期的な問題と重なることで、問題が大きくなっている可能性は考えられるとのこと。コントニー氏は、AMPの概念自体には賛同しているものの、ウェブサイトにおけるAMPの利用を当面見送ると締めくくりました。

なお、GoogleがウェブサイトをGoogleのドメイン下で配信するというAMPの仕組みには数多くの懸念が寄せられており、またJavaScriptの機能しないAMPではヘッダービディングが利用できないため「デジタル広告を独占する意図があったのではないか」と独占禁止法違反での訴訟も進んでいます。

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Facebookのニュースフィードで広告主が「避けたい話題」を指定可能に

Facebookの広告ネットワークは自動化されているため、時にブランドイメージに反するコンテンツの横に広告が表示されてしまうことがあります。しかし、Facebookは新たに、ニュースフィード上に表示される広告において、広告を出稿する側が「避けたい話題」を指定できるようにするツールを開発中であると発表しました。

Facebook To Test Controls to Exclude Topics in News Feed Ads | Facebook for Business
https://www.facebook.com/business/news/testing-topic-exclusion-controls-for-advertisers

Facebook developing a tool to help advertisers avoid bad news – Axios
https://www.axios.com/facebook-helps-advertisers-avoid-bad-news-d553ed5b-4c9c-450c-83c0-24a57767c116.html

Facebook上に掲載される広告はアドネットワークを通じて自動入札される仕組みであるため、時に広告が質の悪いコンテンツや、ブランドイメージに反するコンテンツの隣に表示されることがあります。

このような事態を避けるために、Facebookは新たに、広告主が「避けたい話題」を選択できるツールを開発しているとのこと。たとえば、「新しく始まる犯罪番組」に関連するコンテンツを避けたいと考えるオモチャ販売会社は、事前に「犯罪と悲劇」を避ける話題として選択可能。これにより、「犯罪と悲劇」に該当するコンテンツの近くにオモチャの広告が表示されないようになります。

Facebookは記事作成時点で、避けることができる話題に「ニュースと政治」「社会問題」「犯罪と悲劇」の3種類を用意する考えですが、今後行っていくテストの中で広告主の声を聞き、リクエストを反映する予定としています。

FacebookはGlobal Alliance for Responsible Media(責任あるメディアに向けた世界同盟/GARM)に参加しており、上記の変更はGARMの推奨事項に対処するもの。Facebookのグローバルビジネスグループ担当副社長を務めるキャロリン・エバーソン氏は「広告主が、自分たちの広告の隣にあるコンテンツを制御するための話題除外ツールを手に入れることは、私たちにとって、そしてGARMを通じて私たちが業界にコミットするために非常に重要な仕事です」とコメントしました。

一方で、過去に広告主が「広告を掲載したくないウェブサイト」や「避けたいワード」を指定できる「ブラックリスト」機能があった時には、ブロックがうまく機能しなかったり、手違いで質の高いニュースサイトが広告収入を絶たれたりする事態が発生しました。この点について海外メディアのAxiosは「新しいフィルターはキーワード指定の広範なブラックリストよりも精密なものを目指しているようです」と見解を述べています。

なお、ツールの開発やニュースフィードでのテストおよび学習には1年かかるとみられています。

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