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デジタル広告への支出は2020年に12%増加、Amazonが怒涛の勢いで成長中

by Ivan Radic

企業の広告費は景気に大きく左右されるため、2020年は新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が流行した影響で広告費が縮小すると予測されました。しかし、実際にはそんな中でもアメリカにおけるデジタル広告に対する出費は過去最大となったことが判明。Google・Facebook・Amazonという広告大手が市場の独占をさらに強めたほか、これまで以上にAmazonが躍進していることもわかりました。

2020/2021 IAB Internet Advertising Revenue Report
https://www.iab.com/insights/internet-advertising-revenue-report/

Amazon’s share of the US digital ad market surpassed 10% in 2020 – Insider Intelligence Trends, Forecasts & Statistics
https://www.emarketer.com/content/amazon-s-share-of-us-digital-ad-market-surpassed-10-2020

Digital ad spend grew 12% in 2020 despite hit from pandemic
https://www.cnbc.com/2021/04/07/digital-ad-spend-grew-12percent-in-2020-despite-hit-from-pandemic.html

Amazon Surpasses 10% of U.S. Digital Ad Market Share – WSJ
https://www.wsj.com/articles/amazon-surpasses-10-of-u-s-digital-ad-market-share-11617703200

オンライン広告における技術的標準規格の策定や動向調査を行うIAB(Interactive Advertising Bureau)の調査報告によると、2020年のデジタル広告に対する支出は前年比で12.2%増加したとのこと。2020年の前半はCOVID-19の影響で旅行業界を始めとする多くの企業で売り上げが激減し、広告に対する出費も全体的に低下しましたが、2020年後半にはホリデーシーズンの盛り上がりとアメリカ大統領選の政治広告により、広告への支出が増加。年間で1398億ドル(約15兆円)の支出となりました。

ただし、これらの支出先は、GoogleやFacebookといった一部の大手広告企業に集中する傾向がみられます。IABによると、2020年における広告企業上位10社の広告売上高は合わせて1090億ドル(約11兆円)以上で、全体売上のほとんどを占めています。また2018年には上位10社の売り上げが全体を占める割合は75.9%でしたが、2019年には76.6%、2020年には78.1%となったとのことです。

上位企業の中でも特に成長が大きいのがAmazon。Amazonのデジタル広告市場における2020年のシェアは、2019年の7.8%から増加して10.3%となりました。デジタルマーケティングの市場調査会社であるeMarketerは、アメリカAmazonの2020年度の広告収入が、2019年から52.5%増加した157.3億ドル(約1兆7200億円)に上るとみています。

以下は左が2019年、右が2020年の広告収入の市場シェア。GoogleとFacebookがやはり圧倒的ですが、Amazonもそれに続いて収入を伸ばしています。

eMarketerのレポートによると、Amazonの広告収入の90%はAmazon.comに表示された広告によるものであり、スポンサー製品やブランドの検索広告が収入の大部分を占めるとのこと。またAmazon.comの広告に比べれば額が小さいものの、Fire TVやTwitch、IMDb TVといったサービスでの広告収入も大幅に成長しているそうです。

特に、Amazon.comに関して、2020年は都市封鎖などの影響で需要が増加し、Amazonマーケットプレイスの小売業者を含む、多くの人が在庫不足という問題を抱えました。しかし、これまでランキング上位に表示されていた小売業者が在庫不足になるということは、他の業者にとっては追い上げのチャンスとなります。Amazon.comの広告はこのような背景で多く利用されたとみられています。

2021年、アメリカAmazonの広告ビジネスは30.1%成長し、2020年第4四半期の予測を上回る200億ドル(約2兆2000億円)の収入を記録すると推測されています。また2023年までには収入が300億ドル(約3兆3000億円)に上る見込みだとeMarketerは示しました。

一方で、GoogleはAmazonにシェアを奪われる傾向にあり、2023年までには、2020年時点で28.9%あるシェアが26.6%になるとeMarketerは予測しています。またGoogleはサードパーティーCookieの廃止を受け、新たな広告システムの構築を余儀なくされているという点でも、今後の成長の持続性が疑問視されているとのことです。

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GoogleのAMP対応にしたらコンバージョン率が70%減少したという事例

過去にウェブデザインの変更でランディングページのコンバージョン率を500%にすることに成功したネイサン・コントニー氏が、ウェブサイトをGoogleの推進するAMP対応にしたところ、コンバージョン率が70%も減少したという実例を明かしています。

Google AMP – A 70% drop in our conversion rate. – Rockstar Coders
https://www.rockstarcoders.com/google-amp/

Googleは2015年にモバイルのウェブ高速化を目的としたオープンイニシアチブ「AMP」を立ち上げました。AMPは「Accelerated Mobile Pages(モバイルページの高速化)」の頭文字を取ったものとなっています。

AMPはモバイルページを高速化するために「JavaScriptを利用しない」「全てインラインCSS」「CSSは75KB以下」といった標準を持っています。コントニー氏は「誰だって自分のウェブサイトを速くしたい」とAMPの考え方に賛同し、「GoogleはAMP対応のウェブサイトを検索で優遇する」というウワサもあったことから、「AMPに対応すればランディングページのコンバージョンがさらに増えるはず!」と考えてAMP対応に取り掛かりました。

しかし、結果としてコントニー氏のウェブサイトのコンバージョン率は70%も下落することになります。

「変数が多すぎてコンバージョンの下落がAMPだけを原因としたものかは定かではない」と述べつつも、コントニー氏はまず、AMPのデザインによってウェブサイトがユーザーの信頼を損なう可能性があると指摘。

AMPはウェブサイトをGoogleのCDN経由で表示するものであり、本来であればウェブサイト独自のドメインで表示されるところが、「google.com」として表示されます。Googleに全幅の信頼を置いている人ももちろんいますが、「特定のウェブサイトにアクセスしたはずなのに、URLにGoogleが表示される」という状態をフィッシング詐欺と誤解する人もいる可能性があるとコントニー氏はみています。

さらに、コントニー氏がモバイル版のGoogle ChromeのエミュレーターでAMP対応のウェブサイトをテストしたところ、ランディングページが表示されるべきところに真っ白いページが表示されることがあったそうです。インターネットで調べてみたところ、同様の問題を報告した人もいたとのこと。

さらに、AMP対応のウェブサイトは、一見AMP非対応のウェブサイトと同じに見えて、デザインに相違があるとのこと。例えば以下のランディングページを見ると、AMP非対応のページ(左)は見出しが2行で表示されているのに対し、AMP対応ページ(右)は見出しが3行で表示されています。

これらの問題が単体で「コンバージョン率の70%減少」の原因になっているとは考えられないものの、他の設計上の問題や時期的な問題と重なることで、問題が大きくなっている可能性は考えられるとのこと。コントニー氏は、AMPの概念自体には賛同しているものの、ウェブサイトにおけるAMPの利用を当面見送ると締めくくりました。

なお、GoogleがウェブサイトをGoogleのドメイン下で配信するというAMPの仕組みには数多くの懸念が寄せられており、またJavaScriptの機能しないAMPではヘッダービディングが利用できないため「デジタル広告を独占する意図があったのではないか」と独占禁止法違反での訴訟も進んでいます。

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Facebookのニュースフィードで広告主が「避けたい話題」を指定可能に

Facebookの広告ネットワークは自動化されているため、時にブランドイメージに反するコンテンツの横に広告が表示されてしまうことがあります。しかし、Facebookは新たに、ニュースフィード上に表示される広告において、広告を出稿する側が「避けたい話題」を指定できるようにするツールを開発中であると発表しました。

Facebook To Test Controls to Exclude Topics in News Feed Ads | Facebook for Business
https://www.facebook.com/business/news/testing-topic-exclusion-controls-for-advertisers

Facebook developing a tool to help advertisers avoid bad news – Axios
https://www.axios.com/facebook-helps-advertisers-avoid-bad-news-d553ed5b-4c9c-450c-83c0-24a57767c116.html

Facebook上に掲載される広告はアドネットワークを通じて自動入札される仕組みであるため、時に広告が質の悪いコンテンツや、ブランドイメージに反するコンテンツの隣に表示されることがあります。

このような事態を避けるために、Facebookは新たに、広告主が「避けたい話題」を選択できるツールを開発しているとのこと。たとえば、「新しく始まる犯罪番組」に関連するコンテンツを避けたいと考えるオモチャ販売会社は、事前に「犯罪と悲劇」を避ける話題として選択可能。これにより、「犯罪と悲劇」に該当するコンテンツの近くにオモチャの広告が表示されないようになります。

Facebookは記事作成時点で、避けることができる話題に「ニュースと政治」「社会問題」「犯罪と悲劇」の3種類を用意する考えですが、今後行っていくテストの中で広告主の声を聞き、リクエストを反映する予定としています。

FacebookはGlobal Alliance for Responsible Media(責任あるメディアに向けた世界同盟/GARM)に参加しており、上記の変更はGARMの推奨事項に対処するもの。Facebookのグローバルビジネスグループ担当副社長を務めるキャロリン・エバーソン氏は「広告主が、自分たちの広告の隣にあるコンテンツを制御するための話題除外ツールを手に入れることは、私たちにとって、そしてGARMを通じて私たちが業界にコミットするために非常に重要な仕事です」とコメントしました。

一方で、過去に広告主が「広告を掲載したくないウェブサイト」や「避けたいワード」を指定できる「ブラックリスト」機能があった時には、ブロックがうまく機能しなかったり、手違いで質の高いニュースサイトが広告収入を絶たれたりする事態が発生しました。この点について海外メディアのAxiosは「新しいフィルターはキーワード指定の広範なブラックリストよりも精密なものを目指しているようです」と見解を述べています。

なお、ツールの開発やニュースフィードでのテストおよび学習には1年かかるとみられています。

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「お尻の出たパジャマの広告」はなぜインターネットを乗っ取ることができたのかという謎 | GIGAZINE.BIZ

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「お尻の出たパジャマの広告」はなぜインターネットを乗っ取ることができたのかという謎

インターネットで広告を表示する際には、その製品に興味・関心があるユーザーに、効果的なキャッチコピーや画像を使って訴えていく必要があります。このため一般的に同じ記事を読んでいても表示される広告は異なるはずですが、「特定の記事を読んだユーザーにお尻が出たパジャマの広告が大量に表示され、かつその広告に追いかけられることになった」という謎の事態が報告されています。

The curious case of the “buttflap onesie” ad
https://adalytics.io/blog/the-curious-case-of-the-buttflap-onesie-ad

Why that ad for butt-flap pajamas is following you all over the internet
https://www.cnbc.com/2020/12/21/why-that-ad-for-butt-flap-pajamas-is-following-you-all-over-the-internet.html

2020年12月20日、オンラインマガジンのELLEで「アメリカで最も憎まれる男」といわれるマーティン・シュクレリ受刑者と、その取材記者とのラブストーリーが掲載され話題になりました。製薬会社を経営していたシュクレリ受刑者はエイズ患者向け治療薬の価格を1錠約1400円から約7万5000円に引き上げたことで物議をかもし、2015年に薬価つり上げとは無関係な証券詐欺で逮捕された人物。シュクレリ受刑者を取材していたクリスティー・スマイス氏は夫と別れてシュクレリ受刑者のもとに向かったと明かしており、報道倫理に反すると非難されつつも、真実を明かしたとして称賛されました。

The Journalist and the Pharma Bro
https://www.elle.com/life-love/a35021224/martin-shkreli-christie-smythe-pharma-bro-journalist/

そんな中、ELLEの記事に関して、内容とは全く関係ないあることが注目されました。なぜか「お尻の出たパジャマ」の広告を多くの人が目にし、しかもこの記事を読んでから至るところで同じパジャマの広告が現れるようになったと報告されたのです。

「ELLEの記事を読んだ何人の人がこの奇妙なパジャマの広告を何度も何度も目にすることになったのだろう?私だけではないはずだ」とTwitterに投稿する人も。

このパジャマの広告は「IVRose」という中国企業のブランド広告であり、ELLEの記事内のうち50箇所に同じ広告が配置されたという人もいるほど。

この広告はGoogleの広告システムを使って配信されるターゲティング広告にあたり、ターゲティング広告は基本的に「ユーザーの興味・関心にあわせて配信される」ため、記事を読んだ人が一斉に見るタイプの広告ではありません。このため、なぜELLEの記事を読んだ広範なタイプの読者が「お尻の布なしパジャマの広告」ばかり目にするようになったのか、多くの人が疑問を呈しました。

広告がユーザーの興味・関心を推定して表示されることから「自分の広告プロフィールを悲しく思う」とコメントする人もいました。

Business Insiderは専門家の話からいくつかの推論を行っています。たとえば、広告会社は広告を表示する記事のうち、読者に不快感を与えそうなものに「安全ではない」とフラグを立てることがあり、問題のELLEの記事はブランド保護の観点から広告掲載先として避けられたとのこと。大手ブランドから掲載先として指名がなかった記事の広告枠は価格が下がるため、「とにかく表示数を増やしたい」という広告主に安価で購入されることになります。

また、広告主は記事がヒットする前に広告の入札を行うため、その後の記事の反応を見て「広告枠を買いたい」と指定することができないということも、今回のような事態に関係すると見られています。

そして、パジャマの広告はまったくターゲティングを行っていないかのように見えますが、データ分析を行うAdalyticsはIVRoseが計18個の広告トラッカー・9個のサードパーティーCookieを使用し、Twitter・Facebook・Googleなどのアドテクサービスを利用していると記しています。このためサードパーティーCookieを削除した場合、パジャマの広告は表示されないとのこと。

AdalyticsのKrzysztof Franaszek氏によると、パジャマの広告はユーザーの興味・関心といった「狭い」ターゲティングではなく、アメリカの消費者という「場所」で制限をかけている可能性があるとのこと。加えて、Googleや他のアドテク企業がELLEの記事を「アダルトコンテンツ/成人向けテーマ」と分類している可能性が高く、過去にアダルトコンテンツを見たユーザーをターゲットににパジャマ広告が表示されていることが考えられるとFranaszek氏は述べています。

また、アドテク企業創設者のRatko Vidakovic氏も、制限なしで広告を表示させるとコストが膨大になることから、単なる「パジャマの広告」にそれだけのコストがかけられる可能性は低いとみています。特定のURLをターゲットにするという方法であれば、大金を支払うことなく、場合によっては大きな効果が得られます。このことからIVRoseがELLEの読者を狙い撃ちにして広告表示することで、効果的・高パフォーマンスに広告を表示できたことをVidakovic氏は示唆しました。これは、「お尻の出たパジャマ」という視覚的インパクトの強い画像を戦略的に使うことで得られた結果だとVidakovic氏。

また、パジャマ広告は「インターネット上の広告は実際にはユーザーに対して何度も同じものが表示されていながら、ユーザーがそれに気づていない」ということを示す一例であるとも考えられています。つまり、お尻の部分が破けたパジャマ広告はその奇抜さがユーザーの関心を引いたために、「広告に追いかけられている」とユーザーは感じましたが、実際には同様のことが日常的に起こっているという考えです。これも、広告の持つ画像インパクトゆえの効果といえます。

広告主は広告を表示する際に、購入可能性の高いユーザーに対して繰り返し広告を見せる「リターゲティング」を設定できます。パジャマの広告にはリターゲティングの設定が行われていたため、あまりの奇抜さに思わずクリックしたユーザーの前に、何度も何度も広告が表示され、「広告に追いかけられる」事態となったとみられます。

さまざまなメディアがIVRoseに対してコメントを求めていますが、記事作成時点で返答は得られておらず、これらは全て推測にとどまります。IVRoseが故意にこのように広告を表示したのか、それとも何らかのアクシデントがあったのかは不明。またマーケティング会社DigitalWhiskyのマット・モリソン氏は、この広告の最終目標が「商品の購入」ではなく、同様の広告を表示するためのユーザーの選別である可能性を示唆しています。

Googleはどのような「Cookieなしの広告システム」を作ろうとしているのか?

インターネットにおいてサードパーティーCookieはユーザーの行動を広範に追跡しすぎることから、プライバシーの侵害であると指摘されています。このためGoogleは2022年までにChromeにおいてサードパーティーCookieのサポートを廃止することを発表しており、「Cookieなしの新しい広告システムの構築」を目指しています。既存の広告のあり方と異なる全く新しいシステムとして、Googleはどのような内容を想定しているのかや、進捗・懸念点についてまとめました。

Concerns Mount Over Google’s Privacy Proposals
https://www.adweek.com/programmatic/google-chrome-privacy-sandbox-concerns/

2020年時点でインターネット広告の多くはCookieを利用したターゲティング広告です。しかし、Cookieのうち、表示しているウェブページではなく、それ以外のドメイン名に情報が送られるサードパーティーCookieは、必要以上にユーザーの行動を追跡し個人情報を収集しているとしてプライバシーの観点から問題だと指摘されてきました。

このような流れを受け、Googleは2020年1月、2年以内にGoogle ChromeによるサードパーティーCookieサポートを廃止すると発表しました。

Chromeは2年以内にサードパーティーCookieのサポートを廃止する方針 – GIGAZINE

しかし、前述の通り、既存のインターネット広告はCookieを中心に構成されています。ターゲティング広告はその効率の高さが評価されていますが、サードパーティーCookieが使えないとなると、これまでのようにターゲティング広告で成果を上げられないことも考えられます。実際にCookieをブロックしたウェブサイトで収益が52%下がったことも報告されています

このためGoogleは、プライバシーを考慮したCookieに変わる新たな広告の仕組み「プライバシーサンドボックス(Privacy Sandbox)」を提案しています。

プライバシーサンドボックスは2019年に初めてGoogleによって提案されたもので、2020年12月時点でもまだ具体的な仕組みは確立されておらず、内容が議論されているところ。ウェブサイトをまたがってユーザーを追跡しない形の広告システムであるプライバシーサンドボックスには、以下のようなAPIを利用することが検討されています。

トラストAPI:Google版のCAPTCHAのようなもので、ユーザーが人間かロボットかをCookieの代わりに判別します。人間だと証明されたユーザーに匿名で発行される「トラストトークン」を利用すれば、データと個人とを結び付けることなく、ボットベースの不正広告を排除できるとのこと。


プライバシーバジェットAPI:個人を識別可能になる情報に予算(budget)を与えて、その予算内で情報取得を可能にする仕組み。予算を超えた後はページへのストレージやネットワークの要求を拒否して新しい情報を取得できなくなることなどが考えられます。


コンバージョンメジャーメントAPI:クロスサイトIDを使用せずに広告のクリックがコンバージョンにつながるタイミングを測定する仕組み。


FLoC(Federated Learning of Cohorts):ユーザーの興味・関心を知るために個人ではなく、機械学習を利用して集団(コホート)を観察するという方法。


TURTLEDOVE:広告キャンペーンの展開からリアルタイム入札、広告の表示までをサーバーではなくブラウザで行うことで、プライバシーを保護しつつきめ細かいターゲティングを可能にするもの。

もともと2019年の段階ではユーザーが所属すると推測される一連の関連グループを追跡するPIGIN(Private Interest Groups, Including Noise)というAPIが検討されていましたが、PIGINは取り下げられ、TURTLEDOVEが後継しました。しかしWorldWide Web Consortium(W3C)で、TURTLEDOVEはGoogleの広告システムを優先し、他のアドテクをシャットアウトする可能性があるという批判を受けています。このほかW3CではTURTLEDOVEの目的を維持しつつもそれ以上のパフォーマンスを発揮する「SPARROW:Secure Private Advertising Remotely Run On Webserver」という仕組みの提案もありました。

2020年10月には「プライバシー サンドボックスの進捗状況とプライバシーを重視したウェブの構築について」という記事がGoogleの開発者ブログで公開されました。この中でGoogleは、コンバージョンメジャーメントAPIやトラストトークンがテスト段階にあることも発表しています。

Google Developers Japan: プライバシー サンドボックスの進捗状況とプライバシーを重視したウェブの構築について
https://developers-jp.googleblog.com/2020/10/blog-post_21.html

しかし、2020年が終わりに近づくにつれ、広告業界ではプライバシーサンドボックスに対し懸念を抱く人が増加しているとのこと。Googleの示す内容はいずれも概念的なものであり、実際の広告の運用にどのように影響があり、収益がどう変動するかについて、具体的な内容が一切示されていないためです。

AppleのブラウザであるSafariはサードパーティーCookieを完全にブロックしており、ユーザーの追跡が制限されるためCPMの価値が下がることが報告されています。プライバシーバジェットAPIのようにブラウザがユーザー情報の提供量を制限するという状況ではマーケターが収益を最大化させる方法がわからず、Safariと同様の状況に陥る可能性があると、業界関係者は指摘しています。

Amazonの検索結果で製品を上位に表示させる戦略を立てる前に知っておくべきこと

製品を売り出す際に人が多くアクセスするAmazonをプラットフォームとして利用することが考えられます。Amazonでの販売戦略を立てる際には、Google検索と同様にSEO対策が必要ですが、一方で「そもそもAmazonで物を売る前に知っておくべきことがある」とAdweekが指摘しています。

What Marketers Should Know Before Building an Amazon Keyword Strategy
https://www.adweek.com/performance-marketing/what-marketers-should-know-before-building-an-amazon-keyword-strategy/

◆Amazonでのキーワードの使い方

Amazonの検索エンジンはGoogleと同じく検索のためのアルゴリズムを持っています。Amazonの検索エンジンは「A9」と呼ばれ、基本的には、検索結果を表示する際に検索された単語と関連性が高いキーワードを考慮するためのものです。

一方で、AmazonはGoogleと違って「商品通販サイト」のために、そのアルゴリズムは「販売」というコンバージョンに重点を置いています。つまり、純粋に単語の関連性の高さで評価するGoogle検索とは違い、Amazonの検索は売り上げにつながる可能性が高い「販売歴が多くコンバージョン率の高い商品」が高くランク付けされます。

Amazonのアルゴリズムはキーワードをもとに検索を行いますが、Amazonはキーワードにおいて「新品」「最新」「ラストチャンス」「期間限定」といった一時的な言葉や、「驚くべき」「効果的な」「最高の」といった主観的な単語を「避けるべき言葉」としてピックアップしています。またAmazonはリスティングタイトルについて「検索用語を区点ではなくて空白で区切ること」を推奨しているほか、キーワードを250バイト以内で最適化すべきことを、ガイドラインで定めています。このようにAmazonなSEO対策が必要であることは、Google検索と同様といえます。

Amazonの推奨事項に従うと、最適化された商品タイトルは「カッティング ボード まな板 竹 木製 大きめ ハイブリッド ポリプロペン 食品グレード すべり止め付き 両面使用可能 エコフレンドリー」といったものになります。

◆キーワードだけで検索のトップに表示するのは無理
以前のAmazonは商品検索したユーザーに最も関連性が高く、最も売れている商品を最初に示していましたが、2019年にAmazonは自社ブランドを含め、自社にとって最も収益性が高いものを優先して表示していることが判明しています。

Amazonがより収益性の高い自社製品を売るために検索アルゴリズムを変更していた – GIGAZINE

by Stock Catalog

Amazonが自社ブランドの商品を他社製品より目立つ位置に表示させているという指摘 – GIGAZINE

このアルゴリズムは2020年になっても変更されておらず、例えばユーザーがAmazonで「白いスニーカー」と検索すると、最初に黒やピンクといった関連性の低い商品が表示されたあとに、ブラックフライデーなどのキャンペーンバナーが表示され、その次にスポンサー付きプライム製品リストが表示されるようになっています。

「関連性の低い商品を検索結果に優先的に表示する」というAmazonの仕様がAmazon全体にどのような影響を与えているのかははっきりしていません。Amazonはパンデミックの時期に売り上げを大きく伸ばしましたが、一方で、2018年には商品検索の54%がAmazonから開始されていたのに対し、2020年の5月にはその数が47%に減少しました。つまり、「Amazonから商品検索を始める」というユーザーの行動自体は減少傾向にあるといえます。

このような傾向は、ユーザーがブランドの直営サイトで購入する行為が増加していることを意味する可能性があるとのこと。2020年11月2日の時点で、実店舗を持つブランドのウェブサイトが前年同期比で75%も成長したというデータもあります。

Amazonは「検索用語にあなたのブランドや他のブランドを含めないでください」と出品者にアドバイスをしています。Amazonのこのような行動はブランドによる差別化を排除し、出品者に価格による競争だけ強制することで、各ブランドの個性を無に帰しAmazonブランドだけを拡大していく戦略であると、かねてより指摘されてきました。

最強の捕食者Amazonを打ち負かすのは多様性を持った「真のプラットフォーム」だという指摘 – GIGAZINE

これまでの調査結果から、Amazonでの検索用語の70%は「NIKEのスニーカー」といった特定のブランドを指定するものではなく「白いスニーカー」といった一般的な用語にもかかわらず、検索結果1ページ目のクリックの81%はブランドが確立している商品に対するものだと判明しています。このような背景からも、Amazonで商品を売り上げられるのは既にブランドが確立し、スポンサーブランド広告を利用できる企業のみになっているのが現状です。

Amazonで物を売るのではなく、自社サイトで直接販売を行う場合は、自社サイトまでの誘導を行うバナー広告や記事広告が役立ちます

テレビ広告がネット広告のように視聴者の好みやライフスタイルを追跡可能になる

インターネットの世界ではユーザーの好みやライフスタイルに合わせてパーソナライズされた広告が一般的ですが、テレビ業界では長らく広告が性別や年齢にだけに基づいて売買され、個人に最適化されていませんでした。しかし、アメリカでは大手テレビ会社や動画配信サービスがテレビ広告で視聴者を追跡可能になるサービスへの取り組みを次々に発表しており、テレビ広告がパーソナライズされる日が来るとみられています。

Coming to a TV near you: personalized ads – Axios
https://www.axios.com/coming-to-a-tv-near-you-customized-ads-1548378037-e5553f3a-1ded-4cfd-9f5e-be89cd59cf69.html

インターネットではユーザーの好みやライフスタイルといったデータをもとにターゲットを絞って広告を表示することが可能ですが、従来のテレビ広告ではこのような表示方法は取られてきませんでした。

しかし、アメリカではテレビ局のNBCが追跡可能なテレビ広告をサポートするストリーミングサービスを開始すると発表したり、バイアコムCBSがデジタル広告をサポートしたTVストリーミング会社を買収したりと、追跡可能なテレビ広告を実現するための動きが起こっています。

近年はテレビから、Netflixのような広告のない動画配信サービスに視聴者が移行していますが、追跡可能なテレビ広告を実現することは「より優れたテレビ体験」の提供につながるとみられています。またインターネットは広告企業であるGoogleやFacebookにコントロールされているため、まだこれらの支配下にない新しいデジタル広告市場を開拓できるという意味でも、注目が集まっているとのこと。

追跡可能なテレビ広告が実現すれば、テレビにおいても広告のターゲットを絞ることが可能になるため、広告の費用を安くできるのが1つの利点です。これにより、これまでは大企業しか利用できなかったテレビ広告が、中小企業によって利用される流れに変わることが予測されます。視聴者の目線からいうと、視聴者はこれまでソーシャルメディアでしか目にしなかった広告をテレビで見るようになるはずです。

一方で、パーソナライズされた広告は大規模に配信することが難しいという課題もあります。このため、従来のテレビ広告を出していた「パーソナライズされていないが、お金をかけて多くの人にリーチしたい」という広告主とはすぐにはマッチしない可能性があります。またトイレットペーパーや歯磨き粉のように、細かなターゲティングが不要の商品に関しては、パーソナライズされた広告よりも従来型のより広範な広告の方がコストが下がる可能性もあると指摘されています。

これらの問題点を抱えているため、追跡可能なテレビ広告が技術的に可能になっても、すぐには広告の販売がうまくいかない可能性があるとのこと。しかし、テレビ業界は広告のあり方を刷新してNetflixのようなサービスに視聴者が流れることを防ぐ必要があるため、長期的な展望のためにはパーソナライズされたテレビ広告の展開が必須だとみられています。

開発したサービスやアプリを最小の手間で拡散して最大限の効果を得られるGIGAZINEの「完全おまかせコース」発注プロセスまとめ


「うちの会社の月額課金制のサービス、絶対に便利なのに、ローンチしても反響が小さくて便利さがみんなに伝わっていない気がする……!このサービスのすごさを色んな人に知ってもらいたいけど、できるだけ手間を少なくしたい、そして効果は最大限にPRするにはどうすればいいの?」という感じで悩んだときに使えるのがGIGAZINEの記事広告「完全おまかせコース」です。実際にGIGAZINEの完全おまかせコースを発注すると、どのようなプロセスで記事が掲載されるのか、まとめてみました。

完全おまかせコースは、クライアントの手間を最小限にした記事広告の形。言い換えると「GIGAZINEに丸投げすれば勝手にいい感じの記事広告が自動的に完成するコース」です。たとえば以下のような月額課金制のサービスをもっと訴求していきたい時は……


まずはGIGAZINE.BIZの「広告お問合せ」からGIGAZINE広告の媒体資料を取り寄せます。

媒体資料には掲載可否問合せフォームのURLが記載されているので、フォームにメールアドレス・広告主名・広告リンク先URLや……

記事広告の目的を入力後、「完全おまかせコース」にチェックを入れて「次へ」をクリック。

ページが移動したら、特記事項がない場合はそのまま「送信」をクリックします。

するとGIGAZINEからメールが届きます。掲載可能な時は「記事広告ヒアリングフォーム」と「記事広告発注フォーム」のリンクが記載されるので、まずはヒアリングフォームのURLをクリック。

以下のようなフォームが現れるので、メールアドレスやコースの選択などを済ませて……

さらに細かく訴求内容などを入力していきます。記事からリンクして欲しいURL・キャンペーン詳細・イチオシポイント・避けて欲しい事項・その他連絡事項などを入力して送信。

さらに、メールに記載されていたもう1つのURLから発注フォームも入力します。GIGAZINE記事広告では、SNSを使ってより多くの人にアピールしていきたい!という人向けにTwitter広告Facebook広告のオプションもつけられるので、さらなる情報発信力を追加する時は発注フォームからオプションをつけてもOK。

すると「正式受注」のメールが届き、基本的にはこれだけで記事広告を掲載するために必要な作業は終了。あとはGIGAZINEに在籍するプロフェッショナルの編集部員が、経験とデータを基に、そのサービスや製品をできるだけ多くの人に知ってもらい、「欲しい!」という人に届けるための記事をがんばってせっせと作成してくれます。

まずは専任の担当者がGIGAZINEの広告担当からヒアリングフォームの内容を受け取り、ウェブサービスの内容を確認したら記事タイトル・切り口・トップ画像・記事構成など企画案を作成します。

その後、記事作成担当・チェック担当・広告担当・GIGAZINE編集長でミーティング。GIGAZINEで蓄積したデータや時流を踏まえ、サービスのどの部分に焦点を当てて訴求していくことで最大の効果が得られるのかを議論します。このプロセスは記事広告の標準コースでも完全おまかせコースでも同じのなので、コースによって質が異なるということはあり得ません。

ミーティング後、GIGAZINEの広告担当は記事の掲載日が決まり次第、広告担当からクライアントにメールで掲載日の連絡をします。そう、完全おまかせコースなら基本的に編集部側が最も効果的な掲載日を決めてくれるので、「どの日が一番効果が高くなるのか?」という煩わしさからも解放されるのです。

そして記事作成担当が実作業に入ります。今回の例の場合、記事内でダウンロードから使用する様子までを展開していくことでユーザーがサービスを仮想体験できるような「レビュー記事」で仕上げていくことになりました。

ウェブサービスやアプリの場合、担当者がスマートフォンやパソコンとにらめっこし、一生懸命がんばって記事化します。「ここがすごい!」というところを徹底的に記事中で見せていくため、朝から晩まで使い続けます。これによってただのリリース情報では伝えられない「生の情報」を読者に届けることができ、隠された本来の魅力を表に出して、ぐっとユーザーを引きつけられるようになります。

完成した記事はいったんチェック担当者がチェック。

その上で編集長チェックに回ります。複数の人の目を通すことで、より多角的な視点で記事をレベルアップ可能なわけです。

掲載日の朝9時になると、以下のような感じでGIGAZINE上に記事が掲載されます。

……という感じで、あなたの時間や手間を省きつつ、圧倒的なお手軽さの中でもクオリティを確保しているのが「完全おまかせコース」です。実際に、GIGAZINEの記事広告はどのような記事になるのか?という実例は、以下から見ることが可能です。

記事広告カテゴリ

また完全おまかせコース以外にも、GIGAZINEでは「やっぱり事前チェックがしたい!」「掲載日を指定したい!」という人向けの標準コースや、10営業日以内でも爆速で記事作成を行う特急コースなどを用意しています。各コースの詳細や価格表については、「広告お問い合わせ」から資料をご請求いただけます。