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iOS向け広告のコンバージョンがFacebookで7カ月にわたって過小評価されていた

Facebookの広告測定ツールにバグが存在し、2021年2月から7カ月にわたって、iOS端末における広告のコンバージョンを過小評価していたことが判明しました。

Facebook Undercounted SKAdNetwork Conversions For iPhone 12 Users Since February | AdExchanger
https://www.adexchanger.com/mobile/facebook-undercounted-skadnetwork-conversions-for-iphone-12-users-since-february/

Facebookが2021年8月20日に特定したバグは、iOS向け広告の測定システムに関するもの。AppleはiOS 14以降で広告識別子・IDFAの利用をユーザーの許可制にしているため、iOS端末で広告キャンペーンを測定するにはSKAdNetwork(SKAN)というツールが用いられます。しかし、2021年2月以降7カ月にわたって、FacebookのバグによってSKANを介したコンバージョン測定が過小評価されていたことが判明しました。なお、バグの影響はFacebookアプリを使用するiPhone 12ユーザーにのみに及び、Instagramの利用者や、Audience Networkのパートナーに影響はないとのことです。

具体的にいうと、このバグはSKAdNetworkを利用するアプリのコンバージョン測定のうち、「(1)アプリイベントに向けた最適化」「(2)バリューへの最適化」「(3)モバイルアプリのインストール」に影響すると発表されています。(1)はアクションを起こしそうな人をターゲティングするためのオプション、(2)は購入金額が高くなりそうな利用者をターゲティングするオプション、(3)は「アプリをインストールさせること」をターゲットとするオプションです。

コンサルティング会社のCounterpoint Researchによると、iPhone 12の世界販売台数は2021年4月時点で1億台を超えており、バグの影響を受けるユーザーは数千万人に上るとみられています。

Facebookの広報担当者は「バグの影響がある期間において、SKANを使ったアプリの広告は配信されコンバージョンに至った可能性がありますが、私たちはiPhone 12ユーザー向けのSKANからのポストバックを受け取っていなかったため、これらのコンバージョンを測定することができませんでした」と述べています。既にバグは修正されていますが、これまでに、SKAdNetworkの総コンバージョン数の約10%が過小評価されることになったと判明しています。またFacebookは影響を受けたと考えられる広告主に影響の内容を連絡済みとのことです。

2020年11月の時点でSKAN自体にバグがありテストが困難だったことや、SKANの技術が非常に複雑なことが開発現場を混乱させていることは確かです。Appleはプライバシー保護のため共有データを制限しており、Facebookがバグを発見したり修正したりすることが困難になっているとも指摘されています。一概にFacebookだけに非があるとは言えない問題ですが、Facebookは広告主やモバイル測定パートナーとデータを共有していないため、データを外部から検証する術もありません。このため今回発見されたバグ以外にも、iOSでのモバイル広告レポートに欠如が存在する可能性が示唆されています。

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食料品デリバリーのInstacartが元Facebook幹部をCEOに据えて広告プラットフォームを立ち上げ

オンラインで注文した商品をスーパーから届けてくれる食料品配達サービスを展開するInstacartが新たに、広告事業の一環として、食料品店向けのプラットフォームを開発することが判明しました。

Instacart Goes Deeper Into Digital Advertising as Grocery Delivery Slows – WSJ
https://www.wsj.com/articles/instacart-goes-deeper-into-digital-advertising-as-grocery-delivery-slows-11630920600

Instacart is moving into digital advertising | TechRadar
https://www.techradar.com/news/instacart-is-moving-into-digital-advertising

Instacartはスーパーの食料品を家まで配達してくれるサービス。Amazonの元従業員であるApoorva Mehta氏によって2012年に創業され、Uber Eatsのように「shopper(ショッパー)」と呼ばれる人々が買い物を代行しています。さまざまな食料品企業と提携することでサービスを拡大させており、スーパーの中にInstacart専門の授業員がいるケースもあるそうです。

Instacart | Grocery Delivery or Pickup from Local Stores Near You
https://www.instacart.com/

2021年7月、InstacartのCEOに元Facebook幹部のFidji Simo氏が就任しました。Simo氏のもと、InstacartはFacebookやウォルマートのようなデジタル広告ビジネスの開拓を目指し、新たなプラットフォームの開発を発表しています。

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行を機に、アメリカではデリバリーサービスの需要が急増しました。しかし、Uber Eatを始めとするデリバリー企業の多くは、人件費・輸送費の問題で収益化に苦労しています。

デリバリーのコストを相殺すべく、Instacartは広告ビジネスによって収益をブーストするとともに、ユーザーとの繋がりを強くすることを目指しています。市場調査会社のeMarketerによると、食料品ブランドや消費者ブランドは2021年に入ってデジタル広告への支出を32%増加させており、テレビや店頭ではなく、アプリやウェブサイトを使って消費者にリーチしようと試みているとのこと。

そこでInstacartはプラットフォームを通じて店舗に「どのような商品が売れているのか」といった情報を提供し、店舗が売上げを増やす手助けをするとのこと。Instacart自体はオンラインサービスですが、店舗と競合するのではなく、プラットフォームを通じて行われた注文に関する情報を店舗に提供し、店舗と共にデータとその適用方法を分析していく予定です。Instacartは、新たなプラットフォームを「独自のプラットフォームを構築するための設備が整っていない食料品店向けのサービス」と見なしています。

なお、Instacartは2019年に元Amazon幹部を従業員に雇い入れてから、広告ビジネスへの投資を強化。2019年は広告事業によって3億ドル(約330億円)の収益を得ており、情報筋によると同社は2022年までに収益を10億ドル(約1100億円)に増やすことを目標にしているそうです。

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PETs(Privacy-Enhancing Technologies/プライバシー拡張技術)とは何ですか?

PETsはFacebookが開発した新しい広告技術で、「PETs(Privacy-Enhancing Technologies/プライバシー拡張技術)」の略となっています。

What Are Privacy-Enhancing Technologies (PETs) and How Will They Apply to Ads? – About Facebook
https://about.fb.com/news/2021/08/privacy-enhancing-technologies-and-ads/

Appleが広告識別子・IDFAの利用をユーザーの許可制にし、GoogleがChromeにおけるサードパーティーCookieの使用廃止を発表したように、個々人のユーザーデータを利用して興味・関心が高いと考えられる広告を表示するターゲティング広告への風当たりは強まっています。

ターゲティング広告において問題となるのは「個人情報を利用することからプライバシーを侵害する」ケース。そこでFacebookは、個人情報を保護しながらターゲティングを可能にする仕組みとして、PETsを開発しました。

PETsは「マルチパーティ・コンピューテーション(MPC)」「オンデバイス学習」「差分プライバシー」という3つの柱によって構成されます。

◆マルチパーティ・コンピューテーション(MPC)
これまでの広告の仕組みでは、広告主はユーザーのニーズを分析するために、暗号化したユーザーデータをプラットフォームやパブリッシャー、サードパーティーに送信していましたが、このときデータを受け取った企業は復号を行い、ユーザーに関する情報を見ることができました。一方MPCは、企業がデータやりとりする時にデータを暗号化するところまでは同じですが、その後、データを受け取った企業によって復号されることはありません。それぞれの組織がお互いのデータセットを公開することなく、広告を掲載した場合の効果だけを測定できるようになっています。

◆オンデバイス学習
オンデバイス学習は連合学習とも呼ばれ、Googleの新しい広告システム「FLoC」でも利用されています。一般的に機械学習はデータを1箇所に集約し、そのデータを学習に利用します。このため、既存の広告システムではユーザーの端末データがクラウドなどに送信される必要があり、プライバシーの観点から問題視されていました。一方で連合学習はデータの集約を必要とせず、個々のデバイス上で機械学習を実行し、データがデバイス外に持ち出されないため、プライバシー侵害の心配がないわけです。

◆差分プライバシー
差分プライバシーは、集約されたデータの中から個人を再特定されることを防ぐプライバシー技術。既存の広告技術に関しては、「たとえデータが匿名で収集されたとしても、リバースエンジニアリングで集約データから個人を特定することが可能だ」という指摘があります。そこで差分プライバシーでは、データにノイズを加えることで、データのパターンを無効化し、リバースエンジニアリングできなくするとのこと。具体例をいうと、例えばある広告を118人がクリックした時に、差分プライバシーは「118」という数字の代わりに「120」あるいは「114」という数字を出力することで、正確な数値を隠します。このような「ノイズ」によって、「広告をクリックして商品を購入したのが誰か」という特定を難しくするとのことです。

なお、ターゲティング広告の効果を維持しつつも、プライバシー保護を高めるという新しい広告の仕組みについては、Googleも開発しています。Googleの「FLoC」詳細は以下から確認可能です。

FLoCとは何ですか? | GIGAZINE.BIZ

また、GIGAZINEの記事広告を使うと、記事広告データから「どのような人が製品に興味を持っているのか?」というターゲティングを行うことも可能です。

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金融系スタートアップがヨーロッパでかつてないほどの資金調達に成功している

2021年第1四半期は、世界的なベンチャー企業に対する投資が史上最高額を記録しました。新たな報告によると、2021年は特にヨーロッパにおける金融系スタートアップの成長が目覚ましく、ユニコーン企業の資金調達額・資金調達件数ともにここ数年で最高値を記録しています。

A Record Number Of Startups Join Europe’s Fintech Unicorn Herd – Crunchbase News
https://news.crunchbase.com/news/europe-fintech-unicorn-startups/

評価額が10億ドル(約1100億円)以上の未上場のスタートアップはユニコーン企業と呼ばれ、ユニコーン企業のうち特に評価額が100億ドル(約1兆1000億円)を突破している企業はデカコーン企業と呼ばれます。

世界最大のベンチャーデータベースであるCrunchbaseのデータによると、2021年はヨーロッパにおけるフィンテック分野のユニコーン企業・デカコーン企業がかつてないほどに増加しているとのこと。具体的にいうと、2021年初頭にフィンテック分野においてデカコーン企業に分類されたのはオンライン金融サービスを提供する「Klarna」のみだったのですが、その後、「Revolut」と「Checkout」もデカコーン企業に。加えて、新たに19のフィンテック企業がユニコーン企業になったとCrunchbaseは報告しています。なお、フィンテック分野を超えて全ての分野でユニコーン企業が記録的な増加をみせており、記事作成時点でヨーロッパに本社を置くユニコーン企業は全部で125社。うち3分の1近くが金融サービスを提供しています。

ヨーロッパにおけるフィンテック分野のユニコーン企業をリスト化すると以下のような感じ。評価額が多い順に並んでおり、トップはKlarnaの445億ドル(約4兆9000億円)。Klarnaは2021年3月初頭に310億ドル(約3兆4000億円)と評価され、その後3カ月足らずで評価額を100億ドル以上伸ばしました。同社は2022年の上場を検討しているとのことです。

ヨーロッパのユニコーン企業はこれまでに226億ドル(約2兆4800億円)を調達しており、全企業の価値を合計すると1780億ドル(約20兆円)に達するとのこと。226億ドルのうち115億ドル(約1兆2600億円)は2021年中の調達額となっています。

2021年に初めてユニコーン企業となったフィンテックのスタートアップ19社の中には、モバイル証券アプリを提供するドイツの「Trade Republic」、イギリスに拠点を置くチャレンジャーバンクの「Starling Bank」、フランスのデジタル医療保険スタートアップ「Alan」、企業の支出を一括管理するサービスを提供するデンマークの「Pleo」などが含まれます。

ヨーロッパに本社を置くユニコーン企業が1年間に調達した合計額の推移は以下の通り。2021年は調達件数も調達額も過去9年で最高となっています。

ヨーロッパのフィンテック分野におけるユニコーンに投資しているのは、Index VenturesSeedcampAccelなどが中心。以下が各ベンチャーキャピタルの投資数で、緑がシード段階、水色がアーリーステージのベンチャー、青がレイトステージのベンチャーに対する投資です。

なお、アメリカに本社を置くフィンテックのユニコーン企業は約100社で、うち5社がデカコーン企業にあたります。アメリカと比較すると規模が限られますが、ヨーロッパでは既に800社以上のフィンテック企業が出資を受けており、2021年における資金調達額合計は217億ドル(約2兆3800万円)に達しました。このうち200社以上が1000万ドル(約1億1000万円)以上を調達しているため、フィンテックスタートアップの成長が今後すぐに減速する可能性は小さいと見られています。

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マイクロターゲティング広告がCOVID-19ワクチン接種促進のためどのように利用されたのか?

近年は人々の行動を追跡して、割り出した興味・関心に基づいて広告を表示させるターゲティング広告に対する風当たりが強くなってきています。しかし、新たな調査では、政府機関・非営利組織・企業・著名人などがFacebookを使ってワクチン接種を促進するためのマイクロターゲティング広告を実施していることが示されました。一体誰に対してどのような広告が表示されているのか、ワシントン・ポストが明かしています。

How targeted advertising is promoting coronavirus vaccinations – The Washington Post
https://www.washingtonpost.com/technology/2021/08/24/vaccine-ad-targeting-covid/

マイクロターゲティングとは、選挙やマーケティングにおいて人々の個人情報を詳細に分析し、好みや行動をパターンを把握することで、ピンポイントで「ターゲットの関心が高そうな広告」を表示させる手法。人を政治思想や人種、宗教などで分けて、それぞれに異なるメッセージを表示させることが可能なため、「偽情報を広め、人々の不和を増大させる」という問題点が指摘されています。マイクロターゲティングが大きく問題となったのは、2016年のアメリカ大統領選でFacebook上にロシアのウェブサイトにリンクされたマイクロターゲティング広告が多数表示された時でした。

Googleは2019年にターゲティングを用いた政治広告を禁止しましたが、Facebookは依然としてこれらを有効にしています。Facebookはターゲティングでどのくらいまでオーディエンスの規模を絞れるのかという情報を明言していませんが、Facebookの広告ツールを使うと、オーディエンスのサイズを100人程度にまで絞れることが確認されているとのこと。

「人々を分裂させる」として民主党議員から批判されるマイクロターゲティングですが、実は新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のワクチン接種を促進するために広く利用されていることが、ワシントン・ポストの調査で示されています。

ワシントン・ポストの分析によると、少なくとも35の政府機関・非営利組織・企業・著名人がワクチン接種を推奨する広告を表示させるためにお金を払っているとのこと。Facebookの広告データから、それぞれの広告は政党・文化的アイデンティティ・趣味といった特性に基くオーディエンスにリーチし、オーディエンスに最適化された「ワクチン接種を促すメッセージ」を表示していることが示されています。

アメリカでは2020年12月からワクチン接種がスタートしましたが、ワクチンに関する考え方が二極化しているため、2021年春ごろから摂取率が鈍化しました。ワクチン接種に関するマイクロターゲティング広告は2021年春から夏にかけて行われたものが多く、摂取率の鈍化を受けてスタートしたとみられています。

医療政策に関する調査・提言を行う慈善団体のカイザー・ファミリー財団も、このようなFacebook広告を利用した組織の1つ。カイザー・ファミリー財団のティナ・ホフ氏によると、財団は「アフリカ系アメリカの文化に興味を持つ人」「アフリカ系アメリカ人向けの雑誌『Ebony』や『Essence』に関心がある人」をターゲットとした動画広告シリーズを配信したとのこと。この動画広告は、アフリカ系アメリカ人の医師や看護師がCOVID-19に関する質問に答えていくというものでした。

また、健康に関連する複数の組織は、保守派がよく閲覧するウェブサイトのFacebookページに広告を表示させたことも明かしています。例えば「ワクチン接種を拒否することは完全に合理的な選択だ」とつづるブライトバートには、「自由を再び手にするための接種」というメッセージと共に子どもたちが学校に通う様子を映し出した広告が表示されたとのこと。

感染症と闘うためのパートナーシップ(PFID)のポリシーディレクターであるキャンディス・ディマティス氏は、ブライトバートでの広告が「保守派に合うように設計された」と述べています。「最もワクチン接種が必要とされる分野にメッセージを集中させました」とディマティス氏。このほか、別の組織は保守的な政治コンテンツを見る可能性が高いユーザーに対して、「愛国心」「日常を取り戻す」というテーマで作られた広告を表示させたことも判明しています。

上記のほか、カトリック教会に興味があるFacebookユーザーには「『ワクチン接種は道徳的選択です』と語る教皇の広告」が表示され、ボディービルや運動に興味があるFacebookユーザーには「アーノルド・シュワルツェネッガーがワクチン接種を受けていることを示す動画広告」が表示されていたとのこと。Facebookのターゲティングツールは人種・民族に基づいてターゲティングを行う機能を提供していませんが、多くの場合、その他の選択肢を使って公衆衛生当局は目的オーディエンスを選択することが可能だったとのこと。

ホフ氏は、マイクロターゲティング広告の強みが「コスト」と「効率」にあると述べています。20年前であれば、「若いアフリカ系アメリカ人」をターゲットにHIVについての広告を表示させるためには、わずか30秒の高額なCM枠を購入する必要があったとのこと。しかし現代では1つのCMに大金を費やすのではなく、さまざまなトピックで、さまざまな長さの質疑応答動画を作成し、オーディエンスごとにインターネットで配信するという方法が可能になりました。このため多数の批判にもかかわらず、引き続き政治的にマイクロターゲティング広告が利用されているというのが実情のようです。

なお、このようなマイクロターゲティング広告をしようにも、そもそもどういう層がリーチできる対象なのかすら分からないという場合もあるはず。そんな時こそGIGAZINEの記事広告を使えば、どういった年齢層・性別・職業などの属性のユーザーなのかということが手に取るようにわかるようになります。

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「サーバーサイド・コンバージョン追跡」とは何なのか?

近年はCookieが規制されたり、Appleが広告のためのユーザー追跡を制限したりで、これまでターゲティング広告に利用されてきた仕組みが使えなくなっています。このため新たなターゲティング広告の仕組みをGoogleをはじめとするさまざまなアドテク企業が開発中ですが、依然としてCookieに匹敵する仕組みは誰も構築できていません。そんななか「広告の追跡を行いたい」という広告主の声に対し、GoogleやFacebookはサーバーサイドでの広告追跡を推奨しています。

What is server-side conversion tracking?
https://digiday.com/marketing/wtf-is-server-side-conversion-tracking/

たとえば、Googleはサーバーサイド・タグ・マネージャーを2020年8月に公開。以下のページでは、「サーバーサイド・タグ・マネージャーを使用すると、Google広告のコンバージョン・トラッキング・タグをウェブページからサーバーに移動できます」と説明しています。

Google 広告コンバージョン  |  Google タグ マネージャー – サーバー側  |  Google Developers
https://developers.google.com/tag-manager/serverside/ads-setup

また、FacebookはコンバージョンAPIと呼ばれるツールを提供しています。

コンバージョンAPIについて | Facebook Businessヘルプセンター
https://www.facebook.com/business/help/2041148702652965

サーバーサイドでの広告追跡を利用すると、広告主や販売業者のウェブサイトをホストするサーバーが、GoogleやFacebookといったアドテクサーバーに直接接続されます。これにより、広告主のサーバーからアドテクサーバーに「誰かが製品ページをクリックした」「商品が購入された」といった情報が送られ、今日の追跡に利用されるCookieやトラッキング・ピクセルと同様に、広告表示によりコンバージョンに至ったかどうかが判別できるとのこと。

サーバーサイドの広告追跡は、Cookieを使った追跡手法と同じことを実現しますが、「ブラウザをバイパスする」という特徴を持ちます。つまり、Cookieを使った追跡はブラウザが情報を保存することにより成立していたため、ブラウザがCookieをブロックすると機能しなくなります。一方でサーバーサイドの広告追跡はブラウザを介さず広告主サーバーとアドテクサーバーを直接接続するので、Cookieがブロックされても広告追跡が可能になります。

GoogleとFacebookが提供するサーバーサイドの広告追跡ツールは、測定される内容が異なるとのこと。GoogleのツールはGoogle広告・Facebook広告・DSP経由で購入された広告・Shopfyなどのeコマース上の広告など、あらゆる種類の広告購入について、「広告表示からどのようにコンバージョンに至ったか」を追跡します。一方でFacebookのコンバージョンAPIはFacebookのネットワークで購入された広告についてのみ追跡を行います。

もちろん、アドテク企業が広告追跡を行うには、広告表示とコンバージョンを一致させるデータが必要です。このため、サーバーサイドの広告追跡ツールを利用するには、アドテク企業であるGoogleやFacebookに対して、広告主はユーザーのメールアドレス・電話番号・IPアドレスといったデータポイントを提供する必要があります。GoogleやFacebookは利用者が多いため、「プラットフォームにログインした人」と「広告主から送られてきたユーザー情報」を一致させることが可能。これによって広告表示がどのようにコンバージョンに結び付いたのかを追跡するわけです。

「オフラインのユーザー情報をアップロードして広告パフォーマンス測定に利用する」というオーディエンスマッチはこれまでも行われてきましたが、サーバーサイドの広告追跡は、オーディエンスマッチを「サーバー同士を接続する」という方法で実現するものと言えます。

広告主は自社サイトのサーバーからGoogleやFacebookのサーバーに対して情報を送信することになりますが、このとき、どんな情報を送信するかは広告主側で細かく制御可能とのこと。とはいってもブランド側は機密であるユーザー情報を外部のサーバーに送ることになるため、ユーザーのプライバシーが問題となります。GoogleやFacebookは情報が暗号化されることを強調していますが、基本的に広告主は利用規約に「個人情報がマーケティングパートナーと共有される」という条項を記載することによって、サーバーサイドの広告追跡を利用しているとのこと。

ただし、GDPRはユーザー情報の利用に同意要件を課しているため、ヨーロッパにおけるサーバーサイドの広告追跡の障害になっているそうです。また、サーバーサイドの広告追跡を利用しても、Appleのトラッキング制限によって追えなくなったコンバージョンを追うことはできない点にも注意が必要です。

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AIは広告やマーケティングで今後どのように使われていくのか?

コンピューターによる文章生成や画像処理を始めとし、さまざまな分野で人工知能(AI)が利用されています。広告やマーケティングの分野では、今後特に「トレンド予測」と「メッセージ作成」においてAIが活用されると考えられているとのこと。AIでマーケティングがどのように変化するのか、Axiosが予測しています。

Artificial intelligence is playing a bigger role in generating ads – Axios
https://www.axios.com/artificial-intelligence-advertising-marketing-36b1822c-96ec-40a1-8965-61d5f7774676.html

広告とマーケティングにおける世界的なAI市場はすでに120億ドル(約1兆3000億円)規模であり、2028年には1070億ドル(約11兆8000億円)の価値になると見積もられています。またリサーチ&アドバイザリ企業のGartnerが行った調査では、2022年までにデジタルコンテンツの30%がAIの力を借りて生成されるようになるという予測が示されています。

AIに関連し特に注目されているのは「消費者が望んでいるもの」のトレンドを予測・特定する技術と、消費者に向けたメッセージを作成する技術の2つ。

前者を提供する企業の1つに、オーディエンス・エンゲージメント・ソフトウェアを開発するFuturiが存在します。そもそもAIは、大量のデータを読み込みデータ同士のつながりや関係を見つけ出すことを得意とします。FuturiはこのようなAIの特徴を生かし、Facebook、Twitter、Instagramを含む10万以上のソースからリアルタイムでデータを取得して、「特定の市場および人々の間で、次の24時間に人気となるもの」が何かを予測する機能を提供するとのこと。FuturiのCEOであるDaniel Anstandig氏は、この機能を使うことでマーケティング担当者が特定のオーディエンスに対する「最も投資対効果が高いコンテンツ生成が何か」を判断できると述べています。

また、後者に関しては、2019年の時点ですでにJPモルガン・チェースが機械学習を取り入れたキャッチコピー作成を行い成果を上げていると報告していました。これとは別にドイツ・ハンブルクを拠点とするneuroflash自然言語処理AIを利用したサービスを提供しています。neuroflashのAIは「顧客の好み」といった過去のデータを使って、入力された概要やキーワードを元にキャッチコピーを複数作成し、それらを0~100のスコアで評価して、どのコピーがどの顧客に有効かを数値で示すとのこと。neuroflashのサービスでAIはスコア化された選択肢を示すのみで、最終的なキャッチコピーの選択は人間が行うようになっています。

ただし、ニュースメディアのAxiosが実際にメールマガジンのキャッチコピーを作成した結果、「悪くはない」としつつも「少し機械的に感じられるかもしれない」ことを示しています。neuroflashを利用するに当たってAxiosはメールマガジンの内容を150文字ほどで説明する文章を作成し、内容に応じた「Future(未来)」「Artificial Intelligence(人工知能)」「Journalism(ジャーナリズム)」というキーワードを設定しました。

AIによってキャッチコピーを生成してもらい、それぞれのキャッチコピーのスコアを確認したところ、最もスコアが高いのは「From the future to you(未来からあなたに)」で、2番目に高スコアだったのは「Future-focused in a flash(未来の視点が、今すぐに)」というものだったそうです。またneuroflashにはキャッチコピーに使用する単語を「簡単」「複雑」から選択する機能や、「パワフルに」「ハッピーに」といった感情を指定する機能も存在したとのこと。

一方で、Axiosはコピーライターであるロリー・サザーランド氏の「衛星は車の向かう方向を示してくれるが、衛星に車を運転させることはできない」という言葉を引用。サザーランド氏はコストカットのために代理店がAIを多用し、消費者にポジティブな欲求を生み出す創造性が奪われてしまうことを懸念しています。

なお、コンテンツ作成のプロ集団がデータと経験を元に、製品に最適な切り口で記事を作成、効果を最大化するキャッチコピーも作成するのがGIGAZINE記事広告。詳細や価格などは以下からお問い合わせ可能です。

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Cookieなしでもマーケティング分析・予測を行うAdverityが約130億円の資金調達に成功、どのような拡大を見せるのか?

ソフトバンク・ビジョン・ファンド2の率いるシリーズD出資ラウンドでマーケティング分析プラットフォームのAdverityが1億2000万ドル(約130億円)を獲得しました。

Adverity Secures $120M From SoftBank Vision Fund 2 as Demand for Marketing Analytics Booms | Business Wire
https://www.businesswire.com/news/home/20210816005420/en/Adverity-Secures-120M-From-SoftBank-Vision-Fund-2-as-Demand-for-Marketing-Analytics-Booms

SoftBank Invests in Marketing Startup Targeting Post-Cookie Data – Bloomberg
https://www.bloomberg.com/news/articles/2021-08-16/softbank-invests-in-marketing-startup-targeting-post-cookie-data

Adverityは、600以上のソースからのデータを自動的に統合し、目標に合わせる形でデータを視覚化、さらにAIによる予測分析で新しい洞察を発見できるというマーケティング分析プラットフォームです。Adverityは2015年にオーストリアのウィーンで設立され、ロンドンとニューヨークにもオフィスを構えるなど急成長しているスタートアップで、IKEAやRed Bull、Vodafoneなどをクライアントに抱えています。

過去12カ月においてAdverityのクライアントは120%増加しており、過去4年の年間成長率は105%で、グローバルチームの規模は2019年に比べて300%拡大したとのこと。また、これまでに3回の出資を受けており、今回の資金調達は3000万ドル(約33億円)の資金を得たシリーズCの出資ラウンドから16カ月たらずで行われたもの。シリーズDの出資ラウンドでAdverityの総資金は1億6500万ドル(約180億円)を超えました。

市場調査会社のMarket Research Futureによると、世界的なデータ分析市場の価値は2026年には1329億ドル(約14兆6000億円)に達するとみられています。これまで広告キャンペーンのパフォーマンスはCookieを中心とした仕組みで追跡されていましたが、世界的にCookieが規制される方向にあり、世界最大の広告企業であるGoogleもCookieに代わる仕組みを構築しつつあることから、新たなパフォーマンス追跡方法の需要が増加しているためです。

Adverityのプラットフォームは、データ上の異変・トレンド・パターンなどにフラグを立てることで問題解決や機会拡大に役立てるという「予測分析」のパイオニアとなっています。また、直近ではCookieなしでキャンペーンのパフォーマンスを追跡する「ROI Advisor」をリリースし、プラットフォームの機能拡大を行っています。今回の資金調達により、AdverityはROI機能を強化するほか、シームレスな分析や予測的な洞察を提供し、マーケターに対し常に「次のマーケティングステップ」を示し続けることでプラットフォームを進化させる予定です。

AdverityのCEO兼共同創設者であるAlexander Igelsböck氏は、「マーケティングツールにはさまざまなものが存在しますが、重要なのはツールの量ではなく、企業が成長し誤ったステップを回避するための洞察を提供できるかどうかです。今日のデータ中心の状況の中で、成功企業はその中枢にデータ分析を据えています」と述べました。なお、来たるべきCookieなしの時代においてもGIGAZINEの記事広告であれば確実な効果が見込めます。

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セールスとマーケティングを自動化するツールを扱うSeismicが資金調達に成功、営業コーチングソフトのLessonlyを買収へ

マーケティングおよび販売支援ソリューションを提供するSeismicがシリーズGの資金調達ラウンドで1億7000万ドル(約180億円)を獲得しました。Seismicは2021年8月16日付けで、この資金の一部を使い、トレーニング・コーチングソフトウェアを提供するLessonlyの買収を発表しています。

Seismic Acquires Lessonly: Introducing the Next Wave of Enablement – Seismic
https://seismic.com/company/blog/seismic-acquires-lessonly/

Sales enablement platform Seismic acquires Lessonly, nabs $170M | VentureBeat
https://venturebeat.com/2021/08/16/sales-enablement-platform-seismic-acquires-lessonly-nabs-170m/

San Diego software unicorn Seismic raises another $170 million on road to a possible IPO – The San Diego Union-Tribune
https://www.sandiegouniontribune.com/business/technology/story/2021-08-16/sd-fi-seismic-lessonly

Seismic raises fresh funds at $3 bln valuation; acquires Lessonly | Reuters
https://www.reuters.com/technology/seismic-raises-fresh-funds-3-bln-valuation-acquires-lessonly-2021-08-16/

Sales enablement firm Seismic buys coaching startup Lessonly and raises $170M late-stage funding – SiliconANGLE
https://siliconangle.com/2021/08/16/sales-enablement-firm-seismic-buys-coaching-startup-lessonly-raises-170m-late-stage-funding/

Seismicは、「企業の営業チームのメンバーに対し、案件ごとに必要な資料を簡単かつ速やかに提供できるようにするプラットフォーム」を運営しています。営業チームのメンバーはそれぞれの役職・役割に合った資料をプラットフォームを介して共有することが可能。たとえば、ある従業員が取り組む案件で特別な条件での製品提供が行われるのを目にしたマネージャーは、速やかに条件にあわせた必要資料を送ることができるとのこと。

また、あらかじめ用意されたコンテンツを組みあわせ、見込み客に合わせた販売用資料を作成することも可能となっています。プラットフォームの資料に利用されるコンテンツは常に最新の状態に保たれ、リンクしているページのデータや内容が変更されれば、資料の関連部分が自動的にアップデートされるといった点がポイントです。また、分析ツールもついているので、顧客が資料のうちどの部分を最も見たがったのかといった分析も行えるようになっています。

新型コロナウイルスの流行でリモートワークが増加したこともあり、販売支援プラットフォームの需要は増加しており、記事作成時点でSeismicはIBM・Cisco・American Expressを含む2000以上の顧客を抱えています。

一方、Lessonlyは企業の販売・営業を促進するという点がSeismicと同じですが、特に営業担当のコーチングとトレーニングを重視するツールを提供しています。このため、SeismicはLessonlyを買収することで、より包括的な販売ツールを提供できると考えられています。

Seismicは買収を発表する声明の中で、2社のツールを融合した包括的なプラットフォームを利用することにより、営業部門のリーダーは成績トップのチームがどのようなコンテンツを利用しているのか、成功したミーティングのためにどのようなコーチングプランを準備していたのかを確認できると述べています。トレーニング・ソーシャルエンゲージメント・メール・コンテンツなど広範囲にわたる分析を行うことで、成績トップの人物とチームがなぜ勝つことができるのかを把握し、コンテンツの最適化やカスタマーエクスペリエンスの向上に関する洞察を得ることができるとのこと。

販売支援プラットフォーム市場は2024年までに26億ドル(約2850億円)の価値になると見られています。Seismicは2010年に設立されて以来何度も資金調達に成功しており、今回の出資で出資総額は4億4000万ドル(約480億円)、評価額は30億ドル(約3290億円)になりました。

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広告検証会社のIntegral Ad ScienceがIPOから2カ月でスマートTV広告企業のPublicaを買収

2021年6月にIPOを果たしたばかりである広告検証会社のIntegral Ad Science(IAS)が、スマートテレビ広告を中心に運営するPublicaを2億2000万ドル(約240億円)で買収したことが判明しました。

Integral Ad Science Buys Ad-Tech Company Publica for $220 Million – WSJ
https://www.wsj.com/articles/integral-ad-science-buys-ad-tech-company-publica-for-220-million-11628591400

買収によって支払われる約240億円のうち75%は現金、25%は自社株とのこと。IASのCEOであるLisa Utzschneider氏は、この買収によってIASのポートフォリオを多様化し、マーケターやパブリッシャーの関心が高まっているスマートTV広告にさらに踏み込み、ビデオパブリッシャーとの関係を拡大させる戦略だと述べています。

デジタルマーケティング会社のeMarketerによると、2021年にスマートTV広告に対して支払われた広告費は130億4000万ドル(1兆4400億円)とのこと。人がインターネットに接続されたテレビを通して番組や映画を見る時間は増加しており、この傾向は今後加速していくとみられています。Utzschneider氏は過去12~18カ月はデジタルファーストの世界となり、多くの人がスマートTVを生活に取り入れたことから、買収が「スマートTV広告のロングゲームにおけるイニング」だと述べました。

IASはサプライチェーンが不透明だと指摘されるデジタル広告業界において、広告が適正な場所で、不正なく、ちゃんと表示されているのかという検証サービスを提供している企業。IASの詳細は以下の記事から読むことができます。

注目を集めるアドテク企業「Integral Ad Science」は何を提供していてどんな会社なのか? | GIGAZINE.BIZ

買収されたPublicaはカリフォルニア州パロアルトを拠点とし、FOXコーポレーションバイアコムCBSなどにサービスを提供しています。Publicaのサービスを利用するとスマートTVで配信されるコンテンツに対してターゲティング広告を配信し、管理できるようになるほか、キャンペーンの分析も可能になります。

今後、PublicaのブランドはIASの一部となり、Publicaの従業員30人はIASに統合されます。買収によるレイオフはなかったとのこと。

スマートTVに広告技術を統合する動きはこの他にも見られており、将来的には既存のデジタル広告のようなターゲティングを、テレビ広告でも実施可能になるとみられています。

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