コンテンツターゲット広告とは何ですか?

インターネット上に表示される広告のクリック率を高めるためには、何らかの方法で「広告の対象となる商品に興味を持つ人」を予測し広告を表示させる必要があります。

近年は、インターネットユーザーのCookieを利用してユーザーの行動を追跡し、興味・関心を分析して広告表示のターゲットとする「行動ターゲティング広告」が主流ですが、行動ターゲティング広告が登場する以前から利用されていた方法に「コンテンツターゲット広告」があります。

コンテンツターゲット広告はコンテンツマッチ広告ともいわれ、ウェブサイトの言語・テキスト・リンク構造・ページ構造などを解析して、そのサイトのテーマとコンテンツを特定し、そこに広告主の設定したキーワードや広告文をマッチさせる形で、広告を表示させるものをいいます。

Googleはディスプレイネットワーク上のサイト・アプリ・ウェブページでコンテンツターゲットを行っており、「広告メッセージに対して関心を示しているユーザー層を引き付けることができるため、パフォーマンスと費用効率に優れたコンバージョン獲得を重視する場合に最適です」と説明しています。

コンテンツ ターゲット – Google 広告 ヘルプ
https://support.google.com/google-ads/answer/1726458

キーワードによるコンテンツ ターゲット – Google 広告 ヘルプ
https://support.google.com/google-ads/answer/2769374

基本的に行動ターゲティング広告の方が費用対効果に優れていると言われていますが、サードパーティーCookieを使った行動ターゲティング広告は取り締まられる方向で進んでおり、改めてコンテンツターゲット広告が見直されています。実際に、行動ターゲティング広告からコンテンツターゲット広告に移行し、収益を前年比で76%増にできた企業も存在します。

ターゲティング広告をやめることでウェブサイト側の収益がアップする可能性がある – GIGAZINE

1つのプラットフォームに依存することがウェブサービスを破滅に導く

FacebookやInstagramなどにアカウントを作成し、製品をアピールしたり広告を出稿したりする企業は多く存在しますが、ある日突然アカウントが停止され収益源が絶たれてしまうという事態も報告されています。SaaS「Jitbit」を運営するAlex Yumashev氏は、Jitbitには何の問題もないにも関わらずアカウントが停止され、しかもFacebook側に連絡する手段も絶たれてしまったという事態を経験したとして、ブログにつづっています。

Facebook Banned our SaaS Website
https://www.jitbit.com/alexblog/295-facebook-banned-our-saas-website/

Jitbitは多くのウェブサービスと同様にTwitterやFacebookのアカウントを持っており、日々、ユーザーに役立つ情報の配信を行っています。しかし、Yumashev氏によると、2020年4月にJitbitのFacebookアカウントが何の前触れもなくBANされてしまったとのこと。アカウントが停止されてしまったため、これまでユーザーに多く「いいね」されていた投稿が見られず、Jitbitへの誘導として機能していたリンクも全て消えてしまいました。Facebookはコンテンツを監視・削除する自動化されたモデレーション・アルゴリズムを持っており、Jitbitの何の問題もない投稿が、誤ってアルゴリズムに「コミュニティ標準に違反している」と判断されたことがアカウント停止の原因でした。

アカウントが停止されたことについてFacebookから連絡はなく、Bufferのダッシュボードで初めて事実に気づいたとYumashev氏は述べています。そして、最悪なのはアカウントが停止されてしまったためにFacebookに連絡する手段すらなくなってしまったということ。シェアデバッガーを使ってステータスの確認が可能で、「異議申し立て」のリンクがあったためYumashev氏は使ってみたそうですが、8カ月たってもFacebookからの応答はありませんでした。

「Facebookはカスタマーサービスが不十分だ」ということは何年も指摘し続けられている点ですが、Facebook側に改善の動きはありません。このため「Facebookのサポート担当者に連絡する」というサービスを販売している会社すらあるとのこと。

しかし、このようなサービスの利用料が高額で、500ドル(約5万2000円)からだとYumashev氏は述べています。サポートサービスを運営する会社の多くはソーシャルメディアマーケティングの代行を担っており、クライアントの多くは多額の広告費を支払える大手企業。マーケティング会社はFacebookの人間とやりとりすることができるため、このようなサービスが可能になるわけです。

Yumashev氏は上記のようなサービスを利用する替わりに、Facebookに対する上訴を提出するための会社を利用しました。その結果、Facebookのアカウント停止はすぐに解かれたとのこと。このプロセスの中で、アカウント停止の原因は外部のボットネットがJitbitをBANさせるよう偽の通報を行っていたことだと判明したとのこと。

幸いなことにFacebookを経由してJitbitに訪れるユーザーは全体の一部だったため大きな被害はありませんでした。しかし、Jitbitのアカウント停止はJitbit側に問題があったわけでも、またFacebookのアルゴリズム変更などによるものでもなく、「外部からの攻撃」が原因であり、前触れはありませんでした。1つのプラットフォームに収益源を依存している場合、ある日突然このような事態が起こってビジネスが大混乱に陥る可能性があるとYumashev氏は指摘しています。YouTubeやInstagramでは、偽の著作権侵害の申立を代行するビジネスも横行しており、これによってアカウントのコンテンツが削除され盗まれてしまうという事態も発生しています。

1つのプラットフォームへの依存がビジネスに大きな影響を与える他の例としては、Appleが人気ゲームの「フォートナイト」をApp Storeから削除したことが挙げられます。開発元のEpic Gamesは記事作成時点でApple相手に訴訟中です。

App Storeにフォートナイトを戻すために「Appleの報復行為を止めて」とEpic Gamesが裁判所に要請 – GIGAZINE

FacebookやYouTube、Appleなどは多くの中小企業が広告の出稿先や顧客獲得ツールとして利用していますが、これら大企業はそれぞれの中小企業に対して気を払わないため、「1つのプラットフォームに依存することはポーカーにオールインするようなもの」と言われるところ。プラットフォームでけん引力を獲得することは戦略として正しいものの、長期的には別の方法でビジネスを構築する必要があると指摘されています。

「お尻の出たパジャマの広告」はなぜインターネットを乗っ取ることができたのかという謎

インターネットで広告を表示する際には、その製品に興味・関心があるユーザーに、効果的なキャッチコピーや画像を使って訴えていく必要があります。このため一般的に同じ記事を読んでいても表示される広告は異なるはずですが、「特定の記事を読んだユーザーにお尻が出たパジャマの広告が大量に表示され、かつその広告に追いかけられることになった」という謎の事態が報告されています。

The curious case of the “buttflap onesie” ad
https://adalytics.io/blog/the-curious-case-of-the-buttflap-onesie-ad

Why that ad for butt-flap pajamas is following you all over the internet
https://www.cnbc.com/2020/12/21/why-that-ad-for-butt-flap-pajamas-is-following-you-all-over-the-internet.html

2020年12月20日、オンラインマガジンのELLEで「アメリカで最も憎まれる男」といわれるマーティン・シュクレリ受刑者と、その取材記者とのラブストーリーが掲載され話題になりました。製薬会社を経営していたシュクレリ受刑者はエイズ患者向け治療薬の価格を1錠約1400円から約7万5000円に引き上げたことで物議をかもし、2015年に薬価つり上げとは無関係な証券詐欺で逮捕された人物。シュクレリ受刑者を取材していたクリスティー・スマイス氏は夫と別れてシュクレリ受刑者のもとに向かったと明かしており、報道倫理に反すると非難されつつも、真実を明かしたとして称賛されました。

The Journalist and the Pharma Bro
https://www.elle.com/life-love/a35021224/martin-shkreli-christie-smythe-pharma-bro-journalist/

そんな中、ELLEの記事に関して、内容とは全く関係ないあることが注目されました。なぜか「お尻の出たパジャマ」の広告を多くの人が目にし、しかもこの記事を読んでから至るところで同じパジャマの広告が現れるようになったと報告されたのです。

「ELLEの記事を読んだ何人の人がこの奇妙なパジャマの広告を何度も何度も目にすることになったのだろう?私だけではないはずだ」とTwitterに投稿する人も。

このパジャマの広告は「IVRose」という中国企業のブランド広告であり、ELLEの記事内のうち50箇所に同じ広告が配置されたという人もいるほど。

この広告はGoogleの広告システムを使って配信されるターゲティング広告にあたり、ターゲティング広告は基本的に「ユーザーの興味・関心にあわせて配信される」ため、記事を読んだ人が一斉に見るタイプの広告ではありません。このため、なぜELLEの記事を読んだ広範なタイプの読者が「お尻の布なしパジャマの広告」ばかり目にするようになったのか、多くの人が疑問を呈しました。

広告がユーザーの興味・関心を推定して表示されることから「自分の広告プロフィールを悲しく思う」とコメントする人もいました。

Business Insiderは専門家の話からいくつかの推論を行っています。たとえば、広告会社は広告を表示する記事のうち、読者に不快感を与えそうなものに「安全ではない」とフラグを立てることがあり、問題のELLEの記事はブランド保護の観点から広告掲載先として避けられたとのこと。大手ブランドから掲載先として指名がなかった記事の広告枠は価格が下がるため、「とにかく表示数を増やしたい」という広告主に安価で購入されることになります。

また、広告主は記事がヒットする前に広告の入札を行うため、その後の記事の反応を見て「広告枠を買いたい」と指定することができないということも、今回のような事態に関係すると見られています。

そして、パジャマの広告はまったくターゲティングを行っていないかのように見えますが、データ分析を行うAdalyticsはIVRoseが計18個の広告トラッカー・9個のサードパーティーCookieを使用し、Twitter・Facebook・Googleなどのアドテクサービスを利用していると記しています。このためサードパーティーCookieを削除した場合、パジャマの広告は表示されないとのこと。

AdalyticsのKrzysztof Franaszek氏によると、パジャマの広告はユーザーの興味・関心といった「狭い」ターゲティングではなく、アメリカの消費者という「場所」で制限をかけている可能性があるとのこと。加えて、Googleや他のアドテク企業がELLEの記事を「アダルトコンテンツ/成人向けテーマ」と分類している可能性が高く、過去にアダルトコンテンツを見たユーザーをターゲットににパジャマ広告が表示されていることが考えられるとFranaszek氏は述べています。

また、アドテク企業創設者のRatko Vidakovic氏も、制限なしで広告を表示させるとコストが膨大になることから、単なる「パジャマの広告」にそれだけのコストがかけられる可能性は低いとみています。特定のURLをターゲットにするという方法であれば、大金を支払うことなく、場合によっては大きな効果が得られます。このことからIVRoseがELLEの読者を狙い撃ちにして広告表示することで、効果的・高パフォーマンスに広告を表示できたことをVidakovic氏は示唆しました。これは、「お尻の出たパジャマ」という視覚的インパクトの強い画像を戦略的に使うことで得られた結果だとVidakovic氏。

また、パジャマ広告は「インターネット上の広告は実際にはユーザーに対して何度も同じものが表示されていながら、ユーザーがそれに気づていない」ということを示す一例であるとも考えられています。つまり、お尻の部分が破けたパジャマ広告はその奇抜さがユーザーの関心を引いたために、「広告に追いかけられている」とユーザーは感じましたが、実際には同様のことが日常的に起こっているという考えです。これも、広告の持つ画像インパクトゆえの効果といえます。

広告主は広告を表示する際に、購入可能性の高いユーザーに対して繰り返し広告を見せる「リターゲティング」を設定できます。パジャマの広告にはリターゲティングの設定が行われていたため、あまりの奇抜さに思わずクリックしたユーザーの前に、何度も何度も広告が表示され、「広告に追いかけられる」事態となったとみられます。

さまざまなメディアがIVRoseに対してコメントを求めていますが、記事作成時点で返答は得られておらず、これらは全て推測にとどまります。IVRoseが故意にこのように広告を表示したのか、それとも何らかのアクシデントがあったのかは不明。またマーケティング会社DigitalWhiskyのマット・モリソン氏は、この広告の最終目標が「商品の購入」ではなく、同様の広告を表示するためのユーザーの選別である可能性を示唆しています。

ターゲティング広告とは何ですか?

ターゲティング広告は「行動ターゲティング広告」と呼ばれ、インターネットの広告のうち、ユーザーの属性・行動・興味・関心といった詳細な情報をもとにユーザーを分析し、広告コンテンツにマッチするターゲットを絞って表示する広告を言います。

ターゲティング広告では、主に2つの方法が取られています。

・サイト内の行動分析
たとえばAmazonでは、ユーザーの過去の閲覧履歴・購入履歴に合わせた商品の広告を表示することが可能です。Amazonはユーザーを興味関心リストで分類しており、広告主はその中からターゲティングしたいカテゴリーを選択することが可能。これにより、過去90日間に特定の興味・関心セグメントに該当する商品の商品詳細ページを閲覧またはアクセスしたユーザーに対して広告を配信するとのこと

このように、会員制ウェブサイトでは、会員ごとの情報をもとに分析を行い、ターゲティング広告を実施することが可能です。

・アドネットワークを活用した行動分析
GoogleやYahoo!はウェブサイトやアプリなど、広告配信可能な媒体を多数管理し、広告を配信するネットワークを形成しています。このようなネットワークをアドネットワークと呼びます。

気軽に利用できるオンライン広告で顧客を増やしましょう | Google 広告
https://ads.google.com/intl/ja_jp/home/

Yahoo!広告でサイトへの集客アップ | Yahoo! JAPAN
https://promotionalads.yahoo.co.jp/

もともとインターネットの広告は、企業の広告担当者が広告を出す媒体を選び、個別に出稿を行っていましたが、アドネットワークを使うことでネットワーク傘下のさまざまな媒体に広告を大量出稿することが可能になりました。そして1つのネットワーク下で広告を出稿した場合、サードパーティーCookieを利用することで、ドメインを超えてユーザーを追跡し、ユーザーが何に興味を持ち、何を欲しがっているのかという分析が高精度に行えるようになりました。

なお、アドネットワークの登場後、DSP(Demand Side Platform)やSSP(Supply Side Platform)といったサービスも登場。DSP・SSPはアドネットワークとは異なり、アドネットワークや個々のアドエクスチェンジへの広告配信を1つのプラットフォームで管理するツールという位置付けです。

サードパーティーCookieとファーストパーティーCookieの違いは何ですか?

Cookieのうち、ユーザーが訪れたウェブサイトのドメインから直接発行されるCookieのことをファーストパーティーCookie、それ以外のドメインから発行されるCookieをサードパーティーCookieといいます。

Cookieとは何か?ということはここを読めばわかりま

たとえば「abcdefg.com」というウェブサイトにユーザーが訪れて広告をクリックした時、そのウェブサイトに第三者の「xyz.com」というドメインが存在した場合、ユーザーにはabcdefg.comからのファーストパーティーCookieとxyz.comからのサードパーティーCookieが付与されます。

このファーストパーティーCookieは、ユーザーがウェブサイトを離れた後の行動を追跡することはできず、デバイスやブラウザが異なると別のユーザーと認識されます。一方でサードパーティーCookieはサイトのドメインを横断してユーザーを追跡でき、ユーザーの行動や興味・関心を細かく把握することが可能です。

ただし、近年はサードパーティーCookieを取り締まる方向にあり、Apple製ブラウザのSafariでは既にサードパーティーCookieがブロックされています。また、Google Chromeでも2022年までにサードパーティーCookieのサポートが廃止される予定です

また、ウェブサイトの中には「ファーストパーティートラッカーを装ったサードパーティートラッカー」を利用していてるところも報告されている一方で、サードパーティーCookieなしで独自のシステムを構築し、高い精度のターゲティング広告を可能にしたと報告する企業もあります。

サードパーティーCookieなしで高効率のターゲティング広告が配信できたとニューヨーク・タイムズが報告 – GIGAZINE

Cookieとは何ですか?

Cookieとは、ユーザーがウェブサイトを閲覧した時に、ウェブサイトがPCやスマートフォンに保存させる情報のことをいいます。

ブラウザがウェブサイトを表示する際、PCやスマートフォンと、ウェブサイトをホストするサーバーの間で通信が行われます。この時、ユーザーがウェブサイト上でログインのためのアカウント入力を行ったり、通販サイトで氏名や住所を入力すると、2回目以降はその情報が自動的にウェブサイトに入力されていることがあります。これは最初の訪問でユーザーが入力した情報(=会員証)が一時的にPCに保存されているため。2回目以降の訪問ではサーバー側がユーザーのPCにリクエストを行い、この情報を引き出すことができます。

Cookieは利便性という意味でもインターネットにとってなくてはならない存在ですが、同時にユーザー情報を含むので、その扱いにはプライバシーの観点から懸念が伴います。このため、Cookieを任意のタイミングで削除できるChrome拡張なども存在します。

無料&簡単にCookieの確認・編集・削除・書き出しなどが行えるアドオン「Cookie Quick Manager」レビュー – GIGAZINE

また、Cookieには「ファーストパーティCookie」と「サードパーティーCookie」と呼ばれるものがあり、特に後者は近年規制される方向にあります。

ファーストパーティーCookieとサードパーティーCookieの違いはここから確認できます

Googleはどのような「Cookieなしの広告システム」を作ろうとしているのか?

インターネットにおいてサードパーティーCookieはユーザーの行動を広範に追跡しすぎることから、プライバシーの侵害であると指摘されています。このためGoogleは2022年までにChromeにおいてサードパーティーCookieのサポートを廃止することを発表しており、「Cookieなしの新しい広告システムの構築」を目指しています。既存の広告のあり方と異なる全く新しいシステムとして、Googleはどのような内容を想定しているのかや、進捗・懸念点についてまとめました。

Concerns Mount Over Google’s Privacy Proposals
https://www.adweek.com/programmatic/google-chrome-privacy-sandbox-concerns/

2020年時点でインターネット広告の多くはCookieを利用したターゲティング広告です。しかし、Cookieのうち、表示しているウェブページではなく、それ以外のドメイン名に情報が送られるサードパーティーCookieは、必要以上にユーザーの行動を追跡し個人情報を収集しているとしてプライバシーの観点から問題だと指摘されてきました。

このような流れを受け、Googleは2020年1月、2年以内にGoogle ChromeによるサードパーティーCookieサポートを廃止すると発表しました。

Chromeは2年以内にサードパーティーCookieのサポートを廃止する方針 – GIGAZINE

しかし、前述の通り、既存のインターネット広告はCookieを中心に構成されています。ターゲティング広告はその効率の高さが評価されていますが、サードパーティーCookieが使えないとなると、これまでのようにターゲティング広告で成果を上げられないことも考えられます。実際にCookieをブロックしたウェブサイトで収益が52%下がったことも報告されています

このためGoogleは、プライバシーを考慮したCookieに変わる新たな広告の仕組み「プライバシーサンドボックス(Privacy Sandbox)」を提案しています。

プライバシーサンドボックスは2019年に初めてGoogleによって提案されたもので、2020年12月時点でもまだ具体的な仕組みは確立されておらず、内容が議論されているところ。ウェブサイトをまたがってユーザーを追跡しない形の広告システムであるプライバシーサンドボックスには、以下のようなAPIを利用することが検討されています。

トラストAPI:Google版のCAPTCHAのようなもので、ユーザーが人間かロボットかをCookieの代わりに判別します。人間だと証明されたユーザーに匿名で発行される「トラストトークン」を利用すれば、データと個人とを結び付けることなく、ボットベースの不正広告を排除できるとのこと。


プライバシーバジェットAPI:個人を識別可能になる情報に予算(budget)を与えて、その予算内で情報取得を可能にする仕組み。予算を超えた後はページへのストレージやネットワークの要求を拒否して新しい情報を取得できなくなることなどが考えられます。


コンバージョンメジャーメントAPI:クロスサイトIDを使用せずに広告のクリックがコンバージョンにつながるタイミングを測定する仕組み。


FLoC(Federated Learning of Cohorts):ユーザーの興味・関心を知るために個人ではなく、機械学習を利用して集団(コホート)を観察するという方法。


TURTLEDOVE:広告キャンペーンの展開からリアルタイム入札、広告の表示までをサーバーではなくブラウザで行うことで、プライバシーを保護しつつきめ細かいターゲティングを可能にするもの。

もともと2019年の段階ではユーザーが所属すると推測される一連の関連グループを追跡するPIGIN(Private Interest Groups, Including Noise)というAPIが検討されていましたが、PIGINは取り下げられ、TURTLEDOVEが後継しました。しかしWorldWide Web Consortium(W3C)で、TURTLEDOVEはGoogleの広告システムを優先し、他のアドテクをシャットアウトする可能性があるという批判を受けています。このほかW3CではTURTLEDOVEの目的を維持しつつもそれ以上のパフォーマンスを発揮する「SPARROW:Secure Private Advertising Remotely Run On Webserver」という仕組みの提案もありました。

2020年10月には「プライバシー サンドボックスの進捗状況とプライバシーを重視したウェブの構築について」という記事がGoogleの開発者ブログで公開されました。この中でGoogleは、コンバージョンメジャーメントAPIやトラストトークンがテスト段階にあることも発表しています。

Google Developers Japan: プライバシー サンドボックスの進捗状況とプライバシーを重視したウェブの構築について
https://developers-jp.googleblog.com/2020/10/blog-post_21.html

しかし、2020年が終わりに近づくにつれ、広告業界ではプライバシーサンドボックスに対し懸念を抱く人が増加しているとのこと。Googleの示す内容はいずれも概念的なものであり、実際の広告の運用にどのように影響があり、収益がどう変動するかについて、具体的な内容が一切示されていないためです。

AppleのブラウザであるSafariはサードパーティーCookieを完全にブロックしており、ユーザーの追跡が制限されるためCPMの価値が下がることが報告されています。プライバシーバジェットAPIのようにブラウザがユーザー情報の提供量を制限するという状況ではマーケターが収益を最大化させる方法がわからず、Safariと同様の状況に陥る可能性があると、業界関係者は指摘しています。

アルゴリズムとは何ですか?

アルゴリズム(algorithm)といういう言葉を直訳すると「演算法」「算法」であり、そもそもは問題を解決するための方法や手順を意味します。

「Googleの検索アルゴリズム」「Amazonの検索アルゴリズム」という文脈で使う場合、それそれのサービスにおける「どうやって検索結果をランク付けするか」という問題解決の手順を、プログラミング言語で記述したものを指します。

一方で、アルゴリズムという言葉自体はもともとプログラミングに限らない、広範な意味を持つ言葉です。PCが存在する前のアルゴリズムから、機械学習を用いた現代のアルゴリズムまで、アルゴリズムの全容やその問題点は以下から詳細を読むことが可能です。

「アルゴリズムって何?」を専門家が分かりやすく解説 – GIGAZINE

オーガニック検索とは何ですか?

オーガニック検索(Organic Search)とは、GoogleやYahoo!といった検索エンジンでキーワードを調べた時に表示される検索結果画面のうち、リスティング広告のような広告枠を含まない部分を指します。自然検索、ナチュラル検索と呼ばれることもあります。

リスティング広告枠もオーガニック検索も検索クエリに関連する内容が表示されますが、リスティング広告は企業やサービスが費用を支払うことで「必ず」表示させることができる一方で、オーガニック検索に表示される内容には広告費が支払われていません。オーガニック検索結果に優先的に表示されるのは、検索エンジンのアルゴリズムによって「検索ワードと関連性が高い」と判断されたページになるので、アルゴリズムにページ内容を理解してもらえるようSEO(検索エンジン最適化)が必要になります。

どのようなSEOによって検索結果上位にウェブページが表示されるようになるのかは、以下の記事から読むことができます。

サイト収益を上げるSEOテクニックの基礎まとめ – GIGAZINE

ただし、近年はGoogleがオーガニック検索よりも自社サービスを押しだしているために、検索順位を上げることが困難になっていることや、Google検索で広告枠が増加したためにオーガニック検索として表示されたURLのトラフィックが減少していることも報告されています

検索クエリとは何ですか?

検索クエリ(Search Query)とは、ユーザーがGoogleやYahoo!といった検索エンジンを使って何かを調べようとした時に、検索ボックス、検索窓、あるいは検索するためにアドレスバーへ入力した言葉・フレーズを示す文字列のことをいいます。クエリ(Query)はもともと、質問・疑問・問合せを意味する言葉です。

検索クエリはSEO対策を行い、検索結果からの流入を増やすために重要なもの。自分のウェブサイトがどのような検索クエリからの流入が多いのかは、GoogleアナリティクスやGoogle Search Consoleから確認できます。

アナリティクス
https://analytics.google.com/

Google Search Console
https://search.google.com/search-console/about?hl=ja

Googleアナリティクスの場合、「集客」→「Search Console」→「検索クエリ」から確認可能。

Google Search Consoleの場合は「検索結果」→「クエリ」から見ることができます。

また、Google トレンドを利用すると、世界でどのような検索クエリが増加しており、トレンドは何かを調べることが可能。これにより、増加傾向にある検索クエリを取り込んだコンテンツをウェブサイトに作って流入を増やすことができます。

Google トレンド


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