IPFSとは何ですか?

現在のインターネットはHTTPという通信プロトコルで成立していますが、IPFSはHTTPに代わる、新しい通信プロトコルになる可能性があるものです。

IPFSとは何か? :: IPFS入門
https://ipfs-book.decentralized-web.jp/what_is_ipfs/

インターネット上のURLは基本的に「https://i.gzn.jp/img/2020/06/25/gigazine-advertorial/00_1.jpg」といった形となっています。これは「00_1.jpg」というファイルが「i.gzn.jp」というホストサーバーの中にある「img」というディレクトリに存在する……という意味。つまり、HTTPは「サーバー名」「ディレクトリ名」「ファイル名」という「情報のある場所」を示すことでコンテンツを表示させています。このような「場所」を指定して情報にアクセスする方法は「ロケーション指向」と呼ばれます。

HTTPを中心としたインターネットでは、コンテンツはサーバーに保有される必要がありますが、これにはいくつかの問題が伴います。

まずHTTPは中央集権的であるため、情報へのアクセスがサーバーの管理状態に依存すること。サーバーへの負荷が大きく、またサーバー管理者に全権限が集中します。加えて、トルコ政府がソーシャルメディアを大規模に遮断したように、情報へのアクセス遮断が行われやすいことも問題として指摘されています。

このような問題を解決するのがIPFSです。IPFSは、インターネットをP2P方式に切り替える仕組み。IPFSにおいて、ネットワーク上のファイルは個々のファイルを識別できる「ハッシュ値」と共に分散的に共有されます。ハッシュを指定して特定のファイルを手に入れた人は、ハッシュを指定してファイルにアクセスしようとする人にファイルを提供できるようになります。IPFSは、コンテンツの内容自体を直接指定して情報にアクセスするため「コンテンツ指向」といわれます。

より詳細なIPFSの仕組みは以下の記事から読むことができます。

これまでIPFSは「コンテンツを保有する人」と「コンテンツをもとにビジネスを行う人」が異なるために商業化が難しいと考えられてきました。例えば、Facebookは、SNSサービスを充実させて多くのユーザーを集め、広告ビジネスに利用することで収入を得ており、「コンテンツを保有すること」がビジネスにおいて直接的なメリットになります。一方でIPFSを利用すると、コンテンツを増やしてもビジネスを行う人に対して直接的に収益が発生するわけではありません。

そんな中、広告ブロック機能搭載ブラウザ「Brave」は、ブラウザにIPFSを統合することを発表しました。既存のコンテンツ提供者は広告収入によって収益を得ていますが、Braveでは「インターネット閲覧者が広告を表示させるごとにトークンを蓄積させ、蓄積させたトークンを自分の好きなサイトに提供する」という仕組みを採用しています。この仕組みの中では「コンテンツを保有する人」と「コンテンツをもとにビジネスを行う人」が異なっても、「コンテンツをもとにビジネスを行う人」は収益を得ることが可能になります。



広告媒体資料のパスワードを入手するにはここをクリック

分かりづらい広告・アドテク・マーケティング用語の解説ページはここから