AIは広告やマーケティングで今後どのように使われていくのか?

コンピューターによる文章生成や画像処理を始めとし、さまざまな分野で人工知能(AI)が利用されています。広告やマーケティングの分野では、今後特に「トレンド予測」と「メッセージ作成」においてAIが活用されると考えられているとのこと。AIでマーケティングがどのように変化するのか、Axiosが予測しています。

Artificial intelligence is playing a bigger role in generating ads – Axios
https://www.axios.com/artificial-intelligence-advertising-marketing-36b1822c-96ec-40a1-8965-61d5f7774676.html

広告とマーケティングにおける世界的なAI市場はすでに120億ドル(約1兆3000億円)規模であり、2028年には1070億ドル(約11兆8000億円)の価値になると見積もられています。またリサーチ&アドバイザリ企業のGartnerが行った調査では、2022年までにデジタルコンテンツの30%がAIの力を借りて生成されるようになるという予測が示されています。

AIに関連し特に注目されているのは「消費者が望んでいるもの」のトレンドを予測・特定する技術と、消費者に向けたメッセージを作成する技術の2つ。

前者を提供する企業の1つに、オーディエンス・エンゲージメント・ソフトウェアを開発するFuturiが存在します。そもそもAIは、大量のデータを読み込みデータ同士のつながりや関係を見つけ出すことを得意とします。FuturiはこのようなAIの特徴を生かし、Facebook、Twitter、Instagramを含む10万以上のソースからリアルタイムでデータを取得して、「特定の市場および人々の間で、次の24時間に人気となるもの」が何かを予測する機能を提供するとのこと。FuturiのCEOであるDaniel Anstandig氏は、この機能を使うことでマーケティング担当者が特定のオーディエンスに対する「最も投資対効果が高いコンテンツ生成が何か」を判断できると述べています。

また、後者に関しては、2019年の時点ですでにJPモルガン・チェースが機械学習を取り入れたキャッチコピー作成を行い成果を上げていると報告していました。これとは別にドイツ・ハンブルクを拠点とするneuroflash自然言語処理AIを利用したサービスを提供しています。neuroflashのAIは「顧客の好み」といった過去のデータを使って、入力された概要やキーワードを元にキャッチコピーを複数作成し、それらを0~100のスコアで評価して、どのコピーがどの顧客に有効かを数値で示すとのこと。neuroflashのサービスでAIはスコア化された選択肢を示すのみで、最終的なキャッチコピーの選択は人間が行うようになっています。

ただし、ニュースメディアのAxiosが実際にメールマガジンのキャッチコピーを作成した結果、「悪くはない」としつつも「少し機械的に感じられるかもしれない」ことを示しています。neuroflashを利用するに当たってAxiosはメールマガジンの内容を150文字ほどで説明する文章を作成し、内容に応じた「Future(未来)」「Artificial Intelligence(人工知能)」「Journalism(ジャーナリズム)」というキーワードを設定しました。

AIによってキャッチコピーを生成してもらい、それぞれのキャッチコピーのスコアを確認したところ、最もスコアが高いのは「From the future to you(未来からあなたに)」で、2番目に高スコアだったのは「Future-focused in a flash(未来の視点が、今すぐに)」というものだったそうです。またneuroflashにはキャッチコピーに使用する単語を「簡単」「複雑」から選択する機能や、「パワフルに」「ハッピーに」といった感情を指定する機能も存在したとのこと。

一方で、Axiosはコピーライターであるロリー・サザーランド氏の「衛星は車の向かう方向を示してくれるが、衛星に車を運転させることはできない」という言葉を引用。サザーランド氏はコストカットのために代理店がAIを多用し、消費者にポジティブな欲求を生み出す創造性が奪われてしまうことを懸念しています。

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