投稿者アーカイブ: gigazineinfo

AT&Tが広告部門のXandrを約1100億円でインド企業に売却検討中

情報通信・メディアコングロマリットのAT&Tが、モバイル広告ネットワークを運営するインドのInMobiに、広告部門「Xandr」の売却を検討中だと判明しました。売却価格は10億ドル(約1100億円)に上ると見積もられています。

Report: AT&T hoping to sell Xandr advertising technology business for $1B – SiliconANGLE
https://siliconangle.com/2021/07/20/report-att-hoping-sell-xandr-advertising-technology-business-1b/

AT&T scrambles to sell ad tech unit Xandr after months of mismanagement – Axios
https://www.axios.com/att-advertising-xandr-inmobi-42a4f6bd-4c09-4416-aedb-89e216c1b6bd.html

AT&Tは2018年にXandrの前身となる広告取引所「AppNexus」を16億ドル(約1800億円)で買収。その後、AT&Tはテレビ広告技術会社であるClypdを買収し、AppNexusと合わせる形でXandrを設立しました。

Xandrは広告主やブランドが放送局からテレビの広告枠ヘッダービディングで入札でき、かつ広告キャンペーンの効果を測定可能なソフトウェアを販売しています。デジタル広告における入札と同様に、Xandrでは複数のマーケットプレイスにわたる広告枠の一覧から入札を行うため、単一のマーケットプレイスを使用する時に比べて広告価格を最適化できます。当時のCEOだったRandall Stephenson氏は「テレビの広告枠の売買を自動化する」ためにXandrを設立しましたが、記事作成時点でXandrは収益化に成功していないとのことです。

関係者筋の情報によると、Xandrは年間3億ドルから3億8000万ドル(約330~420億円)の収益を生み出し、5000万ドルから9000万ドル(約55~100億円)の損失を計上します。XandrのCBOだったKirk McDonald氏が退任した後、XandrはAT&Tによって「無視され、誤った方法で管理されてきた」といわれており、技術的には優れていたもののビジネスが失敗に終わったとみなされています。

Xandrは広告の売り手と買い手の両方のためのプラットフォームですが、記事作成時点ではAT&Tが所有するワーナーメディアディレクTVといった売り手側からの収益に依存しています。ワーナーメディアやディレクTVはAT&Tからスピンオフされる予定であり、今後は収益化を望めないことからXandrの売却が計画されているという流れです。

GoogleがサードパーティーCookieをChromeで廃止し、新たな広告の仕組みを構築すると発表してからというもの、広告のエコシステムは急速に変化しています。広告企業の買収も増加しており、Xandrの売却もこの中の1つとして、InMobiの拡大を促進するものとなりうるとのこと。約1100億円という売却価格はInMobiにとって投げ売り価格ですが、AT&Tにとっても「売却成功」と言える価格となっています。

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衛星画像から車の傾向を把握して「最も価値の高い看板広告」を判断する「Cuende」がアメリカに進出

街頭や駅構内など野外に表示されるOOH(OUT OF HOME)広告は、これまで「効果測定が難しい」といわれてきました。そんな中、2021年7月19日(月)新たに、スペインを拠点とする「Cuende」は、衛星画像を利用して特定エリアの交通量を測定しOOH広告の価値を測定するプラットフォーム「MetricOOH」をアメリカで開始すると発表しました。

Cuende wants to standardize OOH traffic metrics using satellites
https://digiday.com/media/a-spanish-ad-company-wants-to-standardize-ooh-traffic-metrics-using-satellites/

MetricOOHは最大9000平方キロメートルの範囲について衛星画像を撮影し、データを機械学習アルゴリズムで処理することによって、広告の前を通過する車の台数を測定するというもの。最終的には通過する車両の傾向によって、どの場所にある広告の価値が最も高いかを判断します。CuendeはMetricOOHについて「洗練されつつも、使用方法が理解しやすい」ツールであると述べています。

Cuendeはすでにスペイン・南アフリカ・ルーマニア・メキシコといった国々でサービスを展開しており、今回新たにアメリカの看板広告ネットワークであるIBOと契約を結びました。IBOは主にアメリカの地方エリアでの看板広告9万件以上を扱っていますが、Cuendeは「ニューヨークやロサンゼルスの真ん中など、どこでも機能する、ベーシックかつシンプルで信頼できるものを作りたいと考えています。私たちは町、都市、特定地域、そして国中で使える標準を持っています」と述べました。

これまでIBOはあまり洗練された広告測定ツールを使用してきませんでした。一方で、クラウドベースのツールセット「IBO Coop Speedway」を有しており、5万社が登録を行っています。このためCuendeはIBO Coop Speedwayを介して広告会社に対し「価値の高い看板広告」の情報を提供することができ、広告会社はリモートで広告の発注が可能になります。

上記の点が大きなメリットだと判断され、今回の契約に至ったと、IBOのゼネラルマネージャーであるChris Cowlbeck氏は説明しました。またCowlbeck氏はCuendeに対し、安全性を検証するために、広告測定システムに認定を与える広告業界団体・Media Ratings Council(MRC)の認定を得るよう求めています。

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なぜ単純化されたフラットなイラスト「コーポレート・メンフィス」を広告で避けるべきなのか?

明瞭な線画・陰影のない平面的なカラーリング・幾何学的な人間のフォルム……といった特徴を持つシンプルなイラスト「コーポレート・メンフィス」をウェブサービスや企業のウェブサイトや広告で目にした人もいるはずです。テクノロジー企業によって人気のコーポレート・メンフィスですが、デザイン業界から批判が起こっていると共に、「新しい製品のビジュアルを作成する場合、コーポレート・メンフィスは絶対に避けてください」と言われるほど、その利用が懸念されています。

Why does every advert look the same? Blame Corporate Memphis | WIRED UK
https://www.wired.co.uk/article/corporate-memphis-design-tech

Corporate Memphis; the design style that quietly took over the internet | shots
https://shots.net/news/view/corporate-memphis-the-design-style-that-quietly-took-over-the-internet

フィンテック企業から宅配サービスまで、近年のテクノロジー企業では、規模や業態にかかわらず非常に似通った以下のようなイラストが利用されます。立体的に見える要素を排除し簡略化を行った「フラットデザイン」と、幾何学、カラフルな色使いが特徴のこのようなイラストはコーポレート・メンフィスと呼ばれています。

コーポレート・メンフィスは企業をクリエイティブでかつ楽しい場所のように見せるために使われますが、一方でイラストの均質化と乱用によって「魂がなくなっている」とデザイン業界から大きく批判されているとのこと。

例えば、イラストレーターのJack Hurley氏はコーポレート・メンフィスについて「デザインの観点から言えば、とても怠惰です」とコメント。Hurley氏は、Adobe Illustratorを使えば明瞭な線や色を作り出すことが容易であり、SVG形式で拡大・縮小にも対応可能にできるため、イラストの複製や編集が簡単であることを指摘しました。コーポレート・メンフィスを使うとデザインの予算と時間を削減することが可能であるため、広告代理店における採用が増加したとのこと。

SVG形式を含むベクター画像を扱う「画像ライブラリ」の登場も、コーポレート・メンフィスの急増に拍車をかけました。メキシコを拠点とするイラストレーターであるPablo Stanley氏が運営するイラストのライブラリ「Humaaans」もその1つ。

Humaaans: Mix-&-Match illustration library
https://humaaans.com/

Humaaansのイラストはインドからドイツまで、世界のさまざまな企業の広告で利用されており、そのダウンロード回数は数十万回だと推測されています。また、Adobeを始めとする企業もベクター画像のライブラリを持っており、イラストレーター以外の人がコーポレート・メンフィスを利用するための機会を提供しています。

コーポレート・メンフィスの歴史をたどると、その始まりはフラットデザインにたどり着きます。もともとAppleのようなテクノロジー企業は現実の物に似せるために陰影などの装飾を行ったスキューモーフィズムをアイコンやデザインに採用していましたが、2013年にAppleがキューモーフィズムを排除し、その対になる概念であるフラットデザインを採用しました。これを受けてアプリ開発企業などがUIをフラットデザインに変え、その後、イラストレーターの多くが続いたわけです。

コーポレート・メンフィスという言葉は、広告業界で働いていたMike Merrill氏によって作られました。Merrill氏は、Slack、Salesforce、Robin Hoodといった競業会社がそろって似たようなイラストを使い出したことを受け、1980年代に一斉を風靡した建築デザイン「メンフィス」から言葉を取って、そのイラストに「コーポレート(企業の)・メンフィス」と名付けました。

以下がメンフィスのデザイン家具。

Merrill氏はコーポレート・メンフィスを利用する企業には「成功したテクノロジー企業を模倣する小さな企業」と「IPOを果たし、安全さを求める怠惰な企業」の2種類があると指摘しています。

特にコーポレート・メンフィスが多用されるのはフィンテック業界の広告です。このため「コーポレート・メンフィスはテクノロジー企業を友好的で親しみやすく、『人と人との対話が行われているコミュニティ』のように見せますが、現実の大部分はその逆です」いう指摘があるとのこと。

コーポレート・メンフィスは意図的かつ過度の単純化によって「問題が解決されている世界」を描き、目にした人を誤解させるとデザイナーのDavid Rudnick氏は指摘しています。コーポレート・メンフィスには深度が存在せず、見ている人が解決済みのパズルを前にしているような感覚になる視覚効果があるそうです。たとえば以下の絵画であれば消失点が存在し、遠近が描かれていますが……

以下のように簡略化し完全な平面となったコーポレート・メンフィスには、上記の絵画と違って時間の概念が存在しません。長期にわたって利益を得られる金融商品を販売するフィンテック企業の場合は、このように時間の概念が消失するイラストの方が広告を出す上で有利だとRudnick氏は述べました。

「テクノロジー企業のCEOたちによるプライベートな会話を聞いていると、彼らの考え方はコーポレート・メンフィスの世界観とは真逆です。彼らの世界は、複雑なアイデアやライバル企業との戦い、暗示された脅迫、絶え間ない戦いによる支配者の変化によって構成されています。彼らは世界を攻撃的で急速に変化するものとして見ています」とRudnick氏。

言い換えると、コーポレート・メンフィスが見た人に訴えかける感情と、実際の企業の行動に不一致があるということ。企業がコーポレート・メンフィスを利用するのは一種の正当化のためであり、不誠実さが存在すると指摘されているわけです。

コーポレート・メンフィスは依然として大企業の間で人気ですが、その評判は低下する傾向にあり、小規模な企業がコーポレート・メンフィスを利用することは今後のリスクとなり得るとも考えられています。広告の創造性に関するニュースメディアのshotsは「新しいプロダクトのビジュアルを作成することを検討している場合、オーダーメイドのデザインスタジオなどを採用し、コーポレート・メンフィスは絶対に避けてください」と述べました。

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44億円の資金調達に成功したeコマース最適化ツール「Teikametrics」とは?

2020年から2021年にかけてデジタル化が大きく進み、オンラインショッピングの需要が増加しました。このような状況の中で、サードパーティーマーケットプレイスによるeコマースビジネスを最適化する「Teikametrics」が約44億円の資金調達に成功したと発表されました。

Taikametrics Raises $40M in Series B Funding | FinSMEs
https://www.finsmes.com/2021/07/taikametrics-raises-40m-in-series-b-funding.html

Teikametrics raises $40M to optimize ecommerce listings | VentureBeat
https://venturebeat.com/2021/07/15/teikametrics-raises-40m-to-optimize-ecommerce-listings/

2021年7月15日にeコマースビジネスを最適化するTeikametricsが、Intel Capital・GoDaddy・Centana Growth Partners・Jump Capital・Granite Point CapitalおよびSoftBank Vision Fund代表のLydia Jett氏らからシリーズBの資金調達において4000万ドル(約44億円)を得たと発表されました。

Teikametricsは、サードパーティーのマーケットプレイスで販売を行うブランドや小売業者の売上を最適化するツールを、SaaSとして提供しています。TeikametricsはAIを利用することで、製品の目標にあった広告キャンペーンを作成可能にし、理想的なディスプレイ広告の入札額を見定め、製品の売上を伸ばす検索キーワードの調整を行うとのこと。このとき、システムは自動でパフォーマンスを損なうキーワードを排除しつつ、コンバージョンを増やすキーワードを捕捉していき、目標までの進捗・収益性・必要な製品の組みあわせ・キャンペーンといった内容を追跡します。

具体的にTeikametricsが示すサービスの内容は以下の通り。

・広告最適化:
アルゴリズム入札とキーワード自動化による目標指向のキャンペーンで戦略的に需要を増加させる。
・マーケット・インテリジェンス:
AIを使った分析で売り上げと収益性を最適化し、ランキングを底上げしオーガニックの流入を増加させるとともに、さらなるビジネス最適化のためのデータを得る。
・優先的融資
ブランドの成長に必要な資金を得るための投資家へのアクセスを最適な利率とともに提供。
・在庫の最適化:
AIを使って取り残された在庫を追跡し、将来のニーズを予測、サプライチェーンのリードタイムを管理して、売上を最大化させるように効率化。これらを行いつつ、投資利益率(ROI)、在庫回転率、販売率といった指標を完全に可視化する。
・複数マーケットプレイスの最適化
1つのプラットフォーム上で、複数のマーケットプレイスにわたる在庫管理・広告作成を実施。それぞれのパフォーマンスをシームレスで確認可能にし、全体のパフォーマンスと戦略を最適化する。

これがTeikametricsのダッシュボード。

Teikametricsは、2001年にハーバード大学の寮内でeコマースビジネスを開始し、「Amazonのサードパーティーの売り手として最初に売り上げ100万ドルに達した人物の1人」であるというAlasdair McLean-Foreman氏によって2015年に創業されました。「Teikametricsのビジョンは、Amazonビジネスで成功した私の経験をもとに、データ・AI・専門知識を組み合わせることにあります」とMcLean-Foreman氏は述べています。

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行により、世界的にデジタル化が進み、オンラインショッピングサイトの需要も急増しました。Amazonのマーケットプレイスは2021年第1四半期に60%の成長を記録しており、ウォルマートのマーケットプレイスも2022年までに146%の成長があるものと考えられています。eコマースのプラットフォームのユーザーが増加するにつれ、Teikametricsのようなサービスの需要も上がっていくものとみられます。

なお、eコマース製品の広告にはプログラマティック広告だけでなく、「理解を伴う認知」を得るための記事広告も有効です。

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Facebookのメディア監査が延期に、実は監査の契約書も結ばれていなかったことが判明

Facebookが2021年6月末までに行われるはずだったメディア監査を延期したことが判明しました。また、実は監査を行う非営利組織とFacebookの間で、監査の契約書が結ばれていなかったことも明らかになっています。

Facebook delays its brand safety audit a year after ad boycott raged
https://digiday.com/marketing/facebook-delays-its-brand-safety-audit-a-year-after-ad-boycott-raged/

Facebookは2020年にトランプ大統領の暴力を示唆する投稿にラベル付けを行わなかったことから、1000社以上による広告のボイコットに合いました。多くの広告主が「自社広告がヘイトスピーチ・ポルノ・誤情報などの近くに配置され、これらを金銭的に支援すること」を懸念したためです。アメリカにはメディアを調査・監査する非営利組織「Media Rating Council(MRC)」が存在し、メディアの運用が業界標準に準拠しているかなどを評価していますが、ボイコットを受けてFacebookは、MRCによる監査を開始すると約束しました。

しかし、ニュースメディアのDigidayが報じるところによると、Facebookは「2021年6月末までに開始する」としていた監査をまだ実施していないことが判明したとのこと。加えて、FacebookとMRCの間では監査に関する正式な契約が結ばれていないこともわかりました。

Facebookは「監査の準備をしている段階」であり、7月中に監査を開始する予定だとFacebookの広報担当者は述べています。一方で、正式な契約書が存在しないこともあり、Facebookが何を準備しているのかは不透明です。MRCの広報担当者は「Facebookが何を準備するかによって最終的な監査範囲は左右されますが、これは実際に彼らと合意が取れれば対処できることです」とコメントしました。

Facebookは7月末までに監査を開始し、2021年末までに終了させると述べています。期限についてMRCは「第4四半期までに評価が行われる可能性はありますが、実際の日付については監査結果に影響する可能性があるため答えることができません」と述べました。

これまで両社のやりとりは非公式なメールのみで行われていますが、その中で監査が「Facebook Audience Networkインスタント記事といったパブリッシャーコンテンツ内に表示される広告がブランドの安全管理をどれくらい受けているか」や、「Facebookのコンテンツマネタイズのポリシーがブランドの安全標準に則しているか」におよぶと言及されているとのこと。ただし、公式な契約書がない以上、評価のプロセスやレベルといった内容は不明であるとDigidayは述べています。

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「プライバシーへの懸念」は実在しないという「プライバシーのパラドックス」の真偽を調査した結果とは?

ネットサービスのユーザーは「プライバシーについて心配している」と表明するものの、実際にはわずかな金銭と引換に自分の個人情報を企業と共有しており、「プライバシーへの懸念」など存在しないのだという考えを「プライバシーのパラドックス」と呼びます。プライバシーのパラドックスは実在するのか?ということで、研究者が決済サービスAlipayのユーザーにアンケートを行った上で、実際の選択を観察するという調査を行いました。

The data privacy paradox and digital demand | VOX, CEPR Policy Portal
https://voxeu.org/article/data-privacy-paradox-and-digital-demand

オンラインサービスが一般化するにつれ、企業との「データ共有」のあり方が議論されるようになっています。デジタル広告におけるサードパーティーCookieの使用などもその一例で、直接的にユーザーと関係のない企業がユーザーデータを利用することから、近年は「ユーザーのプライバシーを侵害する」と規制されつつあります。

一方、「ユーザーは『プライバシーを懸念している』と表明しつつも、実際にはわずかな金銭と引換に自らの情報を提供することに抵抗がない」という指摘も存在します。このような傾向は過去の調査結果からも明らかになっており、「プライバシーのパラドックス」と呼ばれています。プライバシーのパラドックスは、「実際のころユーザーはプライバシーの心配などしていないのだ」という主張の論拠として用いられます。

プライバシーのパラドックスは本当に存在するのか、アリババグループによって創設された研究機関「Luohan Academy」の研究者らが調査を行いました。

アリババはAlipayという決済アプリを運営しており、研究者はAlipayユーザーに対して「プライバシーへの考え」についてアンケートを実施すると共に、実際にユーザーがAlipayプラットフォームで行ったデータ共有に関する選択を分析しました。なお、Alipayは中国に9億人以上のユーザーが存在し、決済システムだけでなく、Alipay内で機能する200万個以上のサードパーティーアプリを利用可能です。ユーザーがこれらアプリを利用するには事前に特定の個人情報の共有について同意する必要があり、その個人情報の内容はニックネームからIDナンバーまで、多岐にわたるとのこと。

2020年7月に研究チームがAlipayユーザーに対して「Alipay上のアプリとのデータ共有に対する好みや懸念についての12項目からなるアンケート」を実施したところ、1万4250人から回答が得られました。「Alipay上のアプリと個人情報を共有する時にデータ・プライバシーについて心配しますか?」と尋ねた質問に対しては。46%が「とても心配している」、39%が「心配している」と答え、「心配していない」と回答した人は15%でした。

その後、2019年7月から2020年7月にかけてユーザーの行動を観察したところ、「とても心配している」と答えたユーザーは平均として、利用した16.3個のアプリのうち11.3個でデータを共有したことが判明。「心配している」と答えたユーザーは15.5個のアプリのうち11.5個でデータを共有し、「心配していない」としたユーザーは14.3個のアプリのうち11.2個でデータ共有を行いました。

以下のグラフは左から「とても心配している」と答えたグループ、「心配している」と答えたグループ、「心配してない」と答えたグループ。青いグラフが初回訪問したアプリの数、オレンジがデータ共有を許可したアプリの数です。

「プライバシーに対する懸念が大きいユーザーはデータ共有の数も少なくなる」というのが一般的な予想ですが、調査の結果、いずれのグループもデータ共有を許可する割合がほぼ同じであることが示されました。これに対し研究者は「プライバシーのパラドックスを裏付ける結果になった」と述べています。

一方で、研究者は「ユーザーのプライバシーへの懸念」と「使用するアプリが広範かつ頻繁であること」という2点が正の相関にあることを指摘。デジタルサービスに対する需要が大きいユーザーほどデータ共有に関するプライバシーへの懸念が大きくなっており、この相関がプライバシーのパラドックスの説明に役立つという見解を示しました。

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営業チームなし・広告費ゼロでカルト的人気を得た「シラチャー」の戦略とは?

by Dave Winer

チリソースであるシラチャー・ソースは、アメリカでは熱狂的なファンを持ちます。アメリカ以外にも日本を含め世界中で販売されるシラチャー・ソースは年間売上が1億5000万ドル(約165億円)を超えていますが、実は営業チームを持たず、広告費ゼロで売り上げを伸ばしてきました。シラチャー・ソースがなぜ世界的なブランドになれたのか、作家のTrung TPhan氏がまとめています。

シラチャー・ソースの歴史には議論がありますが、1930年代にタイの「Si Racha(シラチャ)」という村でThanom Chakkapakという女性が唐辛子ペースト・醸造酢・にんにく・砂糖・塩からなるソースを製造したことが始まりだと言われています。その後、さまざまなバリエーションが作られつつシラチャー・ソースは広がっていきました。南ベトナムの元兵士であるDavid Tran氏が作ったソースも、そのバリエーションの1つです。

1978年、Tran氏の家族は「繁栄する仲間たち」を意味する難民船「Huey Fong」に乗り込み、アメリカに到着。Tran氏の家族は最終的にロサンゼルスに移り住みました。当時、カリフォルニア州にシラチャー・ソースに当たるものは存在しなかったため、Tran氏はレシピの材料を唐辛子から地元で採れるハラペーニョに変更してシラチャー・ソースを売り出したとのこと。

こうして生まれたシラチャー・ソースは当初、リサイクルされた離乳食の瓶に詰められ、バンで販売されました。初月の売上げは2300ドル(約50万円)だったそうです。

製品を目立たせるため、Tran氏は販売するもの全てに「おんどり」(=雄鶏)のイラストを印刷しました。なぜおんどりなのかという理由は、Tran氏がとり年であることに由来するとのこと。そして後に内容物を絞り出せる画期的な「スクイズボトル」をデザインし、新鮮さをイメージさせる緑色のキャップをつけました。

1980年代、アメリカではアジア料理のレストランや食料品店が増加していき、これに伴いシラチャー・ソースの人気も高まっていきました。需要に追いつくためTran氏は1980年にロサンゼルスのチャイナタウンに約460平方メートルの工場を作り、1987年に約6300平方メートルの倉庫を、2010年には約6万平方メートルの倉庫をカリフォルニア州に作りました。

シラチャー・ソース は材料が少ないため、Tran氏は市場で勝つために「最良のもの」を求めました。特にハラペーニョの収穫タイミングは難しく、ミスが許されません。Huy Fongは1年で供給する シラチャー・ソース の材料となるハラペーニョをわずか10週間のうちに収穫するとのこと。

またHuy Fongはハラペーニョの品質を保つために、28年間、1社だけから仕入れを行っていました。しかし2017年に仕入れ先の企業がつぶれてしまったため、その後、Huy Fongは3社から仕入れを行っています。工場では1日16時間、仕入れたハラペーニョの加工を行い、年間約4500キログラムを処理するとのこと。

年々売り上げを伸ばし、2019年にはアメリカのホットソース市場の10%にあたる年間165億円を売り上げた シラチャー・ソース ですが、「営業チームが不在」「広告費をかけない」という驚くべき戦略を取っています。この点、Tran氏はシラチャー・ソース に商標をつけなかったことで有名です。商標登録が行われていないため、ハインツからタバスコまで、多くの競合ブランドが「シラチャー」という言葉を使うことができます。Tran氏は多くの商品が「シラチャー味」を作ることが、 シラチャー・ソース にとっての「無料の広告」となると考えています。

「私は製品を作ることに忙しくて、他のブランドについて心配したことがありません。需要を満たすだけの製品を作れたことがないんです。消費者のためには、他のブランドにも協力してもらいましょう」とTran氏は述べています。

また シラチャー・ソースのボトルは5言語に対応しているのもポイント。

タイには「Sriraja Panich」というライバル商品がありますが、ハラペーニョの代わりにカイエンペッパーを使ったこの製品は、Huy Fongのシラチャ-がカルト的人気を博していることもあって、アメリカ進出に手こずっているそうです。

Huy Fongを買収しようとする企業ももちろん存在します。しかし、Tran氏は「裕福な人のソースを貧しい人の価格で」というモットーを持っており、買収には目を向けません。「私のアメリカンドリームは億万長者になることではありません。私はスパイシーで新鮮なソースが好きだから、このビジネスを始めたのです」とTran氏は述べています。

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チャーンレートとは何ですか?

チャーンレート(Churn Rate)は、カスタマーチャーンレート(Customer Churn Rate)とも記され、顧客解約率を指す言葉です。

チャーンレートは、ウェブサービスの顧客維持において重要な指標となります。

特にサブスクリプションサービスなど、繰り返し購入が行われる製品においては、顧客契約期間が短すぎて顧客獲得コスト(CAC)を回収できないということが起こりえます。このような場合、顧客契約期間があまりにも短くならないよう、チャーンレートを低く保つ施策が必要となります。

チャーンレートを求めるには、以下の2つのデータが必要です。

1.計測期間の開始時のユーザー数
2.計測期間の終了時のユーザー数

チャーンレートは上記を用いて、以下ように計算します。

チャーンレート=((1-2)/1)×100

例えば計測開始時に100人の顧客が存在し、終了時の顧客数が110人の場合、チャーンレートは((110-100)/100)×100で、リテンション率は10%となります。

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リテンション、リテンション率とは何ですか?

リテンション(Retention)は直訳すると「維持」を意味する言葉です。

マーケティングの分野では、顧客との関係を維持していくことを「リテンション」、顧客との安定した関係を保つためのマーケティングを「リテンション・マーケティング」と呼びます。

また、特にデジタルマーケティングの分野では「既存顧客維持率」という意味で「リテンション率」という言葉が使われます。

リテンション率は、サブスクリプションサービスのような、ユーザーが繰り返し購入を行う製品において、重要な成功指標となります。

冷蔵庫やテレビのように、顧客が一度購入すると、その後に頻繁な購入がない製品では、リテンション率は成功指標として重要ではありません。

一方で、製品の購入にサブスクリプションサービスを付随させたり、保証といった継続的なサービスも提供している場合は、リテンション率が重要になります。

リテンション率を求めるには、以下の3つのデータが必要です。

【1】.測定期間の開始時に存在する顧客の数

【2】.測定期間中に登録した新規顧客の数

【3】.測定期間の終了時に存在する顧客の数

上記を用いたリテンション率の計算式は以下の通りです。

リテンション率=((【3】-【2】)/【1】)×100

例えば測定開始時に100人の顧客が存在し、期間中に25人の新規顧客を得て、終了時の顧客数が110人の場合、リテンション率は((110-25)/100)×100で、リテンション率は85%となります。

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HTTPとは何ですか?

HTTPは「Hypertext Transfer Protocol(ハイパーテキスト転送プロトコル)」の略で、ウェブサーバーとウェブブラウザの間で、情報をやりとりするための通信規格のことを言います。

ブラウザがサーバーに送る内容が「リクエスト」、サーバーがブラウザに送る内容が「レスポンス」であるため、HTTPは「リクエスト-レスポンス型のプロトコル」と呼ばれます。

また、HTTPによる通信をより安全にするための暗号化が行われたプロトコルをHTTPS(Hypertext Transfer Protocol Secure)と呼びます。

HTTPおよびHTTPSは現代のインターネットの中心的な役割を担っていますが、その仕組みが中央集権的であるという点が問題として指摘されています。このため、近年は新たに「IPFS」という通信プロトコルも注目を集めています。

IPFSとは何ですか? | GIGAZINE.BIZ

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