テレビ番組の視聴が減少する一方で、テレビ番組をスマートフォンやタブレット、スマートTVから視聴する人は増加しています。従来型のテレビ広告を行う人からすれば「モバイル端末に視聴者を奪われている」ように見える状況ですが、一方でモバイル端末での視聴が増加することは、テレビ広告を打つマーケターにとっても大きなチャンスです。従来型のテレビ広告とスマートTVやスマートフォンを使ったOTT広告の違いを、デジタルマーケティングエージェンシーのWPROMOTEが解説しています。
What marketers are getting wrong about TV advertising
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従来型のテレビでは、番組表に沿ってコンテンツが提供され、視聴者は配信されたコンテンツをリアルタイムで視聴する形が一般的でした。「リニアTV」と呼ばれるこのシステムは依然として大きな市場ではありますが、近年はテレビのコンテンツをストリーミングやオンデマンドの動画を通じて配信するOTT(Over The Top)という仕組みが増加しています。OTTは従来型のコンテンツに「上乗せ」する形で、スマートフォン、タブレット、スマートTVでの配信を行うため、リニアTVの領域を超えて視聴者にリーチすることが可能です。
ただしWPROMOTEは、サイロ化された従来のテレビ広告のアプローチを取っている企業は、リニアTVやOTTの広告ターゲティングを行ってもビジネス全体への影響が小さく、投資を回収できない可能性があると述べています。
OTT広告は従来型のテレビCMに比べて、特定オーディエンスをターゲットにしたり、パフォーマンスを効率的に測定したりが可能なものです。例えば従来型のテレビ広告は「1対多」のメッセージ伝達しかできませんでしたが、OTT広告の登場によってテレビ広告でもデジタル広告のようにターゲティングや個人最適化が行えるようになりました。また、デジタル広告のようにリアルタイムでデータを利用することで、マーケターは需要が増加したタイミングを狙って人々を目標到達プロセスに導き、テレビ広告の直接的な影響を測定することが可能。もちろん、従来型のリニアTVのような「1対多」になる瞬間を狙い撃ちして大規模なオーディエンスをターゲットにすることも可能です。

一方で、従来型のテレビ広告は「インパクトが分かりづらい」という点がデメリットでしたが、OTT広告が持つデジタル広告としての側面は、このデメリットを打ち消すものと言えます。このため、マーケターはただターゲティング広告を打つだけでなく、「オーディエンスがどのくらいブランドに注目したか」「オーディエンスをどのくらい購入に落とし込めたか」といった点まで把握する必要があります。むしろ、「オーディエンスをどのくらい購入に落とし込めたか」というところまで測定して初めて、OTT広告のポテンシャルを最大限に生かすことになるわけです。
マーケティングでは消費者が購入にいたるまでの意識遷移をパーチェスファネルという形で表現することがありますが、購入という「行動」を生み出すためには、より多くの「注意」「関心」「欲求」「検討」を生み出す必要があります。これを実現するためには「従来の方法に留まらない統合的なアプローチ」が必要だとWPROMOTE。マーケティング担当者はまず、チャネル全体を調べて、消費者に生まれた「注意」が「関心」や「検討」に転換されているのかを把握する必要があります。具体的にはCMの到達度と到達回数・ブランド検索の表示回数・Googleトレンドの変動・動画視聴回数といったKPIを使用するといった方法が挙げられます。加えて、チャンネルのパフォーマンスに留まらず、サードパーティーやファーストパーティーのデータを使用した分析で、ビジネス全体への影響を測定する必要があるとのことです。

なお、「テレビ広告はハードルが高いけれど、バナー広告以外の新しい広告手段を探している」という場合は、メディアによる一人称視点の記事で商品の信頼を裏付ける「記事広告」も1つの方法です。
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