「広告を成功させるために重要なこと」を世界一高額なCM・スーパーボウルの広告担当者が語る

話題に上る印象的な広告を作成することで知られるアメリカの広告代理店The Martin AgencyのCEOを務め、世界一高額な広告枠「スーパーボウル」を担当し、記事作成時点では同社の会長兼リッチモンド大学の非常勤教授でもあるジョン・アダムズ氏が「広告を成功させるために重要なこと」を語っています。

What Makes an Ad Successful? | Arts & Culture | Smithsonian Magazine
https://www.smithsonianmag.com/arts-culture/what-makes-an-ad-successful-82067702/

アメリカで最も高価な広告枠の1つとして知られるのが、NFLの優勝決定戦・スーパーボウルのCMで、2021年に開催された第55回スーパーボウルは30秒の平均価格が550万ドル(約5億7750万円)、1秒あたりで換算すると約1925万円にもなるといわれています。

その高額さゆえに一流企業しかCMを流せないことで知られているスーパーボウルですが、2021年は新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響で人々の生活様式が変化したこともあり、コカ・コーラを始めとする常連企業が広告撤退。一方でフリマアプリの「メルカリ」が初めてCMを流したことが話題となりました。

また、多くの企業が30秒のCMを流す中で、オンライン掲示板のRedditは「価格が高くて30秒の広告枠まるまるは買えないので、マーケティング予算全てを5秒の放送につぎ込むことにしました」と無理やりいろいろな要素を詰め込んだ5秒CMを作成。インターネットでの配信でスーパーボウルを見ている人であれば、一時停止して内容をしげしげ確認できるという、現代ならではのCMです。

スーパーボウルのCMはその視聴者数の多さ、影響力の大きさゆえにブランドのイメージを作り直すことが可能です。スーパーボウルCMを長年担当してきたアダムズ氏は、これまで最もイメージチェンジに成功したCMの1つとして、Appleの「1984」を挙げています。AppleはこのCMで自社の企業精神を示し、「監視社会を破壊する革命者としてのApple」というイメージを作り出すことに成功しました。

Apple – 1984 – YouTube

スーパーボウルのCMは世界一高額であるものの、1000リーチあたりのコストを考えると、その価値はあるとアダムズ氏。ただ、もちろん企業やサービスとの相性や、広告の質も関係があり、スーパーボウルのCMで大きく躍進できる企業もあれば、失敗する企業もあるとのことです。

そしてアダムズ氏は成功する広告の重要な要素について、「ポジティブな注目を集められることがカギであり、プロダクトやサービスについて『明白に面白いアイデア』を伝えらる能力が必要です。私たちの仕事は消費者に製品やサービスを売ることですが、消費者のレンズを通して見ると、我々の仕事は違って見えるはずです。つまり、私たちの仕事は『意味のあること』である場合と『ただ消費者を迷惑がらせている』場合があるのです。私は、自分の仕事は消費者の生活をよりよくする選択肢を提供することだと考えています」と語りました。

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