2021年9月に世界の月間アクティブユーザー数が10億人を突破したTikTokが、アプリの要であるアルゴリズムに変更を加えたことが判明しました。これにより、同じタイプの動画がユーザーに何度も表示されないようになります。
Exclusive: TikTok tackles filter bubbles – Axios
https://www.axios.com/tiktok-algorithm-changes-filter-bubble-f7cf5e87-5228-41d9-9d1f-93be76ffcfe6.html
近年人気が急上昇しているTikTokの背後には、特長的なアルゴリズムがあると言われています。InstagramやFacebookという人気SNSが「プラットフォーム全体で人気を集めているもの」をユーザーに表示するのに対し、TikTokのアルゴリズムは「ユーザーが探しているもの」を重視してコンテンツを提供します。このため、TikTokはメインストリームで注目を浴びない「ニッチなコンテンツ」を、興味・関心が高いユーザーにピンポイントで表示することが可能です。
他のSNSとは一線を画するTikTokのアルゴリズムですが、海外ニュースメディアのAxiosによると、最新のアップデートで「同じタイプの動画をユーザーに何度も表示しないようにする変更」が加えられたとのこと。
この背景には、「SNSが10代の少年少女に害を与えている」という調査結果が存在します。特に10代の女子はSNSによって自分の体に対してネガティブなボディイメージを持ちやすいといわれています。これらの事情から、TikTokは「『孤独』や『過激なダイエット』に関するコンテンツは、多少表示されるくらいであれば無害だが、何度も大量に表示されると視聴者の健康に有害な可能性がある」と考え、プラットフォーム全体で人気があってもユーザーに集中的に表示しないようにアルゴリズムを調整したとのことです。TikTokは、この取り組みが医学、臨床心理学、AI倫理の専門家の協力のもと行われたと説明しています。

もともとTikTokのアルゴリズムは、「同じクリエイターの動画を何度も表示してユーザーが退屈する」という事態を避けるように構築されていますが、今回の変更で「同じクリエイター」「同じ音源」に加えて、「同じトピック」についても連続表示されないようになるとのこと。
また、TikTokはユーザーがプラットフォームで快適に過ごせるよう、今後は「ユーザー自身が自分の体験をカスタイマイズできる」ようにすることも視野に入れていると述べています。例えば「飼い犬が亡くなったばかりの人は犬に関するトピックやハッシュタグを避ける」ことや、「菜食主義の人は肉に関する動画を避ける」ことが可能になるよう、TikTokはテストを重ねているとのことです。
なお、アルゴリズムにどのように変更が加えられても、引き続き重要になるのは「コンテンツの質の高さ」であり、一朝一夕では「ユーザーに訴求できるコンテンツ」を作ることも難しいもの。コンテンツ作成のプロの手を借りたいという場合は、ソニー、ベネッセ、カプコンなどさまざまなブランドのコンテンツを作り続けているGIGAZINEに一度お問い合わせください。

GIGAZINEの記事広告媒体資料のパスワードを入手するにはここをクリック
分かりづらい広告・アドテク・マーケティング用語の解説ページはここから
