AdobeがサードパーティーCookieなしのターゲティングを可能にする「Real-Time CDP」について発表

サードパーティーCookieの規制が増加するなかで、「サードパーティーCookieに依存せず、パーソナライズされた広告を配信する仕組み」が強く求められています。Googleは独自の広告システム「プライバシーサンドボックス」でその仕組みを開発中ですが、一方でAdobeはファーストパーティーデータを使った広告配信システム「Real-Time CDP」について発表しました。

アドビ、業界初のファーストパーティデータ指向型 次世代Real-Time CDPを発表
https://www.adobe.com/jp/news-room/news/202104/20210428_adobe-announces-industry-first-cdp-architected-for-first-party-data.html

Adobe pitches at first-party customer data challenge, marketing workflow with latest tech releases – CMO Australia
https://www.cmo.com.au/article/688031/adobe-pitches-first-party-customer-data-challenge-marketing-workflow-latest-tech-releases/

Adobe wants to replace the cookie – Techzim
https://www.techzim.co.zw/2021/04/adobe-wants-to-replace-the-cookie/

近年はサードパーティーCookieの使用が規制される方向にあることから、Googleは2019年に「2年以内にChromeにおいてサードパーティーCookieを廃止する」と発表しており、新APIFLoC」を始めとする新しい広告システムを開発しています。

サードパーティーCookieの利用が問題となったのは、サードパーティーCookieがインターネットユーザーの行動を広範に追跡し、ターゲティング広告を表示するため。このため、新システムは「ファーストパーティーデータ」を使った広告配信を行うことを想定しています。

ファーストパーティーのデータを使った広告配信は、AppleのApp Tracking Transparencyでも予定されており、今後の広告システムの中心となるとみられています。ところが2019年4月の調査では、多くの企業がファーストパーティーのデータを活用しきれていないことが判明しています。

What Are Advertisers’ Challenges With Using First-Party Data? – Insider Intelligence Trends, Forecasts & Statistics
https://www.emarketer.com/content/advertisers-struggle-first-party-data

Adobeが提供するReal-Time CDPは、顧客企業と提携し、ファーストパーティーデータを軸にサービスを展開していくとのこと。Adobeのアニール・チャクラヴァーシー氏はReal-Time CDPが、顧客の期待する「個人情報のコントロールとパーソナライズされた顧客体験」の両方を提供するとしています。

具体的にReal-Time CDPの機能として発表されているのは以下の5つ。

◆1:ファーストパーティーデータの一元化
ファーストパーティーデータは、行動データ・属性データなどさまざまなものを含みます。Real-Time CDPは企業がさまざまな種類のファーストパーティーデータを集約し、より完全な顧客像を形成するために役立つとのこと。具体的には、ウェブサイトの閲覧履歴、ブランドサイトに登録した顧客のメールアドレスや電話番号を含むファーストパーティーのウェブデータ、アプリデータ、媒体から提供されたメディアデータを組み合わせることが可能です。

このように一元化されたデータをテスト&ターゲティングアプリケーションAdobe Targetで利用することにより、企業は顧客体験をパーソナライズできるとAdobeは述べています。

◆2:機械学習を活用したリアルタイムのパーソナライゼーション
電子メールや電話番号などの登録をユーザーに促すのは、ブランドサイトにとって難しいもの。しかしReal-Time CDPを使うと、ユーザーとのやりとりに基づき「見込み客のプロファイル」を作成可能に。このプロファイルをAdobe Targetに渡すことで、コンテンツをリアルタイムに編成し、顧客にあわせて登録画面を表示させるタイミングを調整するなど、パーソナライズされた顧客体験を提供できるとのことです。

◆3:セグメントマッチ
セグメントマッチは、企業が他社とのパートナーシップによってファーストパーティーデータセットを拡張できるというもの。たとえばアパレル企業がジュエリーブランドとマッチングすることで、「アパレルサイトでドレスを購入した顧客に最適なアクセサリーをオススメする」といったことが可能になります。

◆4:類似(look-alike)セグメント
これは、既存顧客と似た属性を持つ顧客を特定し、その顧客グループを自社データに追加するというもの。「例えば、特定の既存顧客をサンプルとして指定すれば、ブランドのデータベースの中から同様の特徴を持つ別の顧客で構成される、類似セグメントを構築することができます」とAdobeは述べています。類似セグメントはセグメントマッチと合わせて使うことも可能です。

◆5:B2B企業の新しい顧客体験管理
Real-Time CDPにはB2B版も存在します。個人と法人のプロファイルを統合し、B2B企業であってもB2C企業のように施策を行うことが可能になるとのことです。

IDGの研究ディレクターであるGerry Murray氏はAdobeのReal-Time CDPについて、「顧客は、いつ・どこで・どのように・誰とやりとりするかに関係なく、ブランドが1つのものとして機能することを期待しています。これを実現するための唯一の方法は、AdobeのReal-Time CDPのようなソリューションを使用して、企業が組織あるいはアプリごとに分かれたデータを解放し、顧客データを作成することです」とコメント。顧客体験の向上は、データインフラによるサポートなしで行えないことを示しました。

またAdobeのGabbi Stubbs氏は企業間の提携やコラボレーションが増加していることに言及。2023年までには、単なるデータ管理ではない「データ共有戦略」がビジネスで成果を生み出すようになることを示唆しました。

「私たちはセグメントマッチをデータコラボレーションの次なるレベルの革新とみています。これは私たちのサードパーティーCookieレスな将来の戦略の一部です」とStubbs氏は述べています。

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