Microsoftが広告プラットフォームのXandrを買収、デジタル広告サービスを強化へ

MicrosoftがAT&Tの広告および分析部門であるXandrの買収を2021年12月21日に発表しました。Xandrの買収により、Microsoftはデジタル広告やオンラインショッピングのメディアソリューションといったサービスの開発・提供を加速させる予定です。

Microsoft to acquire Xandr to accelerate delivery of digital advertising and retail media solutions – Microsoft Advertising
https://about.ads.microsoft.com/en-us/blog/post/december-2021/microsoft-to-acquire-xandr-to-accelerate-its-digital-advertising-and-retail-media-solutions

AT&T Has Agreed to Sell Xandr to Microsoft
https://about.att.com/story/2021/xandr.html

情報通信・メディアコングロマリットのAT&Tは、2018年にXandrの前身となる広告取引所「AppNexus」を16億ドル(約1800億円)で買収。その後、AT&Tはテレビ広告技術会社であるClypdを買収し、AppNexusと合わせる形でXandrを設立しました。Xandrの目的は「テレビの広告枠の売買を自動化する」ことでしたが、2021年になっても収益化に成功せず、AT&TはXandrの売却を検討していました。

AT&Tが広告部門のXandrを約1100億円でインド企業に売却検討中 | GIGAZINE.BIZ

2021年は広告業界がCookieから脱却し、新しい広告システムを構築するための一歩を踏み出した年と言えます。これまではGoogleやFacebookの広告システムが業界の標準となってきましたが、記事作成時点では多くのアドテク企業が参加するUnified ID 2.0やAdobeのReal-Time CDPなど、さまざまな広告システムが作られてようとしています。MicrosoftのXandr買収は、この流れに沿うものであり、「消費者のプライバシーを尊重し、パブリッシャーと消費者の関係を理解し、広告主が目標を達成できる広告市場の形成を支援すること」が目的とのこと。

「MicrosoftとXandrは、データガバナンスと消費者のプライバシーを強化しながら多くの人を繁栄させるオープンウェブに対して同じビジョンと補完しあう強みを持っています」とMicrosoftは述べています。MicrosoftがXandrと行う予定だとしている具体的な取り組みは以下の通り。

・広告主がデジタルビデオやコネクテッドTVなどを横断して広告を購入できる、ファーストパーティデータ中心のプラットフォームXandrを使ってブランドアクティベーションや広告の結果を改善すること。

・アドサーバーやSSP機能を持つXandr Monetizeを通じて、パブリッシャーが自身のファーストパーティーデータへのアクセスとマーケティングの全ファネル提供することで、収益強化を実現すること。

・Microsoftの広告ネットワークであるMicrosoft Audience Networkを使って広告主とパブリッシャーの価値を上げること。

・オンライン小売向けマーケティングツール・PromoteIQで小売業者が顧客データを保持して顧客と関係を築きつつ、オープンウェブのオーディエンスへのリーチや経済的原動力を改善すること。

・マーケターがMicrosoft Customer Experience Platformを使ってオープンウェブ全体で価値の高い見込み客にリーチできるようにする機能や、シームレスな体験を通じてリーチとROIを提供する能力をさらに強化すること。

なお、買収は規制当局の審査を通過しているとのこと。買収額については非公開となっています。

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