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エンゲージメントとは何ですか?

デジタルマーケティングにおけるエンゲージメントは、コンテンツとユーザーの間に生まれるさまざまな相互作用を説明する、包括的な言葉です。オンライン広告における技術的標準規格を策定しているInteractive Advertising Bureau(IAB)は、エンゲージメントを「ブランドにポジティブなインパクトを及ぼす、認知・感情・身体的な広告経験または広告活動」と定義づけています(PDFファイル)

デジタルマーケティングの世界ではエンゲージメントという言葉が頻繁に利用されています。

TwitterやInstagramなどのマーケティングツールでも「エンゲージメント数」が表示されますが、エンゲージメントという概念自体は新しいものではありません。この「エンゲージメント」という概念は100年以上利用され続けている「AIDAモデル」にも登場します。 AIDAモデル は、人が広告を目にしてから商品を購入するまでの流れを説明するものです。

AIDAモデルでは、消費者が商品を購入するまでに「Attention(注意)」「Interest(関心)」「Desire(欲求)」「Action(行動)」という4つのステップを踏むと説明しており、このActionというステップで「エンゲージする(引き込む)」という言葉が使われました。

デジタル広告の場合、主に「ブランド側がクリックして欲しいものを消費者がクリックすること」がエンゲージメントと呼ばれます。消費者がコンテンツを見ることで、商品に対して「もっと知りたい」「買いたい」という興味・欲求が生まれ、クリックという行動に至るためです。

CROとは何ですか?

CROは「Conversion Rate Optimization」(コンバージョン率の最適化)を意味する言葉です。

コンバージョンは、ウェブサイトを訪れた人がウェブサイトが目標とする行動を達成することを意味します。例えば、通販サイトであれば「商品の購入」が最終的なコンバージョンの1つになります。そして、ウェブサイトを訪れた人のうち、コンバージョンを達成する人の割合を「コンバージョン率(CVR)」と呼びます。

ネットサービスを運営するウェブサイトや通販サイトはさまざまな方法でコンバージョン率を高める必要があり、このためのプロセスがCROです。

CROには段階があり、主に「コンバージョン率の追跡」「コンバージョン率を高める方法の仮説を立てる」「テストを行う」「結果を分析する」という流れで繰り返されます。

CROを理解する上で知っておくべき内容は以下から読むことが可能です。

CROと似た概念にSEO(検索エンジン最適化)があり、両者は重複する点もありますが、CROの改善を行うことが検索エンジンのアルゴリズムに悪影響を及ぼすこともあり、両者の目標が一致しないケースも存在します。

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GoogleのAMP対応にしたらコンバージョン率が70%減少したという事例

過去にウェブデザインの変更でランディングページのコンバージョン率を500%にすることに成功したネイサン・コントニー氏が、ウェブサイトをGoogleの推進するAMP対応にしたところ、コンバージョン率が70%も減少したという実例を明かしています。

Google AMP – A 70% drop in our conversion rate. – Rockstar Coders
https://www.rockstarcoders.com/google-amp/

Googleは2015年にモバイルのウェブ高速化を目的としたオープンイニシアチブ「AMP」を立ち上げました。AMPは「Accelerated Mobile Pages(モバイルページの高速化)」の頭文字を取ったものとなっています。

AMPはモバイルページを高速化するために「JavaScriptを利用しない」「全てインラインCSS」「CSSは75KB以下」といった標準を持っています。コントニー氏は「誰だって自分のウェブサイトを速くしたい」とAMPの考え方に賛同し、「GoogleはAMP対応のウェブサイトを検索で優遇する」というウワサもあったことから、「AMPに対応すればランディングページのコンバージョンがさらに増えるはず!」と考えてAMP対応に取り掛かりました。

しかし、結果としてコントニー氏のウェブサイトのコンバージョン率は70%も下落することになります。

「変数が多すぎてコンバージョンの下落がAMPだけを原因としたものかは定かではない」と述べつつも、コントニー氏はまず、AMPのデザインによってウェブサイトがユーザーの信頼を損なう可能性があると指摘。

AMPはウェブサイトをGoogleのCDN経由で表示するものであり、本来であればウェブサイト独自のドメインで表示されるところが、「google.com」として表示されます。Googleに全幅の信頼を置いている人ももちろんいますが、「特定のウェブサイトにアクセスしたはずなのに、URLにGoogleが表示される」という状態をフィッシング詐欺と誤解する人もいる可能性があるとコントニー氏はみています。

さらに、コントニー氏がモバイル版のGoogle ChromeのエミュレーターでAMP対応のウェブサイトをテストしたところ、ランディングページが表示されるべきところに真っ白いページが表示されることがあったそうです。インターネットで調べてみたところ、同様の問題を報告した人もいたとのこと。

さらに、AMP対応のウェブサイトは、一見AMP非対応のウェブサイトと同じに見えて、デザインに相違があるとのこと。例えば以下のランディングページを見ると、AMP非対応のページ(左)は見出しが2行で表示されているのに対し、AMP対応ページ(右)は見出しが3行で表示されています。

これらの問題が単体で「コンバージョン率の70%減少」の原因になっているとは考えられないものの、他の設計上の問題や時期的な問題と重なることで、問題が大きくなっている可能性は考えられるとのこと。コントニー氏は、AMPの概念自体には賛同しているものの、ウェブサイトにおけるAMPの利用を当面見送ると締めくくりました。

なお、GoogleがウェブサイトをGoogleのドメイン下で配信するというAMPの仕組みには数多くの懸念が寄せられており、またJavaScriptの機能しないAMPではヘッダービディングが利用できないため「デジタル広告を独占する意図があったのではないか」と独占禁止法違反での訴訟も進んでいます。

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CACとは何ですか?

CACは「Customer Acquisition Cost/顧客獲得単価」の略で、顧客1人を獲得するための費用を意味します。

このためCACの計算は「営業コスト+マーケティングコスト/期間内で獲得したユーザー数」で求められます。

たとえばある企業が1年間に営業とマーケティングに100ドル(約1万円)を費やし、その1年間に100人の顧客を獲得した場合、CACは1ドル(約100円)になります。

ただし、新しい事業や初期段階のSEOでマーケティングに費用を費やした場合、後々にならないと結果が出ないことがあるため、単純な計算では正しいCACが出ない場合があります。

またCACは単体で出すだけではあまり意味がなく、顧客生涯価値(CLV)との関係でCACの高低が判断されることになります。言い換えると、CACが1000円でも、「20年間毎週2500円の買い物をする顧客のCACが1000円」であることと、「1回きりの買い物をする顧客のCACが1000円」では意味が異なります。

なお、CACを始めとするSaaS運営に必要な各数値の計算式は、以下から読むことができます。

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ユーザーをだますウェブデザイン「ダークパターン」を禁じる法律が可決

ウェブサイトを運営する上でコンバージョンを高める工夫は必要ですが、それが度を超し「ユーザーをだます」デザインが採用されることが多くあります。近年はダークパターンと呼ばれるこのようなデザインが問題視されるようになってきており、ついにアメリカ・カリフォルニア州でダークパターンを禁じる法律が可決しました。

FINAL REGULATION TEXT
(PDFファイル)https://oag.ca.gov/system/files/attachments/press-docs/CCPA%20March%2015%20Regs.pdf

Attorney General Becerra Announces Approval of Additional Regulations That Empower Data Privacy Under the California Consumer Privacy Act | State of California – Department of Justice – Office of the Attorney General
https://oag.ca.gov/news/press-releases/attorney-general-becerra-announces-approval-additional-regulations-empower-data

California bans ‘dark patterns’ that trick users into giving away their personal data – The Verge
https://www.theverge.com/2021/3/16/22333506/california-bans-dark-patterns-opt-out-selling-data

California Approves ‘Dark Patterns’ Ban -If you Encounter Subscription Cancellation Issues, They Might be These | Tech Times
https://www.techtimes.com/articles/258062/20210316/california-approves-dark-patterns-ban-encounter-subscription-cancellation-issues.htm

ダークパターンにはいくつもの種類があり、「通販サイトで購入の最終画面になって初めて税や送料といった費用が表示される」というものや、「1つの質問に回答させているように見せかけて、よく読むと複数の異なる質問に回答させている」というものなどもあります。

新たな法律は、アメリカ国内で最も厳格だといわれる消費者プライバシー法「2018年カリフォルニア州消費者プライバシー法(CCPA)」を強化したもの。CCPAはカリフォルニア州の消費者が「企業にプライバシー情報を提供すること」を拒否できるようにするものですが、実際には企業側から示される選択肢が複雑すぎて、ユーザーが拒否できないようになっているという現状が指摘されてきました。

企業側から示される選択肢が複雑すぎるというのは、企業側が意図してダークパターンを利用していることが理由です。そこで消費者が自分のプライバシーの権利に基づきデータを制御しようとした時に、混乱したり、ミスリードされないように、新たにダークパターンの禁止が明示されたわけです。

このため、新しい法律は全てのダークパターンを一律に禁じるものではなく、個人情報の売買について「消費者のオプトアウトを実質的に妨害する効果を持つもの」に限られています。当局は具体的に以下のような例を挙げています。

・「私の個人情報を売らないことを禁じます」のような、二重否定を始めとする紛らわしい文言の使用

・「リクエストを送信する前に、なぜオプトアウトすべきではないのかという理由を聞くこと」をユーザーに強制すること

・オプトアウトのリクエストを送る方法が、ウェブページやドキュメントに記載されたプライバシーポリシーについての長い文章をスクロールしなければ見つからないようにすること

CCPAに準拠していないことが判明した企業には、サービスを修正するための30日間の猶予が与えられ、従わなかった場合は「司法長官が提訴する訴訟において、不公正な競争に関する法律に基づいて民事罰を受ける」とのこと。

今回制定された法律はダークパターンを限定的に取り締まるものですが、2019年には「10億人以上のユーザーを持つ企業がユーザーの個人情報の扱いに関してダークパターンを使用すること」を禁じる法案が提出されました。ただし、この法案は議会での決議には至っていないとのことです。

なお、近年はAmazonプライムのように「一度加入すると退会が困難」という形のダークパターンも問題視されており、消費者団体がAmazonを提訴する事態に発展しています。

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PIIとは何ですか?

PIIとは「Personally Identifiable Information(個人を識別可能な情報)」を意味する言葉、つまり個人情報を意味します。

法的な意味でいうと、PIIと個人情報(Personal Data)は定義が異なります。PIIは欧米において法的な定義がなく、より広範・一般的な言葉であるのに対し、個人情報はヨーロッパの法律およびGDPRで法的に定義されています。

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PPIDとは何ですか?

PPIDとは、Googleが広告システムで導入する「Publisher Provided Identifier(パブリッシャー指定の識別子)」を略した言葉です。

パブリッシャーやアプリ開発企業、広告運用企業はユーザーに識別子を割り当てることで、そのユーザーが訪れたウェブサイトの履歴などから、興味・関心を推測し、広告を配信します。この識別子として代表的なものがCookieですが、PPIDはパブリッシャーがユーザーに割り当てるファーストパーティーの識別子です。

もともとPPIDはパブリッシャーと広告購入者の直接取引でしか使われていなかったものですが、Googleが構築中の新しい広告システムの中では、PPIDがより広範に利用されることが検討されています。

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Unified ID 2.0、Unified IDとは?CookieやGoogleの「プライバシーサンドボックス」との関係・違いを解説

Unified IDは、DSP企業であるTradeDeskが提案している、Cookieに代わる新しい広告識別子を意味します。

これまでターゲティング広告で利用されてきたサードパーティーCookieはプライバシーの観点から規制される方向にあり、すでにSafariやFirefoxでブロックされているほか、Chromeも2022年までにサポートを廃止する予定です。

Cookieはターゲティング広告で中心的な役割を果たしているため、これが使えないとなるとデジタル広告の効率が下がり、パブリッシャーや広告主などの収益が減少すると懸念されています。このため、デジタル広告を運用する企業は、Cookieを使わない新しい広告運用方法を構築しようとしています。

Googleの場合は、プライバシーサンドボックスという提案の中で、新たな仕組みを考案・テスト中です。

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そしてGoogleとは別に、TradeDeskは2020年にCookieの代替となる識別子Unified ID 1.0を、自社システムの中で運用することを発表しました。

Unified IDは、Cookieの代わりに「ユーザーの暗号化されたメールアドレス」を使用します。ユーザーがメールアドレスを使ってログインを行うと、暗号化されたメールアドレスを元に識別子が作成されます。識別子が作成される時には容易な言葉でその旨がユーザーに示されるため、ユーザーはデータの共有方法などについて設定可能。また、識別子はセキュリティ向上のため定期的に再作成される仕組みとなっています。

その後、TradeDeskはTradeDeskユーザー以外でもUnified IDを使えるように、プロジェクトをオープンソース化した「Unified ID 2.0」を発表。GitHub上でソースコードを公開しています。

The Trade Desk · GitHub
https://github.com/thetradedesk

オープンソース化することで、Unified ID 2.0に多くの企業が賛同。Index ExchangeMagnitePubMaticOpenXといった広告プラットフォームがUnified ID 2.0を利用する予定であり、これら企業によるネットワークでは、Unified ID 2.0がウェブサイトやプラットフォームを横断する識別子として機能すると考えられています。

なお、2021年2月23日にTrade DeskはUnified ID 2.0をヘッダービッディングソリューションのPrebidに引き渡したことを発表しました。これは「Trade Deskは自社の競争優位性をUnified ID 2.0の運用で利用するのではないか」と懸念されていたためで、プロジェクトをPrebidに渡したことにより、中立な観点で運用が監視されることを目的としています。

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「40万円の靴を買う人」の心理を理解することがコンバージョンの向上に役立つ

ショッピングサイトであってもウェブサービスであってもコンバージョンを上げるためには「なぜ人がその商品を欲しがるのか」を深いところまで理解する必要があります。コンサルティング企業Expatriate ConsultancyのCEOであるLevi Borba氏は、この理解に「40万円の靴を買う人の心理」を考えることが役立つと解説しています。

Understanding Why People Buy $4000 Shoes Will Change Your Marketing Strategy | by Levi Borba | The Startup | Mar, 2021 | Medium
https://medium.com/swlh/understanding-why-people-buy-4000-shoes-will-change-your-marketing-strategy-504c6ae70f8a

◆商品を購入する人は「商品」にお金を支払うわけではない

Borba氏は大学時代に「億万長者の息子」と同じマーケティングの講義を受けたことがあり、その時の講義に登場した300ドル(約3万円)のジーンズについて、億万長者の息子が「300ドルのジーンズを購入する人は誰でもジーンズとは別の『真剣なニーズ』を持っているはずです。ジーンズにそんなに払う人を見たことがないから」と語ったことが印象的だったと語っています。

この発想は、マーケティングにおいて非常に重要だとBorba氏。人が欲しがるものは「商品そのものでない」ケースが多々あるためです。

フォードの創業者であるヘンリー・フォードは同様の考えを、「もし私が人々に何が欲しいかを尋ねて回ったら、彼らは『もっと速い馬が欲しい』と答えただろう」という言葉で示したとされています。つまり、人々は「馬」という商品ではなく「速い移動手段」という結果を欲していたのですが、単純な質問ではそのニーズが導けないということ。フォード氏が実際にこのような発言を行ったかは議論があるところですが、その内容は的を得ているとBorba氏は記しています。

仮に40万円の靴を購入する人がいたとして、なぜその靴が必要なのかは、購入者が新郎であるか政治家であるか、外交官であるか、ハンドメイド靴の愛好家なのかで異なります。政治家や経済学者は高価なアクセサリーをつけることで相手に「自分は成功者である」と印象づけることが可能なので、印象操作のために高価な靴を購入することがよくあります。つまり、本当に購入したいのは「成功者としての印象」であるわけです。

消費者が購入しているのは「商品そのもの」ではなく「商品によって得られる結果」であるという点を念頭に、物を売る立場の人は、自分の顧客の心理を深く理解する必要があるとのこと。3000円で購入することが可能なジーンズを3万円で購入する人は、「2万7000円相当の価格差を補う何か」を求めている、とBorba氏。

Borba氏が運営するコンサルティング企業の商品はもともと「コンサルティングのセッション」でした。しかし、ある時「クライアントは問題が解決するかどうかわからないのに、時間あたりでコンサルティング料を払うのが心配なのだ」ということにBorba氏は気づいたそうです。そこで、「時間あたりのコンサルティング」ではなく、「問題解決に対する保証」を販売することにしました。これにより、商品をより魅力的にするだけでなく、値上げにも成功したとBorba氏は述べています。結局のところ、クライアントが求めていたのはコンサルティングではなく「安心」だったわけです。

◆人が高価な物を買う理由

そして人が高価なものを購入する場合、理由の多くは「希少性」にあるとBorba氏。希少性は消費者に対し「今すぐに買わないと」という「緊急性の感覚」と、ステイタスの高さを意味する「排他性の感覚」を生み出させます。後者はヴェブレン財という言葉でも言い表され、一般的な商品が「価格が高くなるほど需要が減る」という曲線を描くのに対し、ヴェブレン財は「価格が高くなるほど需要が増加する」という逆の曲線を描きます。

とは言っても、希少性には適切な理由が必要。「手作りのため大量生産できないカバン」「希少成分が入っている化粧水」「動員数の限られているコンサート」などがその理由にあたります。一般的には「製品が不足していること」はネガティブな事柄に受け取られがちですが、高額製品の場合は「製品の不足」と「希少性の理由」を明確にすることで顧客に価値の理解を促しプラスの影響を与えるとBorba氏は述べました。

また上記のような考え方を身に付ければ、高価でない商品を販売することにも役立つとのこと。自分が請け負った1つの事例として、Borba氏は「空港近くのホテル」を挙げています。空港近くのホテルは、通常、旅行者が次のフライトまでの休憩や、待ち時間を使って街を観光したい時に利用します。このためBorba氏は当初、「フレンドリーで落ち着いた雰囲気の清潔な部屋を提供すること」が大切だと考えました。

しかし、その後Borba氏は「旅行者が望んでいるのは『次のフライトに遅れない』という確実性だ」と気づいたとのこと。このことには競合他社も気づいていませんでした。そこでBorba氏はホテルに対し「標準的なサービスに空港までの無料送迎を加えること」を提案。これにより、無料送迎のコストを補うほどに十分な値上げを行うことができたそうです。

◆商品について考える時に自問自答すべきこと

自分の顧客には「欲しい物は何ですか?」と尋ねずに、顧客に隠された欲求を突き止めることが重要とBorba氏は述べています。親がディズニーランドのチケットを購入するのはディズニーランドのチケットが欲しいからではなく子どもたちの笑顔を見たいからであり、人々が保険を購入する時に本当に欲しいのは安心です。

Borba氏は製品について考える時に、以下の質問を自問自答することを推奨しています。

・自分の売っている商品を購入した人が得る「最も大きな恩恵」は何か?
たとえば空港ホテルの場合は「次のフライトまでに空港に到着すること」と「休暇の準備ができること」です。

・ビジネスでどのように「希少性」を生み出せるのか?
Borba氏のコンサルティング企業の場合、カレンダーで「予約が取りにくい期間」を可視化しました。

・見込み客にはどのような異議があり、その異議をどのように解決できるか?
Borba氏のコンサルティング企業の場合、「問題が解決できずお金を無駄にする可能性がある」ことが異議でした。

・どうすれば「法外なオファー」を行うことができるか?
Borba氏のコンサルティング企業の場合、「問題解決ができない場合、1円たりとも受け取らない」ということを保証として明記しました。

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スーパーCookieとは何ですか?

ユーザーがウェブサイトを閲覧した時に、ウェブサイトがPCやスマートフォンに保存させる情報をCookieといい、ユーザーの識別子として利用されます。

サードパーティーCookieはプライバシーへの懸念から、近年はSafariやFirefoxではブロックされており、またユーザーがCookieの利用について選択できるウェブサイトも増えてきました。

しかし、企業はより効果的な広告を出すためにユーザーを識別し、その行動や興味・関心を特定したいため、Cookie以外のものを識別子として利用することがあります。この時、Cookieを使わずともユーザーを識別できる識別子を「スーパーCookie」と呼びます。通常のCookieはすでにユーザーが管理する方法がありますが、スーパーCookieはユーザーが検知しにくく、取り除くのも難しいという特徴を持ちます。

スーパーCookieという単語が話題になりだしたのは2015年。当時は比較的新しいセキュリティ機構だった「HTTP Strict Transport Security」を利用した「HSTSスーパーCookie」という手法が発表されました。HSTSスーパーCookieはブラウザのプライバシーモードを回避してユーザーの行動を追跡可能でした。

HSTSスーパークッキーについては、以下から詳細を読むことが可能です。



また、大手携帯キャリアのVerizon(ベライゾン)は2012年からユーザーに公表することなくスーパーCookieを利用していたとして、罰金を命じられました。この時、Verizonは「UIDH」というコードを用いて顧客を識別しました。



さらに、2021年2月にはブラウザのFavicon(ファビコン)をスーパーCookieとして使用する手法が発表されました。

このように、スーパーCookieは特定の方法を指す言葉ではなく、「通常のCookieのような役割を果たしつつも、ユーザーが検知しにくく、取り除くのも難しい」という特徴を備えたものを意味します。

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